TMDU感染症センター設立記念講演会が開催されました
~感染症に強い社会への貢献~
2023年11月14日、東京医科歯科大学M&Dタワー鈴木章夫記念講堂にて「TMDU感染症センター設立記念講演会」が開催されました。
東京医科歯科大学TMDU感染症センターは2023年11月1日に設立された、コンバージェンス・サイエンスを推進する新しい教育研究センターです。センターの英語名は、TMDU Center for Infectious Disease Education and Analysis略して、TCIDEA(ティーシーアイディア)と命名され、略称に含まれる「アイディア」には知識、発想、理念といった意味が込められています。
本センターは、臨床医学(統合臨床感染症学分野)、基礎医学(ハイリスク感染症研究マネジメント学分野)および社会医学(感染症健康危機管理学分野)の各部門が連動し、学内の各ブロックとも協力しながら感染症の診療と研究を進め、人材育成を推進しています。また、国内外の感染症対策ネットワークとも連携し、感染症に強い社会に貢献することを目指しています。
設立を記念し開催された記念講演会は、田中雄二郎学長および東京工業大学の益一哉学⾧のビデオメッセージによる開会挨拶により始まりました。その後、具芳明センター⾧(臨床医学部門)によるセンターの概要についての説明、M&Dデータ科学センターAIシステム医科学分野の清水秀幸教授による特別講演が行われました。さらに、厚生労働省の迫井正深医務技監、東京都保健医療局の雲田孝司局長、東京iCDC(東京感染症対策センター)の賀来満夫所長、国立感染症研究所の脇田隆字所長、国立国際医療研究センター国際感染症センターの大曲貴夫センター長をお招きし、パネルディスカッションが行われました。最後に、古川哲史理事・副学長による閉会挨拶により講演会の幕を閉じました。
TCIDEAでは本センターのビジョンである、臨床・基礎・社会医学の3分野が連動して国内外の感染症対策に貢献し、新たな脅威に立ち向かう感染症に強い社会の実現に向けて、感染症研究・教育・診療を推進し、関係機関や国内外の専門家と連携し、社会に必要とされる感染症対策の実施を推進していきます。
講演会内容
1 開会挨拶
2 TMDU感染症センターについて
3 特別講演『ネクストパンデミックを数理情報科学との融合知で防ぐ』
4 パネルディスカッション 『TMDU感染症センターに期待する取組~感染症に強い社会への貢献~』
来賓の皆様にお話いただいた後には、具センター長及び東京医科歯科大学TMDU感染症センター 武内寛明副センター長(基礎医学部門)が参加し、「TMDU感染症センターに期待する取組~感染症に強い社会への貢献~」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
5 閉会挨拶
講演会を終えての具芳明センター長によるコメント
このパンデミックを通じ、感染症領域には非常に幅広い専門性があると改めて実感しています。臨床的な観点からは、臨床感染症の専門家だけではなく、全ての医療従事者が感染対策を正確にする必要があるといった面もございます。また、基礎医学や公衆衛生・社会医学においても感染症領域に強い専門家を育てていく必要があります。
現在、私達は感染症内科を設立し、感染症診療の専門家育成を始めているところですが、併せて地域の医療従事者の全体の底上げを図る取り組みも進めているところでございます。さらに、医学部の学生に対しても、他大学と一緒に教材を作って教育を行い、その教材をさらに他の大学に広げるといった取り組みも行っております。今回の講演会を経て、周辺領域を含め専門家を多く育成する、あるいは、全体の底上げを図る必要性を改めて実感いたしました。
本講演会を踏まえ、TCIDEAのビジョンの実現に向けて邁進して参りたいと思いますが、このことは本学だけで実現できるものではありません。行政組織、国内外の研究機関、大学、医療機関と広く深く連携を進め、有事対応に貢献できるよう、平時の取り組みを充実させていきたいと考えております。皆様にはご指導ご鞭撻をいただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。