取組事例一覧
東京医科歯科大学SDGs推進宣言(2021年6月)の下、大学全体でSDGs達成に向けた取組みを推進しています。
国立大学法人東京医科歯科大学のSDGs目標として、本学の使命である教育・研究・医療を念頭に、目標3(健康と福祉)をメインに
目標4(教育)、目標9(産業と技術基盤)を挙げていますが、本学では、この3つの目標に限らずにSDGsに向けた取組みを幅広く行っています。詳細は各取組のページをご覧ください。
-
「 日本人の高血圧に健康格差が存在。格差は拡大傾向 」【相田潤 教授】
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科健康推進歯学分野の相田潤教授の研究グループは、京都大学、大阪国際がんセンターとの共同研究で、ビッグデータを用いて日本人の高血圧の健康格差とそれを説明する行動について分析を行いました。その結果、経年的な高血圧の格差の拡大傾向や、肥満などが格差に寄与する修正可能なリスク要因として重要であることが明らかになりました。本研究成果は、国際科学誌Hypertension Researchに、2024年3月5日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 抜歯後の矯正学的な歯の移動の局所加速化現象へのSDF-1の関与を発見 」【石田雄之 助教】
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野の小野卓史教授、石田雄之助教およびDuangtawan Rintanalert大学院生らの研究グループは、抜歯後の周囲歯槽骨の代謝活性化現象において、歯の移動時に破骨細胞集積に関連する細胞走化性ケモカインSDF-1が重要な役割を果たしている可能性に着目し、SDF-1の中和モノクローナル抗体※2を局所投与することによりその役割について解析しました。その結果、抜歯後周囲歯槽骨における炎症反応が抑制され、破骨細胞の集積は減少し、矯正力による歯の移動量が減少することを明らかにし、抜歯後の歯槽骨における局所的骨代謝活性化現象にSDF-1が関連することを発見しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Scientific Reportsオンライン版に、2024年2月29日に発表されました。 ※2中和モノクローナル抗体・・・・・・・・病原体や物質の表面にあるにタンパク質の構造に結合し、その病原体や物質の生物学的な影響を中和することで、感染性や機能を失わせる作用のある抗体のうち、ただ一種類の抗体産生細胞から産生される均一の抗体。特定の目標にのみ結合するため、医薬品として期待されている。 詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 新興・再興感染症パンデミック下の新薬開発を加速する臨床試験デザインを特定 」【平川晃弘 教授】
東京医科歯科大学大学院 臨床統計学分野の佐々木誠治大学院生、佐藤宏征助教、平川晃弘教授の研究グループは、国立国際医療研究センター、国立成育医療研究センター、東京大学、聖マリアンナ医科大学、藤田医科大学の研究者との共同研究で、複数の被験薬を共通のプラセボまたは対照薬と比較するアダプティブプラットフォーム臨床試験の効率性をクリニカルトライアルシミュレーション実験により分析しました。その結果、アダプティブプラットフォーム臨床試験は、統計的妥当性を損なうことなく、薬剤の開発期間を短縮し、さらに臨床試験に参加して頂く患者さんの数(総試験参加者数)を削減できることが明らかになりました。ただし、この開発の効率性は、患者登録スピード、各被験薬に期待される治療効果の大きさから計算される試験計画時の予定登録患者数、各被験薬群への患者登録の開始時期等に依存することも同時に分かりました。本研究の成果は、パンデミック時に最適な臨床試験の実施方法(臨床試験デザイン)を決定する際の重要な指針となることが期待されます。 本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 医薬品等規制調和・評価研究事業「国内マスタープロトコル試験の実施に関する規制的、統計的、実務的課題の検討とその適正利用のためのガイドライン作成(研究代表者 平川晃弘)」、及び新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「新興・再興感染症流行に即応した医薬品開発に係る臨床研究を実施するための体制整備の基盤技術構築に関する研究(研究代表者 杉浦亙)」の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、米国臨床薬理学会が刊行しているClinical Pharmacology & Therapeuticsに、2024年3月5日に発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 ホモ・サピエンスに特徴的な頭蓋底形態に寄与するゲノム変化を解析 」【船戸紀子 准教授】
