公開情報

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「モデル・コア・カリキュラム」とは、各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共通で取り組むべき「コア」を抽出、「モデル」として体型的に整理したものです。全国29歯科大学・歯学部において、学部教育の学修時間の6割程度を目安に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」を参考とし、残りの4割程度の内容や具体的な授業科目の設定、教育手法、履修順序等は各大学で自主的に編成するものです。「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」は2001年3月に初版が発行され、社会のニーズの変化に合わせ数年おきに改訂されています。2021年4月現在最新のものは平成28年度改訂版です。平成28年度改訂版では日本の歯学教育が世界に発信されることにも重きを置き、英語版も発行されました。

 近年、歯科医学教育の現場においては、歯科学生の臨床技術能力の向上を目的として、各種シミュレーション教育が導入されてきている。また、学生能力評価方法としても、CBTやOSCE等、評価範囲を明確にした評価方法が導入されている。一方、歯科医学教育の本質である、診療参加型臨床実習については、社会的要因、大学病院の診療難易度の変化等から、協力患者数が減少している事実もあり、学生が卒前に診療を自ら行い、診療技術研鑽を行う機会が減ってきている。
 そこで、歯学教育開発学分野では、歯科学生の臨床技術の教育機会・環境を整えるために、学生が診療の最初から最後までを実際に行い、診療の流れそのものをシミュレートし「臨床実践力」を養成する教育システムを開発することを目的に研究を進めている。平成21年度、22年度には科学研究費補助金若手研究Bによる研究支援を頂くことができた。
 本HPでは、機会が揃う教育機関での導入が図られることを願い、開発した教育システム、導入方法を一般に公開することとした。(鶴田 潤、2011.4)