SDGsに向けた東京医科歯科大学の取組

「 中枢神経を標的とした核酸医薬の高い有効性と安全性を有する技術開発に成功 」【横田隆徳 教授】

関連SDGs目標

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 脳神経病態学分野の横田隆徳教授、吉岡耕太郎特任助教、Su Su Lei Mon特任研究員、松林泰毅大学院生らの研究グループは、大阪大学 大学院薬学研究科 生物有機化学分野の小比賀聡教授らのグループとの共同研究で、核酸塩基を修飾した糖部架橋型核酸「BNAP-AEO ※2」による新規の核酸化学修飾技術を新たに導入したASOを、マウスを用いて検証したところ、高い有効性を保持しつつ重篤な神経系の副作用を劇的に改善することを明らかにしました。さらに、研究グループはその副作用改善のメカニズムを検証し、脳内に存在するSigma-1受容体※3の関与を示唆する結果を得ました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業」、「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(RNA標的創薬技術開発)」、「脳とこころの研究推進プログラム(領域横断的かつ萌芽的脳研究プロジェクト)」、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業(JPMJFR216H)」、日本学術振興会(JSPS)「科研費助成事業(基盤研究(B)JP22H02979)」などの支援のもとで行われたので、その研究成果は、国際科学誌Molecular Therapy - Nucleic Acidsに、2024年3月18日にオンライン版で発表されました。


※22',4'-BNA/LNA with 9-(aminoethoxy)phenoxazine (BNAP-AEO)
 大阪大学の小比賀聡教授、中川治博士らが開発した新規の核酸分子の化学修飾技術。核酸糖骨格部に対する化学修飾である2',4'-BNA/LNAと、塩基に対する化学修飾である9-(aminoethoxy)phenoxazineを組み合わせた技術である。本研究グループはBNAP-AEOを導入した核酸分子は、標的RNAへの高い結合能を有することを報告している。

※3Sigma-1受容体
 脳内の特に神経細胞に多く発現する二回膜貫通型タンパク質。細胞内のカルシウムイオン濃度の調製や小胞体ストレス経路の活性化、ミトコンドリア機能の強化など様々な機能を有することが示されている。


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