ピアサポート通信第8号 - 医学科向けおすすめ教科書・参考書 - 臨床医学編①

ピアサポート通信第8号 - 医学科向けおすすめ教科書・参考書 - 臨床医学編①

配信日:2021年3月16日

こんにちは、学生支援室ピアサポーターです。
今回は、医学科向けの臨床医学の教科書・参考書をご紹介します。
<CBT・国試対策用>
という項では、情報量が少なすぎず多すぎず、分かりやすいものを紹介しています。
<深く勉強する用>
という項では、比較的情報量が多く、レポートや発表スライドの作成時に役立つものを紹介しています。
おすすめ教科書に関するアンケートにご協力頂けますと幸いです。皆さんのおすすめ教科書、逆におすすめしない教科書や、こういう分野のおすすめ教科書が知りたい、といった情報・ご意見を大募集しています。
アンケートはこちらから↓
https://forms.gle/oE1stW8BnTrUYk3i7

1. 内科のおすすめ教科書・参考書

ここで紹介する教科書・参考書は、消化器、循環器、内分泌・代謝・糖尿病、腎臓、呼吸器、膠原病、感染症、神経、血液、といった分野を網羅しているものです。

<CBT・国試対策用>

『病気がみえる』(メディックメディア編)
電子版リンク:https://www.byomie.com/app/
医学生の定番となった『病気がみえる』シリーズ。通称「病みえ」。豊富なイラストが魅力で、発表スライドに「病みえ」のイラストを使うとそれだけで良さげになります(注1)。解剖・生理といった基礎医学的な解説もあり、疾患の理解の助けになります。
紙媒体として購入するのもありですが、各巻300~500ページもあり持ち運びは少々大変なので、個人的には電子版をお勧めします。電子版には検索機能があったり、マーカーを引けたりなど便利な機能があります。ただ注意点としては、 AndroidやiOSのスマホやタブレットでのみ利用可能ということ(PCでの利用不可)と、紙のように自由にメモを書き込めないことが挙げられます。
『病気がみえる』は、本学の生協でも共同購入セール (https://tmdu-coop.jp/sale/) でよりお安く手に入る可能性もありますので、そういった情報に注意して下さい。
ちなみに『病気がみえる』の姉妹シリーズとして、『公衆衛生がみえる』や『薬がみえる』、『診察と手技がみえる』があります(『診察と手技がみえる』については電子版なし)。
(注1)
著作物の記載・図表を自分のレポートや発表スライドに引用する場合は、著作権法を遵守する必要があります。出典(書名、著作者名、出版社名、発行年、該当ページ)を明記するとともに、引用は必要最小限にしましょう。

『イヤーノート』(メディックメディア編)
電子版リンク: https://www.yearnote.com/medilink/
①の『病気がみえる』の内科(vol.1~8)をぎゅっと圧縮し、麻酔科・救急・中毒分野を加えて一冊にした辞書のような参考書です。電子版もあります。疾患を理解する、というよりは覚える方に重点が置かれた参考書のため、国家試験に出るような病気は一通り理解している人が、覚えるべきところを覚える用に使うのに適している感じがします。逆に、初学者にはイラストや説明が豊富な、『病気がみえる』の方が理解が深まりそうです。
この参考書も、本学の生協で共同購入セール(https://tmdu-coop.jp/sale/)で安く販売される可能性がありますが、既に『病気がみえる』のvol.1~8を持っている、という方はそれらと内容的にはさほど変わらないので『イヤーノート』を無理して買う必要はないと思います。
間違いやすいポイントですが、『イヤーノート』には産婦人科・小児科・専門科(注2)といった内容は含まれていませんのでご注意下さい。
(注2)
専門科の中では麻酔科のみ、『イヤーノート』に含まれています。

『STEP』 シリーズ(海馬書房)
http://www.kaibashobo.co.jp/
①の『病気がみえる』シリーズと比較すると、イラストより文章の占める割合が高いです。文章でしっかり学びたい人におすすめ。しかし、内科の中で最も新しい巻でも2015年の出版であり、情報が古い可能性が高いので、その点はご注意を。M2PLUS(https://www.m2plus.com/)にて電子版が発売されています。


<深く勉強する用>

『内科學 第11版』(朝倉書店)
https://www.asakura.co.jp/naikagaku11ed/
図書館の電子ブックにあるので、ネット環境があれば無料で閲覧可能です。電子ブックの利用方法につきましては、
ピアサポート通信第3号-本学図書館の提供する電子リソースについて をご覧ください。
総論含め、様々な科の内容が1冊になっています。ページ数は驚異の2537ページ。図も交えつつ、文字ベースで詳しく書いてあります。

『内科学 改訂第9版』(中山書店)
https://www.nakayamashoten.jp/nk9/nk9.html
これも、図書館の電子ブックにあります。これは全部で7つの巻(別冊含む)に分かれていますが、内容としては①と似たような感じです。

2. 産婦人科のおすすめ教科書・参考書

<CBT・国試対策用>

『病気がみえる』vol.9婦人科・乳腺外科、vol.10産科(メディックメディア)
電子版リンク:https://www.byomie.com/app/
特徴としてはメジャー科編の『病気がみえる』で紹介した内容と同じです。特に産科の勉強は図が豊富な方が分かりやすいのでおすすめです。

