現状と問題

現状と問題

現状

平成22年度から厚生労働省医政局において「医療の質の評価・公表等推進事業」が継続して実施されているように、医療技術の高度化や国民意識の変化により安全管理と感染制御を含む医療の質を適正に評価・確保していくことが強く求められています。国立病院機構等では自らが提供する急性期医療の質を継続して評価・公表するとともに、医療の質の更なる向上に向けた課題を見いだし継続的に診療内容の改善を計るPDCAプログラム(計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の反復による医療の質の改善手法)を適用しています。一方、大学病院等の高度医療機関では、医療の質の評価と公表がほとんど進まず、国民の期待に応えているとは言い難く、この背景には、医療機能高度化を支える病院組織マネジメントが確立されていないために組織横断的な質改善・安全確保の継続的な取組が充分に進められていないことなどの現状があり、それらを改善することが急務です。

課題

これらの問題点の背景には、我が国では実践的で体系的な医療の質および安全の評価と確保のための病院組織マネジメントを担う人材の育成は充分ではなかったことがあると考えられます。大学病院のような高機能病院において医療の質・安全を効果的に評価、確保していくためには、以下に示す総合的な力量を持つ人材が必要です。
1医療の質等の評価に必要な様々な医療データを医療施設内から収集し、分析する能力
2継続的に診療内容の改善を計るPDCAプログラムを効果的に設計し、確実に運用していく実行能力
3これらを効果的に実現する有機的な組織連携を構築するマネジメント力とリーダーシップ