※1歯槽骨の裂開・・・・・・・・歯を支える周囲の歯槽骨辺縁の吸収と歯肉の退縮が生じ、歯冠寄りの歯根が露出することである。主に歯周病や外傷性の嚙み合わせなどに伴って生じるが、歯槽骨の量が不十分な部位への歯の移動によっても生じることがある。
※2骨形成タンパク質(BMP)-2・・・・・・・・Bone morphogenetic proteins(BMP)の一種でTGF-βスーパーファミリーに属する分泌型シグナル伝達分子である。もともと軟骨や骨形成の制御因子として発見され、胚形成や組織・器官の形態形成において様々な働きを持つ一方、局所骨形成を強力に誘導する成長因子で、既に欧米では骨形成促進薬として臨床応用され、優れた骨再生・骨癒合促進作用が報告されている。しかし、良好な骨再生を得るための高用量のBMP使用により、投与箇所の炎症反応や目的としていない部位にも骨が形成される異所性骨化などの副作用も報告されている。安全に使用するため、低用量のBMPでシグナルを効率的に伝える方法が模索されており、各種RANKL結合ペプチドを併用する方法もそのうちの一つである。
※3 OP3-4 ペプチド・・・・・・・・分子量1400ほどのRANKL結合ペプチドの一種である。RANKLとは核因子κB活性化受容体リガンド(Receptor activator of nuclear factor-kappa B ligand )の略称で、骨芽細胞・骨細胞などの骨芽細胞系の細胞に多く認められる。破骨細胞に存在するRANK に結合して、破骨細胞の分化・成熟を刺激するリガンド分子である。一方、OP3-4 ペプチドなどの新しい骨同化作用薬である RANKL結合ペプチドは、この骨芽細胞系の細胞のRANKLに結合することで骨吸収を阻害するだけでなく、骨芽細胞系の細胞を活性化することにより、BMP-2 が誘導する局所骨形成などを促進することが知られている。
※4歯根膜・・・・・・・・歯と歯根周囲を支える歯槽骨の間に存在し、歯と歯槽骨をコラーゲン線維で結合する軟組織で、食物を咀嚼する際の歯のクッション機能がよく知られている。この歯根膜が持続的に圧迫や牽引されることにより、歯根膜に面する歯槽骨の吸収や形成が生じ、生理的な歯の移動や矯正歯科治療による歯の移動が生じる。
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