大学医歯学総合医学研究科ウイルス制御学分野、武内寛明講師がECC山口メモリアルエイズ研究奨励賞を受賞しました

大学医歯学総合医学研究科ウイルス制御学分野、武内寛明講師がECC山口メモリアルエイズ研究奨励賞を受賞しました

大学院医歯学総合医学研究科ウイルス制御学分野 武内寛明講師が「日本エイズ学会ECC山口メモリアルエイズ研究奨励賞」を受賞しました。

賞の概要

ECC山口メモリアルエイズ研究奨励賞は、HIV感染症の研究に関する顕著な業績を有する45歳未満の研究者に与えられる賞です。この賞は日本エイズ学会により平成12年から設けられています。第31回日本エイズ学会学術集会・総会(2017年11月24~26日、東京で開催)において、ウイルス制御学分野の武内寛明講師が本賞を受賞しました。受賞課題は、「新規HIV-1感染制御宿主因子の同定およびその機能解明」です。

研究の概要

研究グループは、HIV-1 感染標的細胞のひとつである CD4 陽性 T リンパ球を用いたゲノムワイド RNA 干渉(RNA interference: RNAi)スクリーニング) を行い、HIV-1 感染を制御する宿主細胞内因子としてリン酸化酵素 MELK を見出しました。
そしてMELK の HIV-1 感染制御能を解析したところ、MELK の発現を抑制したCD4 陽性 T リンパ球に HIV-1 が感染するとウイルスコア構造体の崩壊タイミングが遅れてしまい、ウイルスDNA 合成ステップが阻害されてしまうことがわかりました。また MELK はコア構造体を形成するHIV-1 キャプシドタンパク質(HIV-1CA)の特定アミノ酸残基(149番目のセリン残基:CA Ser-149)を段階的にリン酸化することによりHIV-1 コア構造体崩壊制御を行っていることを明らかにしました。

本研究成果によって、長らく謎であった HIV-1 コア構造体崩壊制御メカニズムが明らかになり、HIV-1 感染に必要不可欠な宿主側要因がつきとめられました。それに加えて、発見した宿主タンパク質がリン酸化酵素であったことから、変異しやすいウイルス由来酵素タンパク質ではなく宿主側感染制御因子を標的とした新規エイズ治療法開発への応用が期待できます。

プロフィール等

詳しくは研究者情報データベースをご覧ください
http://reins.tmd.ac.jp/html/100007755_ja.html

所属分野のホームページ
http://molv.org/takeuchi.html

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