味岡研究グループ

味岡研究グループ

ラボの紹介(2020年:これまでの10年とこれからの10年)

私たちは2009年11月に脳統合機能研究センターで研究を開始し、約10年間、脳梗塞などで損傷した脳の再生を目指した研究を進めてきました。損傷した脳はほとんど再生しないと考えられてきましたが、私たちは脳が潜在的に持つ再生能力の一端を明らかにしたり(理学研究)、その潜在的再生能力を発揮させる技術を開発してきました(工学研究)。そしてこの間に素晴らしい共同研究者と出会い、協力することで、人工足場を利用して損傷脳を再生させるというコンセプトを齧歯類で実証してきました。これまでの研究成果は、理学および工学という学問に立脚した常套的な研究手法で得られました。しかし、これからの10年間は斬新なやり方にも挑戦し、「損傷脳再生治療の実現化と脳の潜在的再生能力の解明」を目指していきます。

大学の小さなラボの目標として実用化を掲げることには賛否両論あります。大学は基礎研究に特化し、実用化研究は企業に任せるべきという考え方や、小規模ラボなら身の丈にあった目標を設定すべきという考え方には異論ありません。しかしながら、大学での学びや研究が社会で役に立ちにくいという世論もあることは事実です。そこで私たちのラボは社会と向き合い、Science(理学)Engineering(工学)Medicine(医学)に加えて、Enterprise(事業)という4つの分野に立脚して真摯に学び、目標達成のために全力を尽くします。私自身は生物学(神経発生学)を専門としていますが、物理学、化学、医学、経営学の専門家と力を合わせて、小さなラボでは達成困難だと考えられていることにも挑戦します。詳細は「研究開発の内容」をご覧ください。

研究開発内容へのリンクは「こちら

メンバー

准教授  味岡 逸樹(2009.11-)(詳細研究業績
     E-mail: iajioka.cbir(at)tmd.ac.jp / TEL: 03-5803-4972
ポスドク 原 央子(2020.9-)(共同研究員)
技術員  秋本 沙織(2021.7-)(共同研究員)
学生   釣田 林太郎(医学科4年)(2021.6-)

ラボの卒業生
学生   一色 椋太(医学科5年)(2020.6-2020.11)
学生   藤森 真里(医学科5年)(2020.6-2020.11)

主な活動学会(味岡)

● 日本神経化学会(理事(2017-2018, 2021-2022)・評議員(2009-)・国際対応委員会委員長(2019-)・国際対応委員会委員(2009-)・ダイバーシティ推進委員会委員(2015-2018)・ブランディング委員会委員(2017-2018)・シンポジウム企画委員会委員(2019-2020))
● アジア太平洋神経化学会(APSN: Asian-Pacific Society for Neurochemistry)(理事(2012-)・APSN School Chair(2020-))
● 国際神経化学会(ISN: International Society for Neurochemistry)(Advanced School Sub-Committee Local Chair(2019-2022)・Biennial Program Committee 2022・Travel Grant Committee(2014-2018))

主な研究業績(全研究業績はこちら

Yaguchi A#, Oshikawa M#, Watanabe G, Hiramatsu H, Uchida N, Hara C, Kaneko N, Sawamoto K, Muraoka T*, Ajioka I* (*co-corresponding author)
Efficient protein incorporation and release by a jigsaw-shaped self-assembling peptide hydrogel for injured brain regeneration
Nature Commun 12:6623, 2021
プレスリリースへのリンク

Sasaki Y,
Oshikawa M, Bharmoria P, Kouno H, Hayashi-Takagi A, Sato M, Ajioka I*, Yanai N*, Kimizuka N* (*co-corresponding author)

Near-infrared optogenetic genome engineering based on photon upconversion hydrogels
Angew Chem Int Ed 58:17827-17833, 2019
「プレスリリースへのリンク」

Oshikawa M, Okada K, Kaneko N, Sawamoto K, and Ajioka I* (*corresponding author)
Affinity-Immobilization of VEGF on laminin porous sponge enhances angiogenesis in the ischemic brain
Adv Healthc Mater: 1700183, 2017.
「プレスリリースへのリンク」

Oshikawa M, Okada K, Tabata H, Nagata KI, and Ajioka I* (*corresponding author)
Dnmt1-dependent Chk1 pathway suppression is protective against neuron division
Development 144, 3303-3314, 2017
「プレスリリースへのリンク」

Aldiri I#, Ajioka I#, Xu B, Zhang J, Chen X, Benavente C, Finkelstein D, Johnson D, Akiyama J, Pennacchio LA, and Dyer MA (#co-first author)
Brg1 coordinates multiple processes during retinogenesis and is a tumor suppressor in retinoblastoma
Development 142, 4092-4106, 2015.

