樗木俊聡教授らの「プラズマサイトイド樹状細胞は自然リンパ球である」という提起がNature Reviews Immunologyに掲載されました

 樹状細胞は生体内で最も優れた抗原提示能力をもつ細胞です。タンパク質抗原を取り込んだ後、リンパ管を通って所属リンパ節に移動、取り込んだタンパク質抗原をペプチド断片に分解後にMHC分子と共に提示してT細胞を活性化します。樹状細胞は大きく従来型樹状細胞とプラズマサイトイド樹状細胞に分類されると言われてきましたが、樗木俊聡教授らが欧米の研究者と共にさまざまな研究報告を分析した結果、大部分のプラズマサイトイド樹状細胞は抗原提示能力に乏しく血流を介してリンパ節に移動することから樹状細胞としての条件を満たしておらず、むしろNK細胞やILC細胞と同じ自然リンパ球に属する細胞であることを提起しました。

樹状細胞のグラフィック

掲載誌情報

掲載誌:Nature Reviews Immunology 23, 1-2 (2023)

タイトル: Reclassifying plasmacytoid dendritic cells as innate lymphocytes

DOI:https://doi.org/10.1038/s41577-022-00806-0

研究者プロフィール

樗木 俊聡(おおてき としあき) Toshiaki Ohteki
東京医科歯科大学 難治疾患研究所 
生体防御学分野 教授
研究領域:免疫学、組織幹細胞学