第21回(最終回) 側方湾曲と臼歯の傾斜

第21回(最終回) 側方湾曲と臼歯の傾斜

第21回(最終回) 側方湾曲と臼歯の傾斜

 咬耗の少ない若年者の健常な歯列では、頬側から見ると犬歯から最後臼歯まで咬頭頂が大体下方へ湾曲して並んでいるのが分かる。これはすでに述べたSpeeの湾曲である。一方、歯列を後方から見ると、とくに後方臼歯では頬側と舌側の咬頭頂を結んだ線を左右側に連ねるとやはり下方へ湾曲することがわかる。これは側方(咬合)湾曲といい、Wilson湾曲とも呼ばれる。この湾曲は小臼歯部では直線に近く、大臼歯部では顕著になる。Monsonの球面をあてはめると、その矢状断面がSpeeの湾曲であり、前頭断面がこの側方湾曲に該当する。
 これらの湾曲は咬頭によってもたらされるので、咬頭が咬耗して変化すると湾曲自体も変化する。とくに上顎歯の舌側咬頭、下顎歯の頬側咬頭は咬耗しやすいので側方湾曲は変化して直線状になったり上方へ凸になることも少なくない。
本稿では、この側方湾曲とそれに関わる臼歯の傾斜について述べることにする。

Wilson湾曲のWilsonとは

 側方湾曲がなぜWilson湾曲とも呼ばれるのか。教科書などでよく目にするが、なぜそのように呼ばれるのか前から気になっていた。前後的な咬合湾曲がSpeeの頭蓋骨の観察から提唱されたのと同様の経緯によるものと漠然と思っていた。今回この文を書くに当たってWilsonと名の付く関係のありそうな文献を探したが、1篇見つけることができた。
 それは1921年に発表されたGeo,H.Wilsonの論文である。著者はオハイオ州クリーヴランドの補綴専門医のようで、米国ペンシルベニア州歯科医師会年次総会で行なった講演の記録である。それによるとウェスタン・リザーブ大学メディカル・ミュウジアムで2週間にわたり、頭蓋骨300余例について頭骨の前後、左右幅径などの測定、下顎骨のボンウィル角、スピー湾曲などを測定したとして数値が記されている。スピー湾曲についてはSpeeやMonsonの湾曲と比較して論じられているが、問題の側方湾曲には全く触れられていなかった。
 彼は1917年に“Dental Prosthetics”を著しているようだが、そこに側方湾曲について述べているかどうか確かめることができなかった。今日までWilson湾曲と名が知られていることからすれば、それ相応の業績があると考えられるが不明であった。

側方湾曲の測定

 1929年、矢崎は日本人若年者について側方湾曲を測定している。半径8.0から2.0インチまでの円弧をもつ型紙13枚を湾曲測定板として、19~25歳青年の180組の石膏模型について左右側臼歯の頬側、舌側咬頭頂に適合させ、最もよく適合する測定板をもってその部の側方湾曲とした。
 その結果、上顎小臼歯は水平か僅かに湾曲、上下顎第一大臼歯は水平か緩い湾曲、第二大臼歯は強く湾曲するものが多かった。下顎の第一小臼歯は一般に舌側咬頭が低く測定対象から外した。湾曲度は全体として下方へ最大8.0インチ、最小2.0インチ、平均3.9インチで、Monson の4インチに一致したとしている。大臼歯に限ると、下顎で2インチとかなり湾曲が強い例があるが、ほとんど湾曲が見られない例もあった。
 当時はChristensen, Spee, Monson、Wadsworthらが活躍した時代で、咬合湾曲が問題にされ、咬合の形態と機能との関係が追究されていた。そうした欧米の研究動向にいち早く注目して行った古典的な論文で今も引用される。

