統合研究機構・統合イノベーション機構
統合イノベーション推進機構は、⺠間企業等との産学連携活動・臨床研究の更なる推進と知的財産の戦略的活⽤を進めるため、統合研究機構からスピンオフする形で2020年4⽉に新たに発⾜しました。統合研究機構・オープンイノベーション機構との連携のもとに、産学連携活動を強化・推進します。
機構長からのメッセージ
統合研究機構 機構長 古川哲史(ふるかわ てつし)
―指定国立大学法人指定
本学は2020年10月15日に世界最高水準の教育研究活動の展開が見込まれる大学として指定国立大学法人に指定されました。掲げたミッションは「social impactのある活動によりトータルヘルスケアに貢献する」です。これを達成するために、研究面では「重点領域研究(創生医学研究・難病・希少疾患研究・口腔科学研究・データサイエンス)」と「次世代研究者・次世代重点領域研究シーズの育成」を両輪として進めます。
-益々大きくなる統合研究機構の役割
統合研究機構は渡邊守前々統合研究機構長、木村彰方前統合研究機構長により、統合研究機構のシステムはすでに整備されています。主にハード面から皆さんの研究を支援する「研究基盤クラスター」、ソフト面から支援する「研究力強化ブランチ」、重点領域の研究者が展開する「先端医歯工学創成クラスター」、および連携機関として主に定年を迎えた一流研究者の研究の場「高等研究院」からなります。指定国立大学法人となり、先端医歯工学創成クラスターにあるライフコース研究コンソーシアムの3コンソーシアムは指定国立大学法人の重点領域に移行し、リサーチコアセンターが高額研究機器の購入の困難な次世代研究者、臨床業務に忙しい臨床研究者のサポートを行うこととなり、統合研究機構の役割は益々大きくなります。
-Academic freedomをもって研究できる環境・文化の醸成
創造的な研究成果を出すためには、自分のやりたい研究をpassionを持ち行うことが大切です。欧米では、仕事時間の20%を会社の業務でなく自分のやりたいことができる日(これをオーバーナイトで配達するFederal expressにちなんで「Fedex day」と言います)に設定する企業が増えています。そのフロンティアがGoogleであり、g-mail・google translateなどのオリジナリティあるヒット商品はFedex dayに行われた研究開発から生み出されています。研究でも、画期的な研究成果は自由な研究から生まれることが多いといわれています。統合研究機構では、皆さんが自由に研究をできる環境・文化を醸成し、本学からの創造的で画期的な研究成果の創出をサポートします。
本学のミッションは「social impactのある活動でトータルヘルスケアに貢献する」です。皆さんがやりたい研究をしていただく際に、その研究がどのようなsocial impactを持つのか、どのようにトータルヘルスケアの貢献につながるのか、を繰り返し問いかけながらpassionをもって研究されることをお願いします。
統合イノベーション機構 機構長 東條有伸(とうじょう ありのぶ)
統合イノベーション機構は、2020年4月に、それまで統合研究機構内に置かれていた「イノベーション推進本部」機能を独立させた「統合イノベーション推進機構」として設置され、2023年3月に組織対組織の大型産学連携活動を担当していたOI機構、研究力強化を担っていたRU機構(一部)を取り込むなどの改組をし、現行「統合イノベーション機構」となりました。本機構は、企業との産学連携活動の推進や知的財産の戦略的活用、臨床シーズの創出・育成・導出の支援、本学の医療データ社会還元事業にかかる業務を行うための組織です。
東京医科歯科大学は、2018年度の文部科学省「平成30年度 オープンイノベーション機構の整備事業」と2019年度の内閣府「令和元年度 国立大学イノベーション創出環境強化事業」に連続して採択されました。このことは、これまで本学がさまざまな企業と取り組んできた産学連携活動の実績が評価された結果であると同時に、本学が潜在的に有する研究リソースやそれを社会実装する研究展開力に大きな期待が寄せられていることの証しだと考えられます。
我が国は「科学技術立国」をスローガンに掲げながら、様々な場面でその衰えが指摘されています。そして、既に数年前から医療におけるイノベーションを巡る大きな課題として、①新技術等の創出の停滞と国際競争力の不足、②超高齢化社会における新たな医療ニーズ、③米国・欧州に周回遅れのイノベーション政策、が指摘されています。このうち①に関しては、医薬品や治療系医療機器の輸入超過によって医療費が海外に流出し続けており、我が国発の新規医療技術の開発や医薬品・医療機器などの迅速な実用化、事業化は喫緊の課題となっています。国立大学の独立法人化以降運営費交付金が一貫して減少している状況の中、その解決策として大学には競争的外部資金の獲得に注力するだけでなく、企業と組織レベルの連携を強化し、大学の知識や技術から新たな社会価値を創出して持続的な成長をめざす体制づくりが求められています。
統合イノベーション機構は、政府・自治体や産業界・企業、内外研究機関と強いネットワークを構築し、皆さまの健康・福祉に寄与する医療イノベーション創出に向けて取り組んでまいります。
組織図
統合研究機構
統合イノベーション機構
学内のシーズ・ニーズの探索、企業との連携強化を通じた共同研究の促進及び先端医療の事業化・実用化を図るとともに、適切な研究・産学官連携活動の実施やイノベーション経営人材育成のための学内教育を行う。
2022年3月に研究力強化に必要な取り組みを総合的に支援する「若手研究者支援センタ(Young Investigator Support Center: YISC)」が統合研究機構に設置されました。
名前に「若手(Young)」とついていますが、若手に限らずすべての研究に携わる方を、既存組織の垣根を越えて強力にバックアップしていきます。
学内の研究設備・研究資源を集約して、効率的・戦略的な資源配分を図るとともに、若手研究者の育成、研究者への基礎研究支援を行う。
本学の最重点研究領域の強化推進による研究国際拠点形成及び卓越した研究領域の融合により最先端の研究を実施する。