プレスリリース

「 舌癌の進展範囲の把握に新知見 」【原田浩之 教授】

公開日:2021.10.28
「 舌癌の進展範囲の把握に新知見 」
― 舌癌の深達度計測は「生検前のMRI」が最も有用である ―

ポイント

  • 病理組織標本※1 作製過程における平均幅径収縮率は10.3%でした。この結果から、「臨床的DOI」≒ 病理組織学的DOI ×100/89.7 の補正式が完成しました。
  • 超音波検査およびMRI にて舌癌のDOI を計測しました。これらの値と病理組織学的DOI を補正した「臨床的DOI」の比較を行ったところ、生検※2 前にMRI で計測した値が「臨床的DOI」と最も近似していました。
 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 顎口腔外科学分野の原田浩之教授らの研究グループは、同研究科口腔放射線医学分野 倉林 亨教授、口腔病理学分野 池田 通教授との共同研究により、舌癌手術標本の病理組織標本作製過程における収縮率は10.3%であることを報告するとともに、この収縮率を補正した深達度と各種画像診断で計測した深達度の比較を行いました。その結果、生検前に行うMRIから計測した値が、病理組織進展範囲と最も近似しているという新知見を得ました。この研究成果は、国際科学誌Scientific Reportsに2021年10月25日、オンライン版で発表されました。

プレス通知資料全文

  • 「舌癌の進展範囲の把握に新知見」
  • 論文情報

    掲載誌:Scientific Reports
    論文タイトル:MRI before biopsy correlates with depth of invasion corrected for shrinkage rate of the histopathological specimen in tongue carcinoma
    DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-021-00398-0