研究の背景

研究の背景

研究の背景

超高齢化社会に突入した日本にとって、加齢性慢性疾患(生活習慣病、心血管疾患、精神発達障害など)の予防は極めて重要な課題である。これらの疾患の発症には、親世代あるいはそれ以前の世代の生活環境が関与していることが、英国バーカー博士の出生体重に関する疫学研究をはじめとした様々なDOHaD (Developmental origins of health and disease) 研究によって明らかにされてきた。日本は先進諸国のなかで低出生体重児の発生頻度が特に高いことが知られており、今後の加齢性慢性疾患発症の増加が危惧されている。しかし、より根本的に、生殖細胞発生や胚・胎児の発育環境の影響を研究し、生殖期および周産期から加齢性慢性疾患を先制予防することが必要である。