プレスリリース

楠山譲二テニュアトラック准教授が令和5年度科学技術分野の 文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞

公開日:2023.4.12

 令和5年4月19日(水)に令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 表彰式が開催されます。東京医科歯科大学からは、科学技術分野の文部科学大臣表彰の若手科学者賞に大学院医歯学総合研究科生体情報継承学分野の楠山譲二テニュアトラック准教授が受賞されました。

賞の概要

 この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としている。そのうち、若手科学者賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を表彰する。

楠山譲二 テニュアトラック准教授 学技術分野の 文部科学大臣表彰(若手科学者賞)

【業績名】
妊娠期運動効果の次世代伝播機構に関する研究

【研究成果】
 妊婦の肥満や糖尿病は、子が通常の生活習慣を送るにも関わらず、子の成人期の慢性代謝性疾患の発症リスクを上昇させる。この病態の次世代伝播は転化的で重篤な健康格差の原因となるが、分子機序に基づく具体的解決方策に踏み込んだ研究はなされていなかった。
 本研究では、妊娠期運動が子の糖代謝能を向上することで、母親の肥満による子の耐糖能障害を防ぐことを明らかにした。更に胎盤が運動刺激を感知し、分泌タンパク質によって胎児の遺伝子発現修飾を誘導するという「経胎盤情報伝達機構」を解明した。
 本研究成果は、妊娠期運動が肥満の次世代連鎖を断ち切ることを実証し、運動における胎盤機能の重要性を提唱した。今後、将来の子供の健康を守るための妊娠期の予防的介入プログラムの策定や運動効果モニタリングが社会に実装されると期待される。
【研究者プロフィール】
楠山譲二 テニュアトラック准教授
2009年4月-2010年3月 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 歯科臨床研修医
2012年4月-2014年3月 日本学術振興会 特別研究員(DC2)
2014年6月-2015年11月 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 口腔病理解析学分野 助教
2015年12月-2017年8月 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 口腔生化学分野 助教
2017年9月-2021年3月 ハーバード医科大学付属ジョスリン糖尿病センター Research Fellow
2019年4月-2021年3月 日本学術振興会 海外特別研究員
2020年4月-2022年9月 東北大学学際科学フロンティア研究所 新領域創成研究部 助教
2021年1月-2022年9月 学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ 育成対象者(TI-FRISフェロー)
2021年10月-現在 革新的先端研究開発支援事業 AMED-PRIME 研究開発代表者
2022年10月-現在 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 生体情報継承学分野
テニュアトラック准教授(分野長)

お問い合わせ先

<研究に関すること>
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科     
生体情報継承学分野 楠山 譲二
E-mail:joji.kusuyama.bsin[@]tmd.ac.jp          

<報道に関すること>
東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係 
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
E-mail:kouhou.adm[@]tmd.ac.jp
 

※E-mailは上記アドレス[@]の部分を@に変えてください。
 

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