松山祐輔准教授が第81回日本公衆衛生学会総会で最優秀演題賞を受賞

松山祐輔准教授が第81回日本公衆衛生学会総会で最優秀演題賞を受賞

2022年10月に開催された第81回日本公衆衛生学会総会で、松山祐輔准教授(健康推進歯学分野)が最優秀演題賞を受賞しました。

日本公衆衛生学会は全国の公衆衛生研究者や実務者らが参加する規模の大きな学会で、今年は1000演題を超える発表の中から、松山准教授の演題を含む3題が最優秀演題賞に選ばれました。

松山准教授らは、日本の水道水天然フッ化物濃度が高い地域に住む子どもはう蝕(むし歯)が少ないことを全国規模の追跡データを分析し明らかにしました。
歯科以外の分野からの発表が多くある日本公衆衛生学会総会で受賞したことは、多くの人が罹患する歯科疾患への注目が高まっていることを示しています。
 

発表の概要

う蝕(むし歯)は世界でもっとも多い病気で、世界の25億人以上、日本でもおよそ4000万人に未治療のう蝕があると推計されます。多くの人が罹患するため、集団全体への対策(ポピュレーションアプローチ)が効果的です。海外では、水道水中にもともと含まれるフッ化物イオン濃度を緑茶と同程度に調整することで安全で効果的にう蝕を予防する水道水フロリデーションが実施されています。
 日本では水道水フロリデーションは実施されていませんが、水道水に天然のフッ化物イオンがもともと含まれており、その濃度は水道法の上限の範囲で地域によりばらついています。本研究は、2001年に生まれた子どもを対象とした追跡調査である21世紀出生児縦断調査のデータを分析し、地域の水道水フッ化物濃度が0.1 ppm高くなるごとに、う蝕治療を受ける子どもの割合が3.3%低くなることを明らかにしました。
 

受賞演題

松山祐輔, 藤原武男, 相田潤. 日本における水道水天然フッ化物濃度と子どものう蝕の関連:21世紀出生児縦断調査の分析. 第81回日本公衆衛生学会総会. 2022年10月.

研究者プロフィール

詳しくは研究者情報データベースをご覧下さい
https://reins.tmd.ac.jp/html/100025436_ja.html

関連リンク

第81回日本公衆衛生学会総会
http://jsph81.umin.jp
一般社団法人 日本公衆衛生学会
https://www.jsph.jp