当科で行われている臨床研究

当科で行われている臨床研究

1. 小児固形腫瘍に対する新規治療候補薬の選出および機能解析

200011日以降本学および獨協医科大学病院にて
小児固形腫瘍に対する外科的切除を行った40歳以下の方へ
~研究協力のお願い~

【研究課題】小児固形腫瘍に対する新規治療候補薬の選出および機能解析(承認番号:第M2023-187番)
【研究期間】医学部倫理審査委員会承認後~2025331

【対象となる方】
200011日以降、東京医科歯科大学病院および獨協医科大学病院にて小児固形腫瘍(神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫、悪性胚細胞腫瘍)に対する外科的切除(生検・部分切除・全摘など)を施行された40歳以下の方。

【研究の方法】
小児固形腫瘍(神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、悪性胚細胞腫瘍)はいずれも、有効な治療薬の開発が難しい病気です。患者さんの数が少ないため、治療薬の効果を調べるための臨床試験が組みづらく、そのため大人のがんに比べて新しい治療薬の開発に非常に時間がかかります。本研究は、これらの小児固形腫瘍に対する新しい治療薬の開発を効率的に行うことを目的としています。 
本研究では、患者さんから摘出された腫瘍の一部をサンプルとして採取させて頂きます。採取する対象は、原発巣、転移巣、再発巣などの腫瘍部とその周辺組織(非腫瘍部)です。検体の採取は患者さんの診療に影響がない範囲で行い、これに伴う患者さんの負担はありません。また、患者さん自身に新たな薬剤を投与したり、追加の検査を行うことはありません。
また、個人を特定する情報を排除した上で、患者背景(病気を発症した年齢や、どのような治療が行われたか、どのような背景疾患があったかなど)や、臨床情報(腫瘍の発生した臓器や腫瘍の大きさ、再発や転移などの経過など)のカルテ情報を研究に利用させて頂きます。

頂いたサンプルを用いて、小児固形腫瘍に対する新規治療薬開発のために以下の解析を行います。
・サンプルを特殊なマウスに移植する患者腫瘍組織移植モデル(Patient-derived xenografts: PDX)モデルを作成し、新規治療候補薬の効果を評価します。
・サンプルから抽出したDNAから、DNA配列の変異、遺伝子の発現を制御するDNAメチル化の変化などの解析を行います。なお、この解析は個人の特定や、子孫に受け継がれる遺伝情報(生殖細胞系列の遺伝子解析)を対象としたものではなく、腫瘍細胞における変異の解析を目的としています。
・免疫組織化学やフローサイトメトリーなどを用い、組織、細胞などのタンパク質を定量し、腫瘍に特異的に発現している分子を解析します。
・サンプルから細胞を分離して培養、移植を行い、機能や分子解析を行います。

研究は、東京医科歯科大学総合外科学分野の研究室のみで行います。獨協医科大学から提供された試料・情報についても、東京医科歯科大学の研究室のみで解析を行います。この研究は、東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を受けて実施しているものです。

【個人情報保護】
 これらの調査で得られた情報や検体は、プライバシーの保護のため、研究用につけた番号のみで管理し、患者さんの名前や住所のような個人識別情報は暗号化され患者さんが治療を受けている施設で厳重に管理致します。そのうえでどなたのものか分からないようにした対応表を作成し、研究ではこの対応表のみを用います。この対応表は東京医科歯科大学内に保存し、試料・情報の収集・提供を行う機関に提供することはございません。また、試料・情報の収集・提供を行う機関においても対応表は当該機関で管理され、本学に提供されることはありません。

【利益相反】 
本研究は東京医科歯科大学の運営費、科学研究費助成事業科研費を用いて行われます。また研究を実施するにあたり特定企業との利害関係はありません。本研究の実施にあたっては、本学利益相反マネジメント委員会に対して研究者の利益相反状況に関する申告を行い、同委員会による確認を受けています。
*利益相反とは、研究者が企業など、自分の所属する期間以外から研究資金等を提供してもらうことによって、研究結果が特定の企業にとって都合のよいものになっているのではないか・研究結果の公表が公正に行われないのではないかなどの疑問が第三者から見て生じかねない状態のことを指します。

【問い合わせ先】
研究責任者:水野裕貴
東京医科歯科大学病院 小児外科
住所:東京都文京区湯島1545
電話:03-5803-5674(小児外科外来)

苦情窓口:東京医科歯科大学医学部総務係
電話:03-5803-5096(対応可能時間帯:平日9:0017:00