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科シグナル遺伝子制御学分野の船戸紀子准教授は、ヘルシンキ大学(フィンランド)、バルセロナ大学(スペイン)との共同研究で、ヒトの頭蓋底の形態の進化に、T-box型転写因子TBX1の発現を調節するゲノムの変化が関与した可能性を見出しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌The American Journal of Human Geneticsに、2024年4月11日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 皮膚筋炎の致死的間質性肺炎の治療標的候補はインターロイキンー6である 」【沖山奈緒子 教授】
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野の沖山奈緒子教授や、同非常勤講師かつ東京女子医科大学膠原病リウマチ内科学分野の市村裕輝助教の研究グループは、大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室の藤本学教授、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの竹田潔教授・香山尚子准教授、筑波大学医学医療系皮膚科学の乃村俊史教授との共同研究で、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎患者さんの間質性肺炎を模した新規モデルマウスを確立し、この疾患が自己反応性CD4 ヘルパーT細胞で引き起こされていること、間質性肺炎成立には炎症性サイトカインのインターロイキン‐6が重要な働きをしており、特異的治療標的になりうることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、米国科学アカデミー機関誌である国際科学誌Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)に、2024年4月8日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 IL-33/ST2経路および歯周組織常在型マクロファージの炎症制御 」【中島友紀 教授】
東京医科歯科大学歯学部の中島友紀教授、同大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学分野の林幹人准教授、同大学院歯周病学分野の岩田隆紀教授、片桐さやか准教授、大杉勇人助教、劉安豪大学院生、および大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室の審良静男教授らの研究グループは、既存の結紮誘導型マウス歯周炎モデルを改良し、経時的・網羅的な解析を行う事により、歯周炎の発病過程における歯根膜組織の重要性を見出しました。さらに、歯周組織常在型の特殊なマクロファージの存在が示唆され、IL-33/ST2経路がこの細胞を介し歯周炎の骨破壊急性期における炎症調節作用を発揮する事を生体レベルで明らかにしました。この研究は、日本医療研究開発機構の革新的先端開発支援事業AMED-CREST「骨恒常性を司る骨細胞のメカノ・カスケードの解明」(研究開発代表者:中島友紀)およびPRIME「加齢に伴うオステオカインの変化がもたらす個体機能低下機構の解明」(研究開発代表者:林幹人)、科学技術振興機構の創発的研究支援事業 「口腔内細菌叢破綻の生涯に渡る代謝への影響」(研究代表者:片桐さやか)、科学研究費補助金、武田科学振興財団、アステラス病態代謝研究会等の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は国際科学誌Nature Communicationsに、2024年3月28日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 2型糖尿病への集約的治療による歯周病の改善 」【水谷幸嗣 講師】
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の岩田隆紀教授と水谷幸嗣講師の研究グループは、九州大学、横浜市立みなと赤十字病院、総合南東北病院との共同研究で、2型糖尿病への集約的治療が、歯周病の炎症や検査値が改善することを明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Journal of Clinical Periodontologyに、2023年3月6日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 中枢神経を標的とした核酸医薬の高い有効性と安全性を有する技術開発に成功 」【横田隆徳 教授】
