研究について

研究について

「今日の医療」に貢献するとともに、「明日の医療」を生み出すために!

東京医科歯科大学は、皆さんご存じのようにCOVID-19パンデミックにいち早く立ち上がり、対応した大学です。これによって、国民の安全・安心に大きく貢献したと自負しており、また皆様からもそのような評価を頂戴しています。いわば「今日の医療」に貢献した、といえます。一方、この経験で学んだことから新たな医療のための研究成果を生みだせたか、すなわち「明日の医療」に貢献したかと問われると、必ずしも十分とは言えなかったと反省しています。COVID-19 パンデミックで学んだこととして、「明日の医療」には、医歯学の努力だけでは限界があり、情報学・工学・社会学など学術領域の幅を広げる必要がある、ということがあります。そこで、学術領域を広げるために理工系で先端的な研究を展開している東京工業大学との統合協議をはじめ、2022 年10 月14日に大学統合合意を発表しました。

2023 年度は、田中学長の2023 年4 月3 日の所信表明(https://www.tmd.ac.jp/outline/president/20230403_1/)にあったように、東京工業大学との2024 年の大学統合に向けての助走期間となります。日本の大学は、欧米の大学に比べて閉鎖的・階層的に陥りがちであり、これが構成員の能力を最大限引き出し、インベンション・イノベーションを生み出すことの妨げとなっているといわれています。大学統合は、この日本の大学の課題を打破し、構成員が目標に向かってパッションをもって活動する新たな大学に生まれ変わる絶好のチャンスです。そこで、新大学のコアバリューとして、

・コンバージェンス・サイエンス
・変わり続ける大学
・自由でフラットな文化

の3 つを掲げることとしました。すなわち、インベンション・イノベーションを生み出すためには、多様な学術領域が融合研究するコンバージェンス・サイエンスを展開することが必要です。このためには、未来課題を見据えた研究のポートフォリオチェンジを継続的に行うこと、すなわち変わり続ける大学であることも必要です。そして、これらを実現するための土台として、全ての構成員が対等の立場で議論し、誰が言ったかでなく何がベストなアイデアかで採用される自由でフラットな文化が何よりも必要と考えたのです。これら3 つのコアバリューに則り、「今日の医療」への貢献を今まで通り続けるとともに、「明日の医療」などの未来課題を解決し、社会に貢献する大学を目指します。