末梢血管外科

末梢血管外科

“様々な血管の病気に関して、安全で低侵襲の治療法を工夫し患者さんと一緒に進みます”

末梢血管外科スタッフ

「人は血管とともに老いる」と言われています。最近、心筋梗塞、脳梗塞だけでなく、足の動脈硬化が極めて危険であることがわかってきました。足の動脈硬化は血管年齢でわかりますので、65 歳を過ぎたら血管年齢を調べましょう。喫煙、糖尿病があったら、50 歳でも血管年齢測定を勧めます。大動脈瘤は死に至る沈黙の病気であり、CT などで偶然に発見される病気です。血縁に大動脈瘤のある方、高血圧で喫煙歴の長い方は、50 歳を過ぎたら一度はCT か超音波で腹部大動脈の太さを測定しましょう。血管の病気を治せば、人生がよみがえります。

診療科の概要

動脈硬化症が原因となる足の病気、下肢血行障害が増加しています。腹部や四肢の動脈瘤・下肢静脈瘤は、超音波・CTなどで的確に診断できます。カテーテルを用いた低侵襲治療を含め、様々な血行再建術を通じて歩けるようになると、いろいろなことが再びできるようになり、人生がよみがえります。安全でからだの負担の少ない治療法を工夫しながら、患者さんと一緒に進みます。

診療を行うおもな疾患

大動脈瘤、頸動脈病変、動脈閉塞症、下肢静脈瘤、内シャント不全、内シャント造設術

おもな診断・治療法

バスキュラーラボを1995 年より開設しており、脳と心臓以外のすべての動脈、静脈に対する検査法ができます。特に動脈硬化の診断は、痛みを伴わない検査法だけで可能です。2 ~ 3 種類の無侵襲検査を受けていただくことで、現在の状態を正確に評価でき、さらに今後の治療について検討することが可能です。大動脈瘤は、マルチスライスCT で正確な形状を評価することができ、ステントグラフトの適応を的確に判断するとともに、より適切な種類のステントグラフトを選択した上で血管内治療に繋げています。

高度な先進医療

大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療(バルーン拡張術やステント留置術)を積極的に取り入れ、「からだへの負担が少なく優しい治療」を心がけています。当院は、潰瘍や壊疽のある重症虚血肢に対して集学的な治療を施行できる数少ない病院のひとつです。当科では、下肢の血行再建術として、難易度の高い足首付近へのバイパス術を数多く手がけるとともに、血管内治療でも良好な成績を達成しております。他科との連携により、高気圧酸素治療、LDL アフェレーシス、遊離筋皮弁移植術、皮膚移植術、マゴット治療など、救肢のために必要な治療を網羅しており、他の施設で大切断と言われた方でも救肢できうる環境を整備しています。