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 脳神経病態学分野の横田隆徳教授、吉岡耕太郎特任助教、Su Su Lei Mon特任研究員、松林泰毅大学院生らの研究グループは、大阪大学 大学院薬学研究科 生物有機化学分野の小比賀聡教授らのグループとの共同研究で、核酸塩基を修飾した糖部架橋型核酸「BNAP-AEO ※2」による新規の核酸化学修飾技術を新たに導入したASOを、マウスを用いて検証したところ、高い有効性を保持しつつ重篤な神経系の副作用を劇的に改善することを明らかにしました。さらに、研究グループはその副作用改善のメカニズムを検証し、脳内に存在するSigma-1受容体※3の関与を示唆する結果を得ました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業」、「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(RNA標的創薬技術開発)」、「脳とこころの研究推進プログラム(領域横断的かつ萌芽的脳研究プロジェクト)」、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業(JPMJFR216H)」、日本学術振興会(JSPS)「科研費助成事業(基盤研究(B)JP22H02979)」などの支援のもとで行われたので、その研究成果は、国際科学誌Molecular Therapy - Nucleic Acidsに、2024年3月18日にオンライン版で発表されました。 ※22',4'-BNA/LNA with 9-(aminoethoxy)phenoxazine (BNAP-AEO) 大阪大学の小比賀聡教授、中川治博士らが開発した新規の核酸分子の化学修飾技術。核酸糖骨格部に対する化学修飾である2',4'-BNA/LNAと、塩基に対する化学修飾である9-(aminoethoxy)phenoxazineを組み合わせた技術である。本研究グループはBNAP-AEOを導入した核酸分子は、標的RNAへの高い結合能を有することを報告している。 ※3Sigma-1受容体 脳内の特に神経細胞に多く発現する二回膜貫通型タンパク質。細胞内のカルシウムイオン濃度の調製や小胞体ストレス経路の活性化、ミトコンドリア機能の強化など様々な機能を有することが示されている。 詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 がんの骨転移をCT画像から自動で検出するAIモデルの開発 」【佐藤信吾 講師】
東京医科歯科大学病院 がん先端治療部・緩和ケア科 佐藤信吾講師、東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 整形外科学分野 吉井俊貴教授、画像診断・核医学分野 立石宇貴秀教授らの研究グループは、株式会社NTTデータグループとの共同研究で、CT画像から「がんの骨転移」を自動で検出可能な新たなAIモデルを開発することに成功しました。また、開発したAIモデルが整形外科および放射線科の専門医と同等の検出精度を示し、若手医師の画像診断精度を向上させることも検証しました。本研究成果は、国際科学誌Spineの2024年3月15日発行号に掲載されました。 ※詳細につきましては、本取組のURLよりご覧ください。 -
「 大腸癌の進展に関わる非ゲノム型YAP活性化機構の同定 」【油井史郎 准教授】
東京医科歯科大学統合研究機構再生医療研究センター油井史郎准教授は、ルーヴェンカトリック大学消化管腫瘍学Sabine Tejpar教授との国際共同研究を行い、大腸癌において遠隔転移や抗癌剤耐性に重要と考えられている腫瘍微小環境の中で、特定の細胞外基質を起点とするシグナル経路を明らかにしました。この研究は東京医科歯科大学消化器病態学小笠原暢彦大学院生(指導教員:岡本隆一教授)、同大学臨床腫瘍学加納嘉人講師によって行われました。本研究は同大学高等研究院炎症性腸疾患研究室(渡邉守特別栄誉教授)、同大学消化管外科学分野(絹笠祐介教授、山内慎一講師)、同大学人体病理学分野(大橋健一教授)、同大学病院病理部(大西威一郎助教)との緊密な学内連携に支えられ、主に文部科学省科学研究費補助金、科学技術振興機構(JST)、土田直樹研究助成基金の支援のもとで施行されました。研究成果は、国際科学誌iScience(アイサイエンス)に、2024年2月16日オンライン版で公表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 アレルギーを抑えるマクロファージが誘導される過程を解明 」【三宅健介 特任助教】
東京医科歯科大学 高等研究院 炎症・感染・免疫研究室の三宅健介特任助教、伊藤潤哉大学院生、髙橋和総大学院生、烏山一特別栄誉教授と教養部の中林潤教授の研究グループは、順天堂大学、東京理科大学、ケープタウン大学との共同研究により、皮膚アレルギー炎症局所の1細胞RNAシーケンス解析をおこない、皮膚にやってきた炎症性単球※3がアレルギーを抑制するマクロファージへと変化していく仕組みを解明しました。この研究は、文部科学省科学研究費基金・補助金、武田科学振興財団、内藤記念科学振興財団、上原記念生命科学財団、かなえ医薬振興財団、大山健康財団、東京医科歯科大学 次世代研究者育成ユニット、東京医科歯科大学 重点領域研究、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム、JST ACT-X「生命現象と機能性物質」の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Communicationsに、2024年2月23日にオンラインにて発表されました。 ※3炎症性単球・・・・・・・・血中を流れる白血球の1つである単球のなかでも主要なグループの1つ。もとは炎症を惹き起こす細胞と考えられていたためこのように名付けられたが、最近は炎症性単球が炎症抑制型マクロファージへと変化することも報告されている。皮膚などの末梢組織に入り込んだのちに、マクロファージや樹状細胞へと変化し、末梢組織の免疫反応に関与する。 詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 脾臓にmRNAを送り届け、ワクチンへ応用 」【内田智士 教授】
東京医科歯科大学難治疾患研究所先端ナノ医工学分野の内田教授の研究グループは、川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)、京都府立医科大学、杏林大学、東京大学との共同研究で、脾臓にmRNAを送り届けるナノ粒子を開発し、mRNAワクチンとしての有用性を実証しました。この研究は文部科学省科学研究費補助金ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、Wileyが発刊する国際科学誌Small Science誌に、2024年2月22日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
深層生成モデルを活用した細胞共局在ネットワーク解析ツール「DeepCOLOR」を開発【島村徹平 教授】
国立がん研究センター研究所計算生命科学ユニットの小嶋泰弘独立ユニット長(東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野連携研究員)、東京医科歯科大学難治疾患研究所計算システム生物学分野の島村徹平教授(名古屋大学大学院医学系研究科システム生物学分野特任教授)、名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍病理学・分子病理学分野の三井伸二准教授、榎本篤教授、同大学院医学系研究科皮膚科学分野の秋山真志教授らの研究グループは、生体組織内の細胞間共局在関係※3を解析するための画期的な情報解析手法「DeepCOLOR」を開発しました。 この手法は、一細胞トランスクリプトームデータと空間トランスクリプトームデータを統合し、深層生成モデルの枠組みを利用して、生体組織内の細胞間ネットワークを一細胞解像度で分析することを可能にする技術です。本解析手法をマウスの脳組織、ヒトの扁平上皮癌サンプル、SARS-CoV-2に感染したヒトの肺組織のデータに適用し、細胞間の共局在関係を網羅的に解析することにより、組織内で近接する細胞集団の同定や、細胞間コミュニケーションの分子機構の推定が可能となりました。 細胞間コミュニケーションの理解は、細胞応答や疾患、組織の生物学的機能研究において不可欠です。DeepCOLORは、一細胞トランスクリプトームデータを用いて、細胞の組織内空間分布を復元し、一細胞レベルの共局在解析を実現することに成功しました。本解析手法は、細胞間コミュニケーションの分子メカニズムに関する網羅的なデータに基づく仮説の提案を可能にし、疾患の超早期段階からの予測や新規の創薬標的の探索に役立つと期待されます。 本研究成果は、国際学術誌「Cell Systems」に2024年2月21日にオンライン掲載されました。 ※3共局在関係 異なる細胞が物理的に同一の組織内部位に位置すること。この関係は、細胞内の機能的な相互作用やシグナル伝達の研究において重要で、細胞の働きや病態の理解に役立つ。 詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 成人の慢性腎臓病透析患者に潜む遺伝性腎疾患を解明 」【蘇原映誠 准教授、森崇寧 助教、藤丸拓也 非常勤講師】
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 腎臓内科学分野の蘇原映誠准教授と森崇寧助教、藤丸拓也非常勤講師の研究グループは、医療法人眞仁会との共同研究で、20歳から49歳の間に慢性腎臓病の進行により透析療法や腎移植術を受け、その原因となる腎疾患が明らかでない患者を対象に網羅的遺伝子解析を行い、10%以上の患者に未診断の遺伝性腎疾患が潜在していることを明らかにしました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、国立研究開発法人日本医療研究開発機構およびクラウドファンディングの支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌 Kidney International Reportsに、2024年2月14日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 光で骨吸収をコントロールする新技術を開発 」【中田隆夫 教授、小野卓史 教授、東京工業大学 石井智浩 教授】