臼歯の頬舌方向の傾斜の測定

 側方湾曲は矢崎の論文からも分かるように、小臼歯部から後方に向かって湾曲度が増す傾向が見られる。この湾曲の度合いは臼歯の頬舌咬頭の高さの違いに関わっている。つまり、咬合平面に対して頬舌咬頭の高さの差が大きいと湾曲度は強くなり、差が少なければ浅くなる。しかし、個々の臼歯を見ると、下顎の小臼歯以外は歯軸を基準にすると頬舌咬頭には大きな高さの差は見られない。となると、咬合平面に対する頬舌咬頭の高さの違いというのは歯軸が頬舌的に傾斜しているためということになる。
 そこで、臼歯の歯軸の頬舌的な傾きについて調べた研究を探してみた。
 正常咬合を有する青年男女50名の石膏模型で歯冠の頬舌的傾斜度を測定した論文がある。臼歯の歯冠軸として頬、舌側面の歯頸側1/2の部の接線に平行な線を用い、その矢状面に対する角度を測定している。表は左右各同名歯の傾斜角度の平均値の分布状態を表すが、上顎では頬側、下顎では舌側に傾斜し、最頻値を見ると上下顎ともに前方から後方へ向かって傾斜角度が大きくなることが分かる。小臼歯は上顎では第一、第二とも直立するものが多く、下顎ではやや舌側傾斜するが第二の方がその傾向が大きい。第一大臼歯は左右平均で上顎0.0°~13.0°、下顎0.5°~14.5°、第二大臼歯は上顎0.5°~23.0°、下顎2.5°~20.0°で、第二大臼歯が広い分散を示した(図1)。

図1.左右臼歯100例の歯冠の頬舌的傾斜度の分布(富士川論文の原図一部改変)

臼歯の頬舌的傾斜の理由

 では、なぜこのように臼歯は傾斜しているのかである。
 Dawsonはその理由として2点を挙げている。一つは臼歯の歯軸の配列が内側翼突筋の内側への牽引方向とほとんど一致している点を挙げ、筋力に対して十分な耐圧性を発揮するためである。もう一つは、咀嚼時に食塊を臼歯の咬合面に乗せ易くするためで、この湾曲が平坦であると食塊を咬合面に乗せにくく、そのために要する活動が増して咀嚼機能の円滑さが損なわれるという。
 しかし、これは歯列弓の形態から推論した目的論的な解釈で、顎の機能的必然性から説明したものではない。確かに、筋力を受け止めて効率的な咀嚼動作を行うには筋の方向に歯軸がそろっているのは理に適っている。しかし、咀嚼で力を発揮するのは内側翼突筋よりも下顎骨の外側についている咬筋の方ではなかろうか。その方向との関係はどうなのかである。二つ目に関しては、咬合面の高さが舌背より高いと咀嚼しづらい、低いと舌縁を噛みやすいといったことは総義歯の調整時に実感し、適正な高さが重要なことはよく分かる。しかし、なぜ臼歯が傾斜しているかの本質的な説明にはなっていない。

下顎大臼歯の舌側傾斜に関する調査

 かつて数万年も昔の人の顎骨を博物館で見たとき、湾曲がほとんどない例があるのに気づいた。これについては先に咬合湾曲の話のところでも述べた。同時に、その顎骨の大臼歯が垂直的に並んでいて、現代の歯列に見られるような側方的な傾きが少ないのが強く印象に残った(図2,3)。以来この問題が気になっていた。
 

図2.250万年前の上下顎骨の標本(国立科学博物館)

図3.150万年前の下顎骨の標本(国立科学博物館)

