2020年度以降学士課程(医学部・歯学部)入学者の授業料を改定

2020年度以降学士課程(医学部・歯学部)入学者の授業料を改定

 東京医科歯科大学は、2020年4月以降の学士課程(医学部・歯学部)入学者の授業料について、現行の授業料 535,800円(年額)を、642,960円(年額)に改定することといたしました。

 本学は世界に冠たる医療系総合大学を目指して、教育改革を推進してまいりました。今般の授業料改定に伴い、医療系総合大学における学士課程教育の将来像を見据え、教育体制・教育内容の一層の向上を図り、教育環境整備を行ってまいります。
また、同時に学生の経済的支援の充実のため、自主財源を増強する努力を続け、志のある学生が経済的状況により本学で学ぶ機会を逸することがないよう、学生の経済的支援の拡大に努めてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。

 ※ 2019年度以前に入学した学士課程(医学部・歯学部)学生は、当該課程に在籍している間は、2020年度以降も現行の授業料535,800円(年額)のままです。
学長メッセージ

2020年度以降に医学部または歯学部に入学を希望される皆様及び保護者の皆様
(授業料改定に関するご理解のお願い)


 東京医科歯科大学は、医療系総合大学として、「幅広い教養と豊かな感性を備えた人間性の涵養を目指す」、「自己問題提起、自己問題解決型の創造力豊かな人材を養成する」、「国際感覚と国際競争力に優れる人材を養成する」の3つを教育理念に掲げ、社会の要請に応え得る医師、歯科医師、看護師、臨床検査技師、歯科衛生士、歯科技工士を養成するとともに、世界の第一線で活躍し得る研究者、指導者の育成を目指し、様々な取組みを実行してきました。

 この3つの教育理念に基づいて医・歯学教育と本学の研究力向上の結果として、2019年に発表された「QS 分野別世界大学ランキング」で本学は日本において医学分野で第3位、歯学分野で第1位、また2018年に発表された「THE世界大学ランキング」で分野を問わず本学は日本の第7位に選出されています。
 本学の取組みや成果は世界的にも評価され、2018年の「THE World’s Best Small Universities」では日本第1位、世界第15位、さらに2018年の「THE Top Universities with the Best Student-to-Staff Ratio 2019(世界最高の学生/教員比率大学ランキング)」において、日本第9位、世界第13位の大学に選出されています。

 本学は現状に満足することなく、世界に冠たる医療系総合大学を目指し、継続して改革を推進してまいりました。
平成最後の2018年度には、大学院課程において改組を行い、大学院医歯学総合研究科、大学院保健衛生学研究科の既設の専攻を統廃合して、大学院医歯学総合研究科に新たな先制医歯理工学コースと医歯理工保健学専攻を設置し、先制医療、先進医療デバイスなど統合先制医歯理工保健学を学ぶ体制を構築しました。
 一方学士課程(医学部・歯学部)では、医療系総合大学が輩出すべき将来の人材を見据えて、各学科において不断のカリキュラム改革を行っていますが、令和新時代に入り、次世代の教育の創造に向けて、学士課程(医学部・歯学部)を横断するカリキュラムの見直しと合わせて、より一層の教育効果をもたらす取組みを次のとおり実施します。

● リベラルアーツ教育から自己問題提起、自己問題解決型アクティブラーニング教育を充実させ、ICT(情報通信技術)を活用した自学自修環境を実現させます。
● 留学支援として、学生個々のレベルに合わせた留学準備教育プログラムや留学資金の補助、さらには留学後のグローバルリーダー教育を充実させます。
● 現代疾病に対応する臨床技術を学ぶため、最先端のシミュレータを新たに導入し、最新の学修環境を実現します。
● 次代のチーム医療の指導者となりうる人材を養成するため、Society 5.0を見据えた新たな医歯理工学融合教育として、データサイエンス領域を学修するカリキュラムを新たに導入します。

 こうした取組みを「令和の教育改革」と銘打ち、大学として強力に実行に移すべく教育環境の整備等を実施してまいります。
 しかしながら、こうした取組みを持続的に推進するため、どうしても新たな財源確保が必要不可欠であるという結論に至りました。本学は今後とも更なる経費節減等に努めながら、「令和の教育改革」を実現するために2020年度学士課程(医学部・歯学部)入学者から現行の授業料535,800円を引き上げ、642,960円とする授業料の改定をお願いさせていただきます。2020年度以降に入学を希望される皆様及び保護者の皆様には、何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。
 なお、2年次編入学者は、2021年度に入学される方から対象とさせていただきます。


 また、今般の授業料の引き上げによって、学生が経済的状況により本学で学ぶ機会を逸することがないよう、学生への経済的支援を拡充し、大学が強力に支援することを約束します。
 学生への経済的支援には、大学の自己財源を用いて、引き上げ額をカバーする授業料の減免措置に加えて大学独自の修学支援を実施します。
 また、2020年度から導入される国による高等教育段階の教育費負担軽減の取組みの趣旨に沿うように本学の自己財源によって、学生支援を充実させます。


 本学は、今般の授業料改定により得られる安定的な財源を活用して、本学の基本理念である「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」を実現するために、様々な取組みを実行して、特色あるカリキュラムを築き上げ、幅広い教養と豊かな人間性、高い倫理観、自ら考え解決する創造性と開拓力、国際性と指導力を備えた人材を育成します。
 今後も、教職員一丸となって、教育の質、教育の効果を高める取組みにより、教育を充実させると同時に学生サービスの水準向上に一層努めてまいりますので、皆様のご理解と温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。


2019年11月8日
国立大学法人東京医科歯科大学長 吉澤 靖之