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 細胞生物学分野の石井智浩講師(現・東京工業大学マネジメント教授)、浅野豪文助教、中田隆夫教授の研究グループ、咬合機能矯正学分野の高田愛子大学院生と小野卓史教授の研究グループ、分子細胞機能学分野の中浜健一准教授は、光を用いて成熟破骨細胞を分化誘導する新たなツールOpto-RANKを開発しました。光照射を制御することで特定の場所で破骨細胞を生み出すことに成功し、その結果、局所的な骨吸収が可能となりました。光で骨吸収を操作する新たな治療法の開発が期待されます。この研究は文部科学省科学研究費補助金、武田科学振興財団ならびにブレインサイエンス振興財団の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Scientific Reports(サイエンティフィック・レポート)に、2024年1月19日にオンライン版で発表されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 生体内の胎盤を模倣したヒト胎盤オルガノイドの作製に成功 」【梶 弘和 教授】
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 診断治療システム医工学分野の梶弘和教授と堀武志助教は、東北大学 大学院医学系研究科 情報遺伝学分野の有馬隆博名誉教授、柴田峻助教、小林枝里助教、熊本大学発生医学研究所 胎盤発生分野の岡江寛明教授らの研究チームと共に、ヒトの胎盤幹細胞を用いて、生体内の絨毛に類似した胎盤オルガノイド※1の作製に成功しました。本研究は、日本医療研究開発機構の革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)、科学研究費補助金などの支援のもとで行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Nature Communications(ネイチャー コミュニケーションズ)に、2024年2月8日にオンライン版で発表されました。 ※1 オルガノイド 幹細胞などの自己組織化により形成される、組織様の細胞構造体。 詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
【日本初】 Lancet Countdown 2023 Japan プレゼンテーション 子どもの健康問題としての気候変動セミナーを開催しました
2023年12月14日、世界や日本で確認されている気候変動による健康被害や医療現場の状況について、第一線で活躍する専門家が最新の知見を共有する場を設け、東京医科歯科大学および長崎大学の共同主催で、ランセット・カウントダウン後援の下、報道関係者と医療従事者を対象としたセミナーを開催しました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。 -
「 アルドステロン産生腺腫の腫瘍内不均一性を単一核レベルで解明 」【山田哲也 教授、村上正憲 助教】
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 分子内分泌代謝学分野の村上正憲助教、原一成大学院生、池田賢司准教授、山田哲也教授らは、二次性高血圧症の重要な原因疾患であるアルドステロン産生腺腫の組織を単一核レベルで初めて解析し、腫瘍内不均一性があることを解明しました。 アルドステロン産生腺腫は、副腎皮質ホルモンの一種であるアルドステロンを自律分泌する内分泌腫瘍であり、原発性アルドステロン症の病型の一つとして重症高血圧や糖尿病の原因となることが知られています。これまでアルドステロン産生腺腫の組織にはホルモン合成能に差のある細胞が混在していることが予想されていました。今回、腫瘍組織の遺伝子発現パターンを単一核レベルで詳細に解析することにより、アルドステロン産生腺腫がホルモン合成能の分化度の観点で多様な細胞が含まれた不均一な集団であることを証明し、それらの細胞が腫瘍内での分化過程の各段階を示している可能性を明らかにしました。この知見は、アルドステロン産生腺腫の発症メカニズム解明に新たな視点をもたらすもので、本研究の発展によって、二次性高血圧・糖尿病の原因の一つである原発性アルドステロン症の病態解明および予防・治療法の開発などにつながる可能性があります。 本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業(目標2「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」)、日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究C)、公益財団法人日本応用酵素協会(成人病の病因・病態の解明に関する研究助成)の支援を受けて実施されました。 本研究成果は米国科学誌「Hypertension」の2月号に掲載されました。 ※詳細につきましては、本取組に関するURLよりご覧ください。