 先の歯冠傾斜度を見ると、傾向として小臼歯では傾斜が小さく、大臼歯では大きい。しかし、大臼歯では左右の平均の傾斜度が最低0°から2.5°となっている。その割合は分からないが、傾斜が非常に小さい例があることは確かである。また、側方湾曲の測定で大臼歯について先のように湾曲がなく水平的なものが第一大臼歯では上顎で40%、下顎で30%、第二大臼歯では上顎は0%、下顎5%程度に認められている。つまり、全体的な傾向として大臼歯は傾斜が強く側方湾曲も比較的強いが、中には歯冠が垂直的で湾曲もほとんどない例もあるということだった。これが現代人における臼歯の頬舌的傾斜、側方湾曲の姿である。とすると、もしかして大昔の人では大臼歯の傾斜は少なく、時代が下るにつれて多くなったのではないか、人類の進化による顎骨の退化が関係しているのではないかと思えてきた。
 しかし、博物館で見たような古代人の顎骨、それがレプリカであっても数は少ない。しかも偶々、臼歯が垂直的に並んでいる資料なのかもしれない。そう考えると、顎骨の退化との関係を調べることは極めて難しい。我が国では古い資料として調べられるのはせいぜい縄文、弥生時代のものであろう。万年単位の人類の歴史からするとごく最近ということになる。しかし、現代人とは違いがあるかもしれない。これは以前咬合湾曲について書いたときにも思ったことである。
 そこで、今回、縄文時代から古墳時代、約2,3千年前の上下顎臼歯が残存する頭蓋骨14例の拡大した写真について調査してみることにした。
 実際に行ったのは、上下顎歯槽弓後部の左右幅、第一大臼歯あるいは第二大臼歯の頬舌的傾斜度、上顎骨前歯部の突出度の測定である。大臼歯の傾斜度は先の研究に準じた方法で歯軸を求め、正中線に対する角度を測定した。上顎骨の突出度はさきの咬合湾曲の章で述べた方法で測定した。
 その結果、歯槽弓後部の幅については、上顎に対する下顎の比率を求めると下顎の方が大きいものは43%、また上顎部の突出度との関係をみると、ほぼ逆の相関性(r=-0.45)が見られた。つまり、上顎の突出度が大きいものでは上下幅が殆ど同じか上顎の方が大きく、突出度が小さいものでは下顎の幅の方が大きい傾向があった。
 大臼歯の傾斜度については5°で大小に分けると、5°以上の傾斜が大きいものが約2 ∕3だった。これは以前古い時代の人骨で大臼歯の傾斜が少ないとの感じとは違った結果である。しかし、歯槽弓幅の上下顎比との関係を見ると、下顎が大きいものでは傾斜が大きいものの割合が多く、上下顎が同じか上顎が大きいものでは傾斜が少ないものが多かった。
 そこで、こうした調査結果を参考にして大臼歯の頬舌的傾斜ひいては側方湾曲の成立について大胆な推理を試みた。

大臼歯の頬舌側傾斜の成立についての仮説

 歯の咬合の成立にはその基礎になる上下の顎骨歯槽突起の位置関係が重要である。大臼歯の頬舌的な咬合の視点からすると、上下の歯槽突起の側方的な位置が上顎がやや大きい場合には上下の臼歯は萌出して垂直的に成長し、そのまま嵌合状態に達するだろう。しかし、実際に上下の歯槽突起やそこにできる歯胚の位置関係はすべて咬頭嵌合に都合よくできるわけではない。歯胚の位置がずれていたり下顎の方が側方的に大きい場合も少なくないだろう。その場合、上下の臼歯は垂直的に成長すると、互いの位置がずれて咬頭対咬頭あるいは下顎歯が外側に来て逆の被蓋関係になるかもしれない。ところが、多くの成人ではほぼ正常な嵌合関係を形成している。どうしてなのか。長年咬合を研究テーマにしてきたものとして、咬頭嵌合がどのような機序で作られるのかについて考えてもみなかった。これは誠に愚かと言う他ないが、いま調べてみてもはっきりしない。 
 Ingervall は、歯はしばしば咬頭対咬頭の位置に萌出するが、咬頭の斜面に誘導されて適正な咬合関係に至ると述べている。つまり、歯は上下の顎骨内でそれぞれの歯胚が独自に成長して萌出に至るが、その時点ではその位置関係は歯胚の発生位置次第である。それが成長して、互いが接触した時点でその斜面に誘導されて嵌合状態ができるとしている。
 でも、すべてが正常な嵌合状態になるとは限らず反対咬合になることもあるのではないか。実際、そうした側方的な交叉咬合は若年者で9%あるいは19%などの報告がある。
 となると、多くの場合、上下がずれていても正常な嵌合に達するが、ずれが大きかったりした場合には誘導が出来ず反対咬合状態が生じるということだろう。
 先に咬合湾曲の章で上顎骨の退化現象の結果として咬合湾曲が生じた可能性について述べた。これは大胆な推理であるが、この退化現象は矢状方向だけでなく、側方的にも起きたのではないかと考えられる。かつては上顎の歯槽弓は下顎よりも左右幅が広いか、同じくらいだったのではないか。これは数万年前の人の頭蓋骨を見たときにしばしば感じたことである。それが顎骨の退縮が上顎の後部で大きく進み、そこでは下顎の歯槽弓幅が相対的に大きくなったと考えられる。こうした考え方はさきの上顎の前突度との関係の調査結果とも一致する。これは上下の歯槽弓全体で見ると、前方では上顎歯槽弓の内側にあった下顎の歯槽弓は、大臼歯部で上顎歯槽弓の外側に位置するようになり上下の歯槽弓は交叉する形になったということである(図4)。

