大学院医歯学総合研究科 国際保健医療事業開発学分野 中村桂子教授就任挨拶

大学院医歯学総合研究科 国際保健医療事業開発学分野 中村桂子教授就任挨拶

大学院医歯学総合研究科 国際保健医療事業開発学分野 中村桂子教授就任挨拶
 平成28年4月1日付けで、大学院医歯学総合研究科国際保健医療事業開発学分野教授を拝命いたしました中村桂子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 国際保健医療事業開発学分野は、保健医療の国際的なプロジェクトの開発研究を担う分野です。医薬品や医療技術の開発から医療システム、人材育成まで、国際的な展開が加速されていることをふまえ、国際保健のフィールド研究、保健医療プロジェクトを創出する研究を行う分野として新設されました。
 私は本学医学部を卒業後ただちに社会医学研究の道にすすみ、東京大学大学院、日本学術振興会特別研究員を経て、本学公衆衛生学講座で教職につきました。環境への適応という観点から人の健康を研究し、国内外分け隔てなくテーマを扱いました。「ヘルシー・シティーズ」というプロジェクトの開発に世界保健機関(WHO)と取り組み、健康都市・都市政策に関するWHO研究協力センターとして本学を拠点に世界各地に出向き研究などを行っています。平成12年から担当した国際保健医療協力学分野では、日本人だけでなく留学生など外国人も多数指導し、卒業生は16以上の国の大学や政府機関、国際機関で活躍しています。ご指導ご支援をいただきました国内外の多くの分野の方々に感謝申し上げます。
 スーパーグローバル大学の創成に取組む本学にあって、最新の医療技術を、それを必要とする人に最適な方法で届けるシステムに関わる研究、つまりデリバリーに焦点をあてた国際保健研究をさらに深め、「疾患予防グローバルリーダー養成プログラム」を通じて医療の 国際化のプロジェクトを推進する人材育成にも力を入れたいと思っております。
 分野の英文の名称はDepartment of Global Health Entrepreneurshipです。Entrepreneurshipは少々聞き慣れない言葉かもしれませんが、革新的な技術開発という意味にとどまらず、社会的経済的な価値を生み出すとろこまでの開発という意味を含んでおります。保健医療を取り巻く国際的な動きはこれまで以上に加速しています。国際色豊かな研究室の多様性のダイナミクスを活かし、新しいエネルギーを生み出すことに力を尽くします。今後とも一層のご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。

                      大学院医歯学総合研究科 国際保健医療事業開発学分野 教授 中村桂子