プレスリリース

東京医科歯科大学病院「感染症内科」の新設について

公開日:2021.10.14
東京医科歯科大学病院「感染症内科」の新設について
~感染症パンデミックを複層的に征圧することを目的とした「グローバル感染症征圧プラットフォーム」構想~

【概要】

 東京医科歯科大学病院は、2021年10月1日に「感染症内科」(具芳明科長)を新設しました。
 感染症内科は主治医からの相談を受けて感染症の診断と治療にあたるコンサルテーションサービスを中心に行い、病院全体の感染症診療を支える活動を行います。これにより、東京医科歯科大学病院が提供する様々な高度医療をこれまで以上に充実した形で展開することが可能となります。今後は感染症内科の体制をさらに整え、感染症の外来診療や入院診療にも対応していきます。
 また、同科では、感染症の適確な診断と治療に加え、感染制御部とともに院内感染を予防する活動も行います。院内外との連携を活かし、感染症を防ぐこと、起きた感染症を早くみつけて上手に治すことに力を注ぎます。特に当院の特色として、歯科領域で発生する感染症の診療を主治医とともに行うとともに、感染症診療を通じて積極的に歯科診療につなげ、分野に留まらないトータルヘルスケアを提供する一端を担っていきます。

グローバル感染症征圧プラットフォーム
 感染症内科は、2021年4月に設置した「グローバル感染症征圧プラットフォーム」構想の一環として新設されました。本プラットフォームは新たな「新興感染症」も想定した診療・研究、それらを担う人材を養成する有機的な集合教育・研究基盤を整備することを目的とし、診療機能・研究機能を備えた医療系総合大学であることを踏まえて設立されたものです。大学病院の各診療科、大学院の各分野、各センターの恒常的な共同研究と情報共有の場となり、感染症に関連する教育・研究・診療機能をワンストップ化する機能を担います。

「統合臨床感染症学分野」の設置
 グローバル感染症征圧プラットフォームの中核分野として、大学院医歯学総合研究科に「統合臨床感染症学分野」(具芳明教授)を設置しました。同分野は、高いスキルを有する感染症専門医で構成し、感染症診療と感染制御の双方を担うとともに、研究や卒前卒後教育を展開します。また、大学病院の各診療科、大学院の各教育研究分野、各センターの統括・調整を行い、突発的なアウトブレイクやパンデミックに備える体制を構築します。
 

 

【取組の意義】

教育:わが国に不足している、感染症の診療、研究に貢献できる人材育成を軸として、感染症に関する保健行政・国際保健、治療開発、危機管理など多様な領域で貢献できる人材を創出します。
研究:臨床感染症学を契機として、病原微生物学や病態生理学を多様な視点から追求し、医学に限定しない多様な自然科学や人文科学など新しいコンセプトへの研究発展が期待できます。
診療:総合診療から集中治療まで広く感染症診療に貢献するとともに、全国的に不足している感染症専門医を多数配置しリモートコンサルテーションやテレビ診療を活用して、全国の感染症診療に貢献します。
危機管理:感染症パンデミックやアウトブレイクに常に備える体制を構築し、自然災害やテロリズムに伴う感染症対策やアウトブレイク対策も常時行い、現場派遣の準備を行います。
政策提言:新興感染症に機動的に対応できる体制が首都東京の中心に構築されることになり、臨床的な知見に基づく研究成果を迅速に中央政府の政策立案に反映させることが可能となります。
 

【プロフィール】

具 芳明(グ ヨシアキ) Yoshiaki Gu
東京医科歯科大学病院 感染症内科 科長、感染制御部 教授
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野 教授
担当領域
感染症の診断と治療、感染制御、抗菌薬適正使用

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