教授就任とERセンター開設にあたって
本学大学院医歯学総合研究科 救急災害医学分野
教授 大友 康裕
この度、2006年1月1日付で医歯学総合研究科救急災害医学分野教授を拝命いたしました。昭和59年日本医科大学卒業後、同大学救急医学教室(大塚敏文教授)が講座となって最初の入局者として医師の修練を開始して以来、一貫して救急医学の領域で臨床・研究に従事して参りました。これまで4カ所の救命救急センターでの勤務を経験し、特に日本医科大学千葉北総病院および前任地の国立病院機構災害医療センターでは、病院開院と救命救急センターの新規立ち上げに従事させていただきました。幸いどちらの救命救急センターも日本で有数の診療実績をあげて高い評価を頂いているところであります。ここ数年は厚生労働科学研究班の責任者として我が国の災害医療対応や外傷医療に関する研究を担当させていただきました。その研究成果は中央防災会議や政府の東海地震応急対策活動要領策定の重要な基礎データとして採用され、また救命救急センターの新しい評価基準作成ための科学的根拠とされるなど、国の施策に大いに反映されております。また我が国の医学教育研修において、特に諸外国から遅れをとっていた、診療ガイドラインに基づいた標準化研修プログラムに関して、救急医学領域で、他の分野に先駆けて開発され、現在高い評価を得ている外傷初期診療標準化研修プログラムであるJATEC (Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)およびJPTEC (同Prehospital)のどちらにも、その開発のごく初期からcore memberとして参画させていただいております。
本学に赴任してまず取り組むべきこととして鈴木学長から命じられておりますことは、3次救急医療(高度救急医療)を、都内でも有数のアクティビティーで立ち上げること、それにともなって研修医および学生に生きた救急医学・救急医療を教育することであります。これまでの救命救急センター新規立ち上げの経験を生かし、新しい救急医療部門立ち上げのための院内調整を行ってまいりました。本年4月からERセンターとして診療開始。連日20台を越える(4月1日は30台/日)救急車受け入れを実施、それに伴う院内体制整備も、診療各科および各診療部門の全面的な協力の下、順調に進んでおります。6月29日から全面改修したERセンター外来で診療開始。7月20日から正式に東京消防庁3次救急医療施設としてホットライン開設。重症救急患者の受け入れも、まさに開始したところです。活性度高い救急医療の臨床現場を提供するとともに、これまでの教育研修プログラム開発の経験を大いに生かして、学長から頂きました訓令をまずクリアーし、さらに優秀な若手救急医を数多く世に輩出するという大学病院本来の使命を果たすことにより、現在声高に叫ばれている救急医師不足、医師分野別偏在問題にも答えていきたいと考えております。