口腔生命医科学分野は、2000年4月に大学院重点化に伴い新たに設置された専攻分野である分子免疫学分野(東みゆき教授)の後継分野として、2024年7月に設立されました。かねてより、口腔と全身の疾患が関連していることが多数報告されています。口腔という臓器はとてもユニークで、歯が口腔上皮から頭を出しており、自己と外部環境を隔てる上皮バリアの連続性が断裂しています。自己と外部環境が繋がっているにも関わらず、全身の恒常性が破綻しないのは、口腔の様々な細菌が精巧なバランスを保って共生しているからです。そのため、この口腔内細菌叢のバランスが崩れた、「口腔内dysbiosis」が起こることは、上皮バリアの破綻を意味します。口腔内dysbiosisによる上皮バリアの破綻は、全身の恒常性の破綻を引き起こします。それによって、糖尿病や肥満のような代謝疾患や、循環器疾患、切迫早産などの妊娠中の疾患の進展・増悪に影響することが多数報告されています。しかしながら、口腔と全身が関連しているという報告はあるものの、口腔と全身のクロストークの分子的基盤は確立できていないため、分子的基盤の構築および口腔を基軸とした疾患の新たな予防・治療法の開発を目指します。
また、本分野は口腔科学センターの一部門であり、様々な分野・大学からの国内外の大学院生や教員が壁を越えて口腔科学研究に取り組めるようサポートします。
また、本分野は口腔科学センターの一部門であり、様々な分野・大学からの国内外の大学院生や教員が壁を越えて口腔科学研究に取り組めるようサポートします。