プレスリリース

「 加齢による皮膚再生能力低下の仕組みを解明 」【難波大輔 准教授、西村栄美教授】

公開日:2021.09.22
「 加齢による皮膚再生能力低下の仕組みを解明 」
― 高齢者に発症しやすい難治性皮膚潰瘍の治療法開発に期待 ―

ポイント

  • ヒト表皮幹細胞の運動能力が、幹細胞の自己複製や表皮再生に必須であることを明らかにしました。
  • 加齢によって、皮膚再生時の表皮増殖因子(EGF)受容体シグナル活性の低下が起こることを見出しました。
  • EGF受容体シグナルは、表皮幹細胞の機能に必須であるXVII型コラーゲン(COL17A1)の安定化に寄与していることを明らかにしました。
  • COL17A1は細胞骨格を介してヒト表皮幹細胞の運動性を制御していることを見出しました。
  • 糖尿病性潰瘍や褥瘡(床ずれ)などの難治性皮膚潰瘍の病態解明と新規治療法開発への応用が期待できます。
 東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の難波大輔准教授と西村栄美教授(東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野教授兼任)の研究グループは、大阪大学の土岐博特任教授、国際医療福祉大学の松崎恭一主任教授、愛媛大学の佐山浩二教授および白石研講師との共同研究で、加齢による皮膚再生能力低下の原因が、XVII型コラーゲンの分解による表皮幹細胞の運動能低下であることをつきとめました。この研究は文部科学省科学研究費補助金、新学術領域研究「数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解」、武田科学振興財団、ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』の支援のもとでおこなわれたもので、その研究成果は、米国科学誌Journal of Cell Biology に、2021年9月22日にオンライン版で発表されました。

プレス通知資料全文

  • 「加齢による皮膚再生能力低下の仕組みを解明」
  • 論文情報

    掲載誌:Journal of Cell Biology
    論文タイトル:EGFR-mediated epidermal stem cell motility drives skin regeneration through COL17A1 proteolysis
    DOI: 10.1083/jcb.202012073