骨転移診療ユニット

骨転移診療ユニット

ユニット長 ごあいさつ

 超高齢社会の到来とともに、がんに罹患する患者数は増加し続けています。一方で、がん治療の進歩とともに、多くのがんにおいて5年生存率は上昇傾向にあります。つまり、がんと診断されても長期間の生存が可能な時代になってきており、がん患者さんが自立した生活や通院加療が継続できるよう、QOLやADLを落とさない体制づくりが重要になってきています。高齢者の移動能力が低下した状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」といいますが、がん自体やがん治療によって移動能力が低下した状態は「がんロコモ」と呼ばれます。がんの骨転移は、疼痛、骨折、脊髄麻痺などを引き起こすことがあるため、適切な診断・治療を行い、がんロコモを予防する必要があります。本学では骨転移専門外来の開設をはじめとして、骨転移診療の充実化に向けた様々な取り組みを行ってまいりました。これからも様々な診療科や多職種と連携してがん患者さんが「最後まで動ける」に貢献したいと考えています。
骨転移診療ユニット長 佐藤 信吾

診療に関わる職種

 整形外科を中心とし、各がんの診療科、放射線治療科、放射線診断科、歯科、リハビリテーション部門、緩和ケア部門、看護師、薬剤師、臨床心理士などが連携して骨転移患者の診療を行う体制を構築しています。

専用ホームページ

・整形外科骨軟部腫瘍グループ:https://tmdu-orth.jp/clinical/tumor/
・がんの骨転移について:https://tmdu-orth.jp/tumor-disease/post-1584/

概要

 がん患者数の増加とともに、骨転移を発症するがん患者さんも増えてきています。骨転移は適切な診断・治療がなされないと、病的骨折や脊椎麻痺などの骨関連有害事象を引き起こし、時には骨転移患者さんのQOLを著しく低下させてしまいます。そこで当院では、骨転移を早期に発見し、早期から治療介入を開始するシステムを確立するとともに、がんの診療科のみならず、整形外科、放射線治療科、歯科、緩和ケア科などが協力して集学的に骨転移患者の診療を行う体制を構築してきました。また、2016年4月からは院内骨転移キャンサーボードを月1回の頻度で開催しており、診断や治療が難しい骨転移症例について多職種を交えて熱い議論を交わすとともに、骨転移マネージメントの重要性を啓蒙しています。

 当院の骨転移専門外来は、基本的には当院でがんの治療を受けている患者さんが対象ですが、院外の患者さんのコンサルトも受け付けています。受診の際には紹介状(診療情報提供書)を必ずご用意いただき、地域連携室を通して事前予約を取得して下さい。ただし、当院での骨転移治療の継続を希望される場合は、がんそのものの治療の主治医を当院に変更していただくことを推奨しています。また、セカンドオピニオンをご希望の方は、セカンドオピニオン外来へご相談下さい。

問い合わせ先

・整形外科外来:03-5803-5678
・地域連携室(事前予約受付):03-5803-4655、http://msj-web.co.jp/test/tmdrenkei/renkei/index.html
・セカンドオピニオン外来:03-5803-4568、http://www.tmd.ac.jp/medhospital/patient/second.html