図4.上顎骨後部の退縮による上下顎歯槽弓の関係.
実線:下顎,破線:上顎
A:下顎歯槽弓の左右幅, B:上顎歯槽弓の左右幅
a:上顎が大きい場合,b:上下顎の差が少ない場合,c:上顎が小さい場合

 そうした位置関係になった上下の歯槽弓で大臼歯の咬合はどうか。先ほど、上下の歯槽弓がずれていても多くの場合、上下の歯は正常な嵌合状態に達するといった。しかし、そうなるためには互いが歯軸を傾ける必要がある。歯軸方向を傾ければ上下の歯は正常な咬頭嵌合状態を作ることができる。
 しかし、どうして臼歯が歯軸を傾けてまでして正常な咬頭嵌合状態が形成されるのかである。Ingervallがいう斜面による誘導を認めたとすると、ずれた位置から成長した歯が互いが接触したのち直ちに成長方向を変えて嵌合状態に至る、ただし斜面による誘導の具合によって適正な位置づけができない場合があるということになる。それについてはっきりしない現状では、上下の歯には適正とされる嵌合状態を形成する傾向あるいは特性とでもいうものがあると考えるしかないだろう。
 先の調査で、歯槽弓幅の上下の差と大臼歯の傾斜の関係について、上下の歯槽弓幅の差が少ないものでは大臼歯の傾斜度が小さく、差が大きいものでは傾斜度が大きいものが多いとの結果を得た。つまり、大臼歯の歯軸の傾斜は上下の歯槽堤幅の差の大小に相応している(図5)。上下の歯槽弓は水平的には中間部で交差することを先に述べたが、後方の上下差が大きい所の大臼歯の傾斜が大きいのに対して小臼歯は傾斜は小さいはずである。これによって、側方湾曲は小臼歯部では湾曲は弱く、大臼歯部では強く表れることになる。

図5.図4のa,b,c各場合に対応する右側最後大臼歯の上下の関係.
A:萌出途上,B:咬頭嵌合状態
aでは上下とも変化せずに嵌合,bではわずかな位置変化と傾斜して嵌合cでは傾斜を大きくして嵌合.

 なお、この上下顎歯槽弓の幅の差について上顎の退縮を中心に考えてきたが、下顎の拡大も考えられるのではないか。これは古代の人骨化石で上下歯列幅がかなり狭いものがあり、それが時代を経て拡大するが下顎骨の方が大きく拡大したとの記述もある。顎骨の進化による変化として起ったかもしれない。しかし、上顎の退化現象は明らかであり、それによって下顎が相対的に大きくなったと考える方が妥当だろう。
 結論として、大臼歯の頬舌的な傾斜、側方湾曲の深化は、上顎骨後部の退縮が主な原因で生じたということである。なお、この上顎骨後部の退縮は咬合湾曲の章でも述べたが、第三大臼歯の萌出頻度の減少が頭蓋骨の退化であることとも関連した現象と考えられる。