Oshikawa M, Okada K, Nakajima K, Ajioka I* (*corresponding author)
Cortical excitatory neurons become protected from cell division during neurogenesis in an Rb family-dependent manner
Development 140:2310-2320, 2013.

Ajioka I*, Ichinose S, Nakajima K, Mizusawa H. (*corresponding author)
Basement membrane-like matrix sponge for the three-dimensional proliferation culture of differentiated retinal horizontal interneurons.
Biomaterials 32:5765-5772, 2011.

Ajioka I, Martins R, Bayazitov IT, Donovan S, Johnson D, Frase S, Cicero S, Boyd K, Zakharenko SS, Dyer MA.
Differentiated horizontal interneurons clonally expand to form metastatic retinoblastoma in mice
Cell 131:378-390, 2007.

トピックス

----2021年度----
2021.10.28【論文(in press)】
材料化学を専門とする農工大・村岡貴博先生と味岡が共責任著者となった異分野共同研究プロジェクトの原著論文がNature Communications誌に受理されました。プレスリリースを予定しています。

2021.9.30【シンポジウム発表】
味岡が第64回日本神経化学会大会でシンポジウム発表しました(オンライン)。


2021.8.26【論文・プレスリリース】
味岡が共同研究者として参画した金沢大・高橋智聡先生の原著論文がHepatology誌に掲載されました。
本論文において、私たちはCre存在下でRb経路とp53経路の両方を遮断するRb-p53-QKOマウス(p53-/-; RbLox/Lox; p107-/-; p130Lox/Lox)を作製しました。
Treatment of Retinoblastoma 1–Intact Hepatocellular Carcinoma With Cyclin-Dependent Kinase 4/6 Inhibitor Combination Therapy
プレスリリースはこちら

2021.8.26【アウトリーチ活動】
味岡が本学高大連携事業の一環として母校である都立戸山高校にてチームメディカル講演会にて講演しました。その内容が医学雑誌に近々掲載されます。


2021.4.19【論文】
押川と味岡が共同研究者として参画した農工大・村岡貴博先生の原著論文がChem Eur J誌オンライン版に掲載されました。
本論文において、私たちは細胞実験を担当しました。
Hydrogel‐stiffening and Non‐cell Adhesive Properties of Amphiphilic Peptides with Central Alkylene Chains
カバーアーティクルとして紹介された記事はこちら

2021.4.1【新たな研究活動】
味岡がプロジェクトリーダーを務める神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)有望シーズ展開事業「超分子ペプチドを用いた脳梗塞の再生医療」プロジェクトが始動しました。

材料化学を専門とする農工大・村岡貴博研究室と計算物理学を専門とする北里大・渡辺豪研究室との合同研究室という形で運営して参ります。
活動場所は、かながわサイエンスパーク(KSP)東棟302/311/312号室です。


----2020年度----
2020.11.27【セミナー発表】
味岡が第35回若手Lab&北里材料科学共同セミナーで発表しました(相模原)。

2020.9.16【シンポジウム発表】
味岡が第69回高分子討論会でシンポジウム発表しました(オンライン)。

2020.9.12【シンポジウム発表】
味岡が第63回日本神経化学会大会でシンポジウム発表しました(オンライン)。

2020.9.9【セミナー発表】
味岡が第13回神経化学の若手研究者育成セミナーで発表しました(オンライン)。

2020.5.11【論文】
押川と味岡が共同研究者として参画した農工大・村岡貴博先生の原著論文がACS Appl Bio Mater誌オンライン版に掲載されました。本論文において、私たちは細胞実験を担当しました。
Sequence-dependent Bioactivity and Self-assembling Properties of RGD-containing Amphiphilic Peptides as Extracellular Scaffolds