難病筋疾患研究プロジェクト

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共同研究体制

■難治性筋疾患の共同研究

遺伝性の神経・筋疾患をはじめ、難治性疾患にはまだ原因遺伝子や治療法が見つかっていないものが沢山あります。その中には、RNAの選択的スプライシングや非コーディングRNA(non-coding RNA)を介した遺伝子発現制御の異常など、コーディング領域以外の遺伝子変異に起因する疾患が多く含まれると考えられています。

本研究プロジェクトは、RNA制御を基盤とする二つの難病筋疾患に焦点を当て、難治疾患研究所の4つの研究グループが技術的相互支援や活発な情報交換によって、効率的に病態解明と治療法・予防法の開発を進めることを目指しています。

1.心筋症の研究

遺伝性心筋症のうち、心筋の受動的張力において主要なはたらきをするサルコメア蛋白質タイチンをコードするTTN遺伝子の心筋特異的選択的スプライシングの制御因子の異常が原因となって発症する拡張型心筋症の解析をすすめています。

2.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の研究

筋ジストロフィーの中で三番目に発症頻度の高い顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の原因遺伝子D4Z4反復配列について、non-coding RNAを介した発現制御機構の解析をすすめています。

メンバー紹介

本プロジェクトには、心筋症を含む横紋筋疾患の遺伝学的研究、RNAのスプライシング制御の研究、ヒストン修飾酵素によるクロマチン構造制御の研究、次世代シーケンスなどによるバイオインフォマティクスの研究といった異なる分野で、それぞれ実績を持つ専門家が参加しています。

木村彰方、林丈晴、成瀬妙子 (分子病態分野)(分野HP)
主な研究テーマ
   1.特発性心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症)の病因変異の探索
   2.特発性心筋症病因変異の機能解析
   3.特発性心筋症の新規原因遺伝子の探索
   4.動物モデルをもちいた心筋症病態研究


黒柳秀人、山崎(加藤)裕美子 (フロンティア研究室遺伝子発現制御学)(分野HP)
主な研究テーマ
   1.蛍光スプライシングレポーターによるTTN遺伝子の心筋特異的選択的スプライシングの可視化
   2.RBM20によるTTNスプライシングレポーターの制御機構の解析
   3.拡張型心筋症患者に見られるアミノ酸置換変異がRBM20の機能に与える影響の解析


田中裕二郎 (遺伝生化学分野)(分野HP)
主な研究テーマ
   1.ヒストンメチル基転移酵素ASH1によるクロマチン構造制御機構
   2.FRETペプチドプローブを用いた細胞内ヒストン修飾酵素活性のライブイメージング
   3.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの原因遺伝子D4Z4反復配列のエピジェネティックな発現制御機構


森岡勝樹 (生命情報学分野)(分野HP)
主な研究テーマ
   1.D4Z4反復配列の再構築を可能にする新規アッセンブリ手法の開発
   2.NGSデータを中心とするオミックスデータの横断的解析手法の開発
   3.共発現転写因子の強相関ネットワークを利用した遺伝子発現プロファイルの学習

2014年1月   難病基盤応用研究プロジェクト研究スタート

難病筋疾患研究プロジェクトのうち心筋症の研究について紹介します

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーのエピジェネティック病態解明