側方湾曲の機能的意義

 側方湾曲の度合いは臼歯の頬側、舌側咬頭の高さの差による。両者の差が大きければ湾曲は深くなり、差が少なければ湾曲は浅くなる。ただしこの頬舌咬頭の差はすでに述べた通り臼歯の頬舌的な傾斜に依るところが大きい。上顎臼歯が頬側へ、下顎臼歯が舌側へ傾くとそれぞれ頬舌咬頭に高さの差が大きくなり、側方湾曲は深さを増す。そのような状態ではしばしば側方運動時にその臼歯の咬頭が咬頭干渉になることがある。それには反対側の作業側の誘導部の高さが関係する。19,20回で述べたように、側方運動時の誘導部と非作業側の臼歯の接触の関係である。誘導部の高さ、つまり垂直的被蓋が大きいと、非作業側臼歯の傾斜が強くても接触は避けられるが、誘導部が咬耗などによって被蓋が減少すると非作業側臼歯の接触が生じるようになり、やがて咬頭干渉に発展する。臼歯の傾斜が少なく、側方湾曲が浅い場合には誘導部の被蓋の影響は少ないと言える。こうした関係についてはThieleman は早くから注目して対角線法則Diagonal Gesetzeと呼んだ。
 つまり、最後臼歯に咬頭干渉があると反対側の切歯や犬歯に挺出が生じ滑走運動障害が現れるというものである。こうした関係から側方運動時の咬合の機能的な関係にHanauの5原則を応用して非作業側の顆路、作業側の犬歯の運動路傾斜の2要素に対して犬歯最後臼歯間の対角線的な咬合湾曲の深さ、咬合平面の傾斜、臼歯の咬頭の高さの3要素を対応させ、両者の関係が一定に保たれることが好適な側方運動にとって重要だとしている。
 これは全く観念的で具体性に欠けるが、咬合湾曲について言えば、その深さを変更するときには犬歯の運動路を変える、あるいは臼歯の咬頭の高さを変えるなどして全体として安定を保たせるといったことのようで、各要素が相互に機能的な関係にあることを指摘している。

終わりに

 側方湾曲はなぜ生じたのか、どのような理由、機序によって変化し、今日の形に至ったのか。その生成について推理を試みた。それに必要な根拠を探ろうと古い時代の資料の測定を行い一応の結果を得たが、残念ながら実物を測定するのが極めて困難だったため資料として既成の写真という限られた条件下で行い、適切さに欠け、十分な数も得られず、確かな結論を出すには至らなかった。
 ただ、分かったことは、2, 3千年前の資料ではすでに顎骨や歯列の形が現代の姿に近くなっていたということである。古い時代の名残があることを期待したのだがそうではなかった。もっと古い時代の人骨化石について調査ができれば、恐らく側方湾曲の生成機序が明らかにできるのではないか。本格的な研究プロジェクトを組んで時間をかけて行われるべきテーマだと思う。

文献
1)矢崎正方:下顎運動の解剖学的研究、特に義歯の咀嚼能率に及ぼす関係に就いて.歯科学報、34:590、1929.
2)富士川善彦:天然歯列弓における歯冠傾斜角度及び捻転角度の研究.口病誌、25:475-494、1958.
3)国立科学博物館ホームページの標本・資料データベース、人骨標本コレクション.
4)土井が浜遺跡と弥生人.土井が浜遺跡・人類学ミュージアム、2020.
5)Ingervall,B.: Development of the occlusion, In A Textbook of Occlusion,Quintessence Publ. Co.,1988, Chicago, p.43-56.

あとがき
 2016年から始まったこのシリーズ,今回をもって終了させていただいます。長年にわたりお読みくださった方々には心から感謝申し上げます。また、この場を与えてくださった若林則幸教授、掲載に当たってお力添えいただいた和田淳一郎先生はじめ教室員の皆様には深く感謝いたします。読み返してみますと、初めのころは咬合にまつわることを単に思い付きで書いていたのが、途中から咬合そのものに焦点を絞って書いていくようになったことがわかります。初めから計画的に行ったわけではなく、これほど長く続くとも思っていませんでした。自分の考えを整理できたことは大変よかったと思っています。有難うございました。