研修希望の先生方へ

研修希望の先生方へ

積極的に治療・研究に取り組む研修医・修練医の先生を歓迎します。 当科では腎動脈上AAAやDistal Bypassを含むOpen Surgeryから複雑なEVAR・EVTなどのEndovascular Surgeryまで、最先端の血管外科治療を修練し、学ぶことができます。

本学外科専門研修プログラムの案内は、こちらをご覧ください。




 

基本方針

当科は、20239月より心臓血管外科学分野の一員となりました。本邦での専門医制度では外科専門医の上の2階建て部分は心臓血管外科専門医であるため、この取得を目指しますが、心臓外科医と血管外科医では、その専門領域は異なっています。このため、血管外科医を目指す先生方には、後期研修の段階から「血管外科研修コース」で学んでいただきたいと考えています。

 

初期臨床研修2年間ののち、卒後3年目からの後期研修は、日本外科学会の外科専門医取得を目的とした外科専門研修を本学プログラムに則り関連・協力病院ならびに本学附属病院で行います。卒後3年目および4年目は、連携施設で消化器・一般外科を中心に研修します。卒後5年目には大学に帰学し、血管外科のみを研修します。原則として大学院に入学し、学位の取得も目指します。

血管外科研修コース

診療及び研究体制


本学附属病院における外科系9診療科は、心臓、肺、血管、食道、胃、大腸肛門、肝胆膵、乳腺、小児の臓器別から構成されております。 また、各大学院分野において博士課程の大学院を整備しています。
 

卒業後10年間の概要

1~2年目 初期研修

2年間の初期臨床研修を行います。受付窓口は、総合教育研修センターとなっています。詳しい内容はこちらをご覧ください。

3~5年目 後期研修

日本外科学会の外科専門医取得を目的とした外科専門研修を行います。本学附属病院および関連・協力病院での外科専門研修により卒後6年で外科専門医を取得できます。よりよい外科医育成を目的として、東京医科歯科大学外科関連・協力病院連絡会議を定期的に開催し、より良質な研修システムの構築に努めています。本学外科専門研修プログラムの案内は、こちらをご覧ください。

具体的には、卒後3年目および4年目の2年間は、連携施設で消化器・一般外科を中心に研修します。卒後5年目には大学に帰学し、血管外科のみを専門的に研修します。
 

6~9年目 専門研修

臨床の専門研修を継続するとともに、大学院において研究を行います。 血管外科は心臓血管外科学分野に属しており、大学院講座として博士課程の大学院を整備しています。

社会人大学院生または大学院生として入学し、血管外科医として専門的な臨床、手術を学びながら4年間にわたり研究および研究に関連した臨床研修を行い、医学博士を取得できます。
 

10年目以降

心臓血管外科専門医の取得を目的とした血管外科専門研修を行います。血管外科の専門研修を本学附属病院 血管外科または関連・協力病院で行い、約4年間で心臓血管外科専門医を取得できます。
詳細は、心臓血管外科専門医取得のプログラムをご参照下さい。

初期臨床研修を本学以外の他施設で行っている先生方へ

本学外科では、卒後3年目からの日本外科学会の外科専門医取得を目的とした外科専門研修への参加を歓迎します。日本外科学会入会の時期は、3年目に外科学会に入会しても、初期臨床研修期間の2年間を含めることが可能となっています。

本学外科専門研修プログラムの案内は、こちらをご覧ください。
 

外科専門研修(後期研修)を本学以外の他施設で行っている先生方へ

当科では、心臓血管外科専門医取得を目的とした血管外科専門研修への参加を歓迎します。 心臓血管外科専門医を取得する場合には、3学会(日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、胸部外科学会)のうち2学会に入会していることが必要となります。 

詳細は、心臓血管外科専門医取得のプログラムおよび当科におけるプログラム(下記)をご参照下さい。
 

当科における血管外科専門研修プログラム

当科で行われている研修プログラム(関連施設を含めた心臓血管外科専門医取得のための修練カリキュラム)の内容についてご説明します。

1年次から3年次で、術者・助手を合わせて心臓血管外科専門医受験資格に足る症例数を経験することを目標とします。
 

1年次の内容

・教育方針
血管疾患に関して、一般的な画像診断、生理学的検査、無侵襲診断法を網羅的に理解し、検査結果を解析できるとともに、画像診断に関しては所見を的確に把握できる。
血管疾患症例に関して、一般状態、他臓器機能評価、術前併存症に関して適切な検査方法を計画し、結果を理解し評価した上で、保存的治療方法と比較検討し、open surgery とendovascular surgeryを含め手術適応の有無、術式の選択も含めて総合的に判断する。
外科的治療に関しては、術前評価、手術手技、術後管理を総合的に理解し、周術期管理を適切に施行でき、open surgeryおよびendovascular surgeryの基礎的なテクニックを習得する。

・症例の種類
対象疾患は、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、動静脈シャント作成症例、腹部大動脈瘤(open surgeryおよびEVAR)、下肢閉塞性動脈硬化症(バイパス手術およびEVT)も含めてすべての血管疾患を網羅する。

