プレスリリース

「東京医科歯科大学×READYFOR」クラウドファンディング HER2遺伝子異常のがん患者を救う新規薬剤開発のための医師主導治験

公開日:2021.11.01

概要

東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科の研究テーマである「がんゲノム医療」とは、手術や放射線治療、化学療法といった従来の治療で効かなくなった患者さんを対象に、がんの原因となる遺伝子を調べ、異常遺伝子を標的とした治療を行い、がんの縮小を図るものです。効率的ながんゲノム医療を目指して、研究を進めています。

2019年9月から異常遺伝子を調べる検査は保険診療で出来るようになりましたが、異常遺伝子に対して使える薬剤が少ないのが大きな問題で、現在は検査を受けた方の約1割前後しか治療を受けられていません。

そこで、がんゲノム医療で使える薬剤を増やすため、HER2遺伝子増幅をもつ患者さんに対してトラスツズマブ+ペルツズマブというHER2遺伝子異常をもつ乳癌・胃癌で使われている薬剤が同じ遺伝子異常を持つ他のがんで奏効するかどうかの調べるための医師主導治験を2018年に開始しました。

これまで、AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)から当初予定の3年間と、コロナで延長された今年1年間の計4年間、公的資金の支援を受け治験を行ってきましたが、来年度からの費用がありません。「効果がどれくらい続くのか」、「どれだけ生存期間が延びるのか」といった結果が分かるのは来年度以降になります。そのため、クラウドファンディングで残り1年分の治験費用を募るため、本日よりクラウドファンディングサービス「READYFOR」にてプロジェクトを開始いたします

今回の医師主導治験で必ずしも薬剤が承認される事が確約しているわけではありませんが、治験の成績によっては薬剤承認を目指し、社会でがんに苦しんでいる多くの患者さんの一助になれればと期待しております。
 

プロジェクト概要

・プロジェクトタイトル:HER2遺伝子異常のがん患者を救う新規薬剤開発のための医師主導治験 
・ページURL:https://readyfor.jp/projects/her2
・実行者:池田貞勝(東京医科歯科大学病院 がんゲノム診療科)
・目標金額:1,000万円
・形式:寄付金控除型/All or Nothing
・公開期間:2021年11月1日(月)10時から2021年12月24日(金)23時
・資金使途:医師主導治験に関わる費用(治験調整事務局運営費、モニタリング・監査・データマネジメント、統計解析、統括報告書作成、治験薬郵送費、論文投稿費、クラウドファンディング・大学事務手数料等)
・実施背景:
乳癌や胃癌の患者さんの15~20%の方に、このHER2遺伝子の異常がみられます。そのため、乳癌と胃癌に関してはHER2遺伝子異常の創薬の開発が進み、HER2遺伝子の働きを抑える「トラスツズマブ」、「ペルツズマブ」といった薬が治療で使われるようになり多くの患者さんの命を救っています。しかし、他のがんではHER2異常の患者さんは約4%に留まるため、薬の開発が進んでいません。
これまで公的資金から治験の支援を受けていましたが、今年度で最終年度となってしまい、最終的な結果が出るのに必要なあと1年分の資金が不足しています。あと少しで治験の結果が出るのを諦めたくないため、残り1年分の治験継続のための資金をクラウドファンディングで募ることと致しました。

 

お問い合わせ先

【報道に関する事】
国立大学法人東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係 
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
E-mail:kouhou.adm[@]tmd.ac.jp

プレス通知資料PDF

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