『レビューブック産婦人科』(メディックメディア)
電子版リンク:https://store.medilink-study.com/products/detail/97
『病気がみえる』よりもさらに要点をまとめた『レビューブック』シリーズです。『レビューブック』シリーズの書籍版では赤シートで重要単語を隠せますが、電子版だと「暗記ボタン」を使って隠せるので、その点では書籍版より便利だと思います。説明は『病気がみえる』より少ないので、暗記が得意な人や、すでにある程度理解している人の復習向けという感じでしょうか。

『STEP 産婦人科』 (海馬書房)
http://www.kaibashobo.co.jp/
産科と婦人科の2冊に分かれています。M2PLUS (https://www.m2plus.com/ )にて電子版が発売されています。


<深く勉強する用>

『標準産科婦人科学』(医学書院)
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/81176
医学書院の『標準医学』シリーズは、内容の豊富さに定評があります。本学の図書館にあります。 (電子ブックではありません)

3. 小児科のおすすめ教科書・参考書

<CBT・国試対策用>

『レビューブック小児科』(メディックメディア)
電子版リンク:https://store.medilink-study.com/products/detail/155
『病気がみえる』よりもさらに要点をまとめた『レビューブック』シリーズです。小児科は範囲が広いので、国家試験に出題されやすいところがまとまっているのはありがたいです。
前述のように、電子版は「暗記ボタン」を使って隠せるので、書籍版より便利だと思います。

『国試小児科学』(テコム出版)
https://www.tecomgroup.jp/books/1000/?ISBN=978-4-86399-374-7
その名の通り、国家試験対策のために作られた小児科の参考書です。小児科の疾患は多岐に渡りますが、そのそれぞれについて必要十分な解説がなされています。ところどころに、国試でどう問われたかを解説する項があり、参考になります。付属のシリアルナンバーを入力すると、小児科の良問をWEB上で解くことができるのも魅力です。

『New Simple Step 小児科』(総合医学社)
https://www.sogo-igaku.co.jp/eshopdo/refer/vid716.html
STEP小児科のリニューアルバージョンです。情報量も多く、しっかり勉強したい人におすすめです。


<深く勉強する用>

『標準小児科学』(医学書院)
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/84383
医学書院の『標準医学』シリーズは、内容の豊富さに定評があります。本学の図書館にあります。(電子ブックではありません)

4. 専門科(俗にいうマイナー科)のおすすめ教科書・参考書

ここでいう専門科とは、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、皮膚科、泌尿器科、放射線科、麻酔科です。

<CBT・国試対策用>

『レビューブックマイナー』(メディックメディア)
電子版リンク: https://store.medilink-study.com/products/detail/162
専門科についての国家試験対策本としては最もメジャーな教科書だと思います。いちいち各専門科の教科書を読んで勉強するのは、結構大変です。しかしこの教科書なら、この一冊に麻酔科以外の専門科がまとまっているので、コスパ良く勉強できます。
前述のように、電子版は「暗記ボタン」を使って隠せるので、書籍版より便利だと思います。

『シリーズ まとめてみた』(医学書院)
https://www.igaku-shoin.co.jp/series/99
麻酔科と放射線科以外が出版されています。各巻200ページ位・カラー印刷なので読みやすいです。また、知識の羅列ではなく、疾患のイメージや国家試験の問題の解き方のコツも紹介されています。赤シートで隠せるチェック問題・国家試験の過去問・著者オリジナルの良問が各章の最後にあるので、知識も定着しやすいです。
医書.jp(https://store.isho.jp/)で電子版が発売されています。

『STEPシリーズ・Simple Stepシリーズ』(海馬書房)
http://www.kaibashobo.co.jp/index.html
専門科は全て出版されています。文字ベースである程度しっかり学びたい人におすすめです。整形外科、耳鼻咽喉科はM2PLUS(https://www.m2plus.com/)にて電子版が発売されています。

『病気がみえる』vol.11 整形外科・vol.12 眼科・vol.13 耳鼻咽喉科・vol.14 皮膚科(メディックメディア編)
電子版リンク:https://store.medilink-study.com/products/detail/48
↑のレビューブックにもこれらの科の内容は含まれているので、レビューブックを使いたくない人や、よりちゃんと勉強したい人におすすめです。

『麻酔科研修チェックノート』(羊土社)
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758105750/
麻酔科の参考書で最もメジャーと思われるもの。麻酔科を回っている研修医は、みんなこれを持っていました。
ただ、国家試験に合格する、という意味では、『イヤーノート』の「麻酔科」の項で十分かもしれません。
紀伊国屋書店、医書.jp、M2PLUSなどで電子版が発売されています。


<深く勉強する用>

『標準医学』シリーズ(医学書院)
https://www.igaku-shoin.co.jp/series/717
各専門科をカバーしていますし、ほぼ全て図書館にもあります(電子ブックではありません)。内容も豊富です。
この他にも各科で良い教科書があると思いますが、私も把握しきれないのでこのへんで。

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この他にも、教科書をぜひいろいろと手に取ってみてください。読んでみて良かった教科書、悪かった教科書、こんな分野の教科書を紹介してほしい!といったご意見などございましたら、アンケートでお知らせ頂けますと幸いです。
アンケートはこちらから↓
https://forms.gle/oE1stW8BnTrUYk3i7

次回以降ではまた違った分野の本を紹介できればと考えております。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。