アルコールについて

アルコールについて

近年、大学生の飲酒による事故がたびたび発生しています。過剰なアルコールの摂取は、急性アルコール中毒を引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。
部活やサークルなど各種の集まりで飲酒をする機会があると思いますが、絶対にそういった事態にならないよう、正しい知識と正しい行動を身につけてください。

適正飲酒-年齢を守りましょう-

20歳未満の飲酒は未成年者飲酒禁止法という法律で禁止され、未成年の飲酒は法律違反になります。未成年の飲酒は心身の成長に影響を及ぼすだけでなく、最終的に死の危険もある「アルコール依存症」は、飲酒開始年齢が若いほど発症するケースが多いとされます。興味本位で手を出したりせず、周囲に勧められてもしっかりと断りましょう。

適正飲酒-体質を知って適切な飲み方をしましょう-

自分のアルコールに対する体質を知っていますか?
アルコールは主に肝臓で代謝され、最終的に体外へ排出されます。この代謝過程でできるアセトアルデヒドは細胞毒性や発がん性をもち、頭痛や吐き気ももたらします。このアセトアルデヒドを酵素ALDH2が酢酸へ分解してくれますが、このALDH2の働きには個人差があり、その強弱は遺伝子によって決められています。この遺伝子による飲酒に対する体質をアルコールパッチテストで調べることができます。それぞれの体質によって飲み方に注意する点が異なります。
湯島、国府台の保健管理センターで随時、アルコールパッチテストを実施しています。
ご希望の方は、お尋ねください。
全然飲めない族アルコールを少し飲んだだけで真っ赤になります。ALDH2を持っていな
いので、悪酔いしやすい体質です。無理して飲むと、少量でも急性アルコ
ール中毒になりやすいので要注意!練習しても飲めるようになるわけで
はありませんので、「努力」して飲むことはありません。
ホントは飲めない族飲み始めてしばらくすると赤くなったり気分が悪くなります。ALDH2の
働きが悪いので体内でアルコールを分解する力が弱い体質です。飲酒する
と、頭痛や吐き気を引き起こします。無理して飲んでいると早期に肝臓や
食道を痛めやすい体質です。
飲み過ぎ注意の危ない族赤くなったり気分が悪くなったりといった悪酔いはしにくいです。
ALDH2が正常に働いているので、体内でアルコールを分解する力が強い
体質です。しかし、悪酔いしにくい分、飲み過ぎが問題で、肝臓病・すい
臓病・アルコール依存症など慢性の病気になる危険性が高いです。また
飲める分、下記にあるアルハラの加害者になる危険性もあります。「酒豪」
は自慢にはなりません。節度を持って飲むようにしましょう。

アルコールハラスメントは絶対しない、アルコールハラスメントから身を守る

アルコールハラスメントとは、飲酒にまつわる人権侵害のことで、時に命を失うこともあり、傷害などの犯罪に発展する可能性のある極めて悪質かつ危険な行為です。アルハラは被害者にも加害者にもなり得ます。

≪してはいけないこと(これはアルハラにあたります)≫

飲酒の強要上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で
心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
イッキ飲ませ場を盛り上げるためにイッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッ
キ」という言葉を使わなくても、一息で飲み干すように促したり、何杯も
立て続けに飲ませるような行動はすべて同じこと。
意図的な酔い潰し酔いつぶすことを意図して飲み会を行うことで、傷害行為にもあたる。ひ
どいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意しているこ
ともある。
飲めない人への
配慮を欠くこと
本人の体質や意向を無視して飲酒を勧める、宴会に酒類以外の飲み物を用
意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。
酔った上での迷惑行為酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラなど、それをされた
当人が不快感を感じたり、迷惑になるような行為。

≪アルハラから身を守るには≫

参加しない激しい飲み会をする部やサークルには入らない。危険そうな飲み会は
体調不良などを理由に参加しない。
飲まされない工夫飲ます人の近くに座らない、飲まない人の近くに座る、自分のペースで飲
んで楽しんでいることを伝える、気分が悪くなったふりをしてトイレへ駆
け込む、アルハラお断りの画像をダウンロードしておいて見せる、など。
はっきりノーと言う始めに今日は飲まないことを伝える。飲まないとシラケてしまう、空気を
読まないと、と考える必要はありません。あなたの命がかかっています。
困ったら相談アルハラを受けて困っている場合、一人では悩まずに信頼できる相手や大
人に相談しましょう。
・部活やサークルの顧問の先生
・学生相談室
・保健管理センター 

急性アルコール中毒にならないために

次のような症状が出たら「酩酊状態」です。これ以上になると「泥酔状態」といって急性アルコール中毒の段階になります。自分がこのような状態になったら、またこのような状態の人を見たら直ちに飲酒をやめさせ、急性アルコール中毒事故を未然に防ぐよう努めてください。
 ・同じ話を繰り返す  ・隣の人にからむ  ・呂律が回らない  ・足元がふらつく

万が一、酔いつぶれてしまったら

まず、酔いつぶれるまで飲む、飲ませることは絶対にしてはいけない事ですが、万が一、酔いつぶれてしまったら次のような救護行動をとってください。
  ■絶対に1人にしない(トイレも出入を確認する、自室に戻る場合も酔いが冷めるまで付き添うこと)
  ■衣服をゆるめて、楽にする
  ■衣服や毛布を掛け暖かくし、体温低下を防ぐ
  ■吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる
  ■吐きそうになったら、抱き起さずに横向きの状態で吐かせる
 ≪こんなときは迷わず救急車を呼ぶ≫
  命にかかわる事態です。もう少し様子をみようなどと躊躇せずにすぐに呼びましょう。
  ■大いびきをかいて、ギュッとつねっても反応がない
  ■ゆすって呼びかけても、まったく反応がない
  ■体温が下がり、全身が冷たくなっている
  ■倒れて、口から泡をふいている
  ■呼吸が異常に速くて浅い、または時々しか息をしていない
  ※これ以外にも「危ない」と感じることがあれば、ためらわずに救急車を呼びましょう。