東日本大震災活動報告・東京医科歯科大学DMAT第二隊
3月16日
交通や情報が遮断されたリアス式沿岸部での被災状況は、全容が把握困難な状況が継続していた。まさに医療ニーズは極めて高く、さらに増大化することが予想されていた。
3月16日12時、厚生労働省医政局DMAT事務局よりDMAT派遣要請が入った。具体的任務は1)病院支援 2)救護所での活動 3)避難所での活動 4)搬送業務であった。災害現場での医療ニーズの必要性を坂本(当時)院長へ報告し、医師のみでの派遣を相談したところ即決の英断で、必要なスタッドレスタイヤの交換の手配を自ら速やかに行なってくださった。同日20時に加地、相星、白石、牛澤、市野瀬の医師5名がドクターカーとワンボックスカーへ分乗し、岩手県庁を目指し東北自動車道を北上した。
3月16日12時、厚生労働省医政局DMAT事務局よりDMAT派遣要請が入った。具体的任務は1)病院支援 2)救護所での活動 3)避難所での活動 4)搬送業務であった。災害現場での医療ニーズの必要性を坂本(当時)院長へ報告し、医師のみでの派遣を相談したところ即決の英断で、必要なスタッドレスタイヤの交換の手配を自ら速やかに行なってくださった。同日20時に加地、相星、白石、牛澤、市野瀬の医師5名がドクターカーとワンボックスカーへ分乗し、岩手県庁を目指し東北自動車道を北上した。


3月17日
3月17日5時45分に岩手県庁DMAT本部へ到着し、岩手県立大船戸病院の病院支援、救護所・避難所支援の活動依頼を受けた。
大船渡市は岩手県最大の港を有し典型的なリアス式海岸である。
14時15分に大船戸病院に到着。高台に開設され11年を迎える同病院は、救命救急センターを併設する地域中核病院で災害に対応した設計がなされ、ライフラインに支障をきたさず手術も可能であった。災害医療課長の山野目医師が八面六臂の働きで、院内あげてフル稼働していた。
大船渡市は岩手県最大の港を有し典型的なリアス式海岸である。
14時15分に大船戸病院に到着。高台に開設され11年を迎える同病院は、救命救急センターを併設する地域中核病院で災害に対応した設計がなされ、ライフラインに支障をきたさず手術も可能であった。災害医療課長の山野目医師が八面六臂の働きで、院内あげてフル稼働していた。


同日夜より救急外来支援をシフトで行なった。
3月17日:準夜、夜勤 | |
---|---|
95Y F | 寝たきり 褥瘡 |
70Y F | 腎不全 |
76Y F | 顎下リンパ節炎 |
69Y M | 便秘症 |
69Y F | 不眠症、腱鞘炎 |
68Y M | 急性上気道炎 |
85Y M | 急性腰痛症 |
3月18日
翌日18日は、市野瀬医師、加地は救護所・避難所(5施設、1自宅)の巡回診療を行なった。綾里中学体育館、公民館3ヶ所、自宅、越喜来仮設診療所(花菱縫製)を巡り、下痢や便秘を主とした消化器疾患。感冒や気管支喘息を主とした呼吸器疾患、高血圧、高血糖などの内因性疾患を中心に化膿創や打撲などの外因性疾患約40名を診療した。



相星、白石、牛澤医師は救急外来支援と県立北上中部病院までヘリ搬送の同乗(3件)を行なった。
3月18日:日勤 | |
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78Y F | 頭位変換性目まい |
86Y F | 気管支喘息発作 |
F | 帝王切開予定 ヘリ搬送(同乗) |
68F F | 高血圧性緊急症 |
75F F | 脱水、栄養失調 |
80F F | CO中毒、重症貧血 ヘリ搬送(同乗) |
79F F | 腰椎骨折 |
43Y M | 心筋梗塞 |
75Y M | てんかん発作 |
43Y F | 手首切創、鬱病 |
60Y F | 片頭痛 |
82Y F | 脳梗塞 |
75Y F | ASOC、急性膵炎 ヘリ搬送(同乗) |
75Y M | CO中毒 |
46Y M | 気道熱傷、両上肢熱傷 |
夜間は引き続き夜間救急外来支援を行なった。
3月18日:準夜、夜勤 | |
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70Y M | 狭心症 |
87Y F | 感冒 |
82Y F | 心不全 |
84Y F | 脳梗塞 |
79Y F | 全身打撲 |
51Y M | 十二指腸潰瘍穿孔、腹膜炎 |
3月19日
3月19日正午まで救急外来支援を行い大船渡病院を後にした。
3月19日:日勤~正午 | |
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34Y M | 尿管結石 |
84Y M | 大腿骨骨折(前立腺癌骨転移) |
78Y F | 脱水、全身衰弱 |
75Y F | 肺癌、骨盤転位 |



岩手県庁DMAT本部へ報告後、帰院した。
この時点で医療リソースは不足し、その先も医療システムの機能不全が予想された。今後もオールジャパンでの全医療関係による時間的空間的な資源の有効分配が必要と感じた。
この時点で医療リソースは不足し、その先も医療システムの機能不全が予想された。今後もオールジャパンでの全医療関係による時間的空間的な資源の有効分配が必要と感じた。
文責 加地