大学院医歯学総合研究科 生殖機能協関学分野 宮坂尚幸教授就任挨拶

大学院医歯学総合研究科 生殖機能協関学分野 宮坂尚幸教授就任挨拶

大学院医歯学総合研究科 生殖機能協関学分野 宮坂尚幸教授就任挨拶
 平成28年8月1日付けで、大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学分野教授を拝命いたしました宮坂尚幸と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。
 私は平成元年に本学医学部を卒業後、本学産科婦人科学教室(麻生武志教授)に入局、関連病院で産婦人科全般について臨床研修を行い、平成7年に大学院に進学、胎児・新生児の脳障害に関する研究で学位を取得いたしました。この時に動物実験用MRIを用いたのがきっかけで磁気共鳴医学に魅了され、平成15年より米国Albert Einstein College of MedicineのNMR research centerに留学し、diffusion tensor MRI、functional MRI(小川誠二教授)、MR spectroscopic imaging(Hoby Hetherington教授)について、パルスシーケンスや画像解析プログラムの開発、またその臨床応用に関する研究を行いました。この時、医学工学連携の重要性を改めて認識し、その経験は現在も継続中の研究課題である悪性腫瘍進行度診断のための新規MRI撮像プログラムの開発や、生体時系列データ解析などに生かされております。
 帰国後は久保田俊郎前教授の命を受け、崩壊の危機に瀕していた地域周産期医療への貢献と産科医師育成のために、本学附属病院分娩部活性化に取り組み、分娩件数の増加、NICU設置および地域母子周産期センター指定取得の実務を務めさせていただきました。同時に、合併症妊娠管理や、超高齢社会を見据えた周産期エピゲノムの体系的解析などの臨床研究を行っております。
 医療が高度化し細分化される中で、産婦人科医療は、二つの個体からもう一つの新しい個体が発生する生殖医療に始まり(生殖医学)、母児が命がけで臨む出産の現場に立ち会い(周産期医学)、加齢とともに生じる女性特有の問題(女性医学)や悪性腫瘍(婦人科腫瘍学)と対峙するなど、女性の一生に関わる診療科です。私共の教室の強みは、特定の分野に偏ることなく、これら全ての分野のエキスパートが揃っていることであり、今後は診療・研究・教育において、診療科内、診療科間、他研究室との連携を強化推進し、総合力を駆使して世界と渡り合える教室に、そして学生や初期研修医が一緒に働きたいと思える診療科になるよう全力を尽くしたいと思っております。今後とも一層のご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。