・手術の範囲
初年度で術者を経験できる手術術式は、動静脈シャント作成術およびシャントPTA、静脈血栓摘除術、動脈血栓摘除術、末梢動脈瘤手術、腹部大動脈置換術(腎動脈以下のopen surgeryおよびEVAR)、内腸骨動脈へのコイル塞栓術、下肢閉塞性動脈硬化症(EVT)、下肢静脈瘤手術(ストリッピング手術および血管内焼灼術EVLA)である。
 

2年次の内容

・教育方針
血管疾患に関して、初年度で修得した病態生理、診断法の理解と解析とともに、血管無侵襲診断法の中で重要な位置を占める血管カラードプラ法について、特に頸動脈、腹部内臓動脈、大腿から膝窩動脈領域での検査法を施行できる。
血管疾患症例に関して、一般状態、他臓器機能評価、術前併存症に関して適切な検査方法を計画し、結果を理解し評価した上で、保存的治療方法と比較検討し、open surgery とendovascular surgeryを含め手術適応の有無、術式の選択も含めて総合的に判断する。
外科的治療に関しては、術前評価、手術手技、術後管理を総合的に理解し、周術期管理を適切に施行でき、open surgeryおよびendovascular surgeryの基礎的からやや応用的なテクニックを習得する。

・症例の種類
疾患は、主に腹部大動脈瘤(腎動脈上)、下肢閉塞性動脈硬化症(バイパス手術およびEVT)、急性動脈疾患、上肢動脈疾患、胸郭出口症候群、頸動脈狭窄症を対象としつつ、すべての血管疾患を網羅する。

・手術の範囲
2年次で術者を経験できる手術術式は、動静脈シャント作成術およびシャントPTA、動脈血栓摘除術、末梢動脈瘤手術、腹部大動脈置換術(腎動脈以下のopen surgeryおよびEVAR)、内腸骨動脈へのコイル塞栓術、下肢静脈瘤手術(ストリッピング手術および血管内焼灼術EVLA)に加えて、膝関節以上の血行再建術(バイパス手術およびEVT)、破裂性末梢動脈瘤手術である。
 

3年次の内容

・教育方針
血管疾患症例に関して、引き続き一般状態、他臓器機能評価、術前併存症に関して適切な検査方法を計画し、結果を理解し評価した上で、保存的治療方法と比較検討し、open surgery とendovascular surgery手術適応の有無、術式の選択も含めて総合的に判断する。
外科的治療に関しては、術前評価、手術手技、術後管理を総合的に理解し、周術期管理を適切に施行でき、open surgeryおよびendovascular surgeryの応用テクニックを習得する。

・症例の種類
疾患は、主に胸腹部大動脈瘤、腹部大動脈腸骨動脈閉塞症、腹部内臓動脈瘤、腹部内臓動脈疾患、動脈瘤破裂を対象としつつ、すべての血管疾患を網羅する。

・症例数
1年次から3年次で、術者・助手を合わせて心臓血管外科専門医受験資格に足る症例数を経験することを目標とする。

・手術の範囲
3年次で術者を経験できる手術術式は、動静脈シャント作成術およびシャントPTA、動脈血栓摘除術、末梢動脈瘤手術、腹部大動脈置換術(腎動脈以下のopen surgeryおよびEVAR)、膝関節以上の血行再建術(バイパス手術およびEVT)、破裂性末梢動脈瘤手術、下肢静脈瘤手術(ストリッピング手術および血管内焼灼術EVLA)に加えて、腎上部腹部大動脈置換術、感染性または炎症性腹部大動脈瘤に対する手術、上肢の血行再建術、血管外傷に対する手術である。
 

4年次以降の内容

・教育方針
血管疾患症例に関して、引き続き一般状態、他臓器機能評価、術前併存症に関して適切な検査方法を計画し、結果を理解し評価した上で、保存的治療方法と比較検討し、手術適応の有無、術式の選択も含めて総合的に判断する。
外科的治療に関しては、術前評価、手術手技、術後管理を総合的に理解し、周術期管理を適切に施行でき、open surgeryおよびendovascular surgeryのさらなる応用テクニックを習得するとともに、心臓血管外科専門医取得後は指導医として後進の指導にあたる。

・症例の種類
疾患は、1-3年次に経験する疾患に加え、悪性疾患による動静脈浸潤例(頸動脈、大動脈、門脈、下大静脈領域)、大動脈解離(胸腹部大動脈、腹部内臓動脈領域)を対象としつつ、すべての血管疾患を網羅する。

・手術の範囲
4年次以降で術者を経験できる手術術式は、腹部大動脈置換術(腎動脈下)、膝関節以上の血行再建術、破裂性末梢動脈瘤手術、胸郭出口症候群根治術、腎動脈上腹部大動脈置換術(open surgeryおよびEVAR)、感染性または炎症性腹部大動脈瘤に対する手術、上肢の血行再建術、血管外傷に対する手術に加えて、頸動脈内膜摘除術、傍腎動脈腹部大動脈閉塞に対する直接的血行再建術、腹部内臓動脈血行再建術、腎動脈血行再建術、胸腹部大動脈置換術(debranching+TEVARを含む)、大動脈解離に対する手術、大動脈瘤破裂の手術、さらには膝関節以下の血行再建術(distal bypassを含む)、大静脈血行再建術、門脈・上腸間膜静脈血行再建術である。