研究内容

研究内容

研究内容

(1)歯および顎顔面の発生メカニズムの解明
 歯および顎顔面の発生過程の理解は小児歯科臨床を実践する上で必須の知識である。しかしながら未だに発生過程で働く遺伝子や分子間相互作用の機構について不明な点が多い。再生医療が次世代の医療と期待されている今日,歯の再生は究極の歯科治療の 1 つとなる。再生医療は幹細胞を用いる方法と人為的に作られた再生器官に置換する方法があるが,これらを最終ゴールとして,発生メカニズムの理解と,幹細胞の応用方法,再生器官作成法 の開発を目指す。

(2)小児の歯と歯髄の診査法 · 診断 · 治療法の開発
乳歯および幼若永久歯の歯内療法学と外傷歯科学は,歯根吸収や歯根形成など成長発育への理解が求められる。このような観点で乳歯および幼若永久歯に望ましい歯内療法,歯髄再生療法を研究する。さらに,歯髄血流測定による非侵襲的 · 定量的歯髄診断法の開発を目指す。

(3)小児の顎 · 口腔機能に関する研究
口腔は,話す,食べる,呼吸するといった生命活動にとって極めて重要な器官である。これらの機能の獲得 · 熟達の過程についての理解とその機構を解明し,正常な発達過程へ導く支援方法の開発を目指す。

(4)新規齲蝕予防法および修復法の開発
100 年後を意識した新たな歯質強化法,口腔清掃手段,歯科修復材料を創造していく。また,口腔バイオフィルム の生成メカニズムの解明とその除去法の開発を目指す。

(5)障害者の口腔内環境と歯科治療
障害者の口腔状態は形態的,機能的にさまざまな特徴があり,さらに合併症を伴っていることが多く歯科治療が困難なこともあるため健常者より歯科疾患の予防が重要となる。そこで,染色体異常,自己免疫疾患,その他疾 患に関連した口腔内環境への影響因子を検索し,より有効な口腔内管理について検討する。

(6)身体障害児 · 者への口腔保持型自助具の設計 · 製作
安定した顎位を失っていることの多い脳性麻痺の患者に対し,顎顔面補綴学分野の知識を応用し口腔保持型自助具の設計 · 製作や患者及び介助者による取扱の簡便さを追求した開発を目指す。