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味岡研究グループ

研究紹介

私たちのグループでは、傷害を受けた脳の再生をめざし、理学(神経発生生物学)および工学(バイオマテリアル工学)研究プロジェクトを行っています。

私たちの脳は、一度損傷すると再生しないと考えられています。例えば、脳卒中で起こる手足の麻痺は時間が経てば回復するという訳ではありません。しかしながら、近年の神経生物学研究の発展により、私たちの脳にも潜在的な再生能力があることが明らかになってきました。例えば、ニューロンは決して増殖しないと考えられてきましたが、私たちの研究によって、ニューロンにも潜在的な増殖能があることがわかってきました(Ajioka et al., Cell 2007; Oshikawa et al, Development 2013; Oshikawa et al, Development 2017)。

それでは、自然治癒力だけでは発揮しない潜在的再生能をどのように発揮させればいいのでしょうか。「理学」という学問は現存する自然現象に対して、その支配原理を明らかにすることで理解を深める学問です。その理学研究によって、なぜ私たちの脳が再生しないのか、また、どの程度再生能を持つのかなどが明らかになってきました。一方、「工学」という学問は現存しないものを新しく創り出す学問で、その創造物が社会にとって有益となることが望まれています。つまり、脳が潜在的に持つ再生能力を発揮させるためには、創造物を用いた工学的なアプローチが重要になってきます。私たちはこれまでに、ニューロンの増殖や遊走の足場となる人工足場材料を作製し、ニューロンを三次元的に増殖培養させる技術や(Ajioka et al., Biomaterials 2011)、損傷を受けた脳にニューロンを配置させる技術(Ajioka et al., Tissue Eng Part A 2015; Jinnou et al., Cell Stem Cell 2018)、損傷を受けた脳に血管を誘引する技術(Oshikawa et al., Adv Healthc Mater 2017)などを開発してきました。

私たちのグループでは「脳が潜在的に持っている再生能力を理学研究によって理解し、工学研究によって発揮させる」というスローガンを掲げ、脳・神経疾患の克服に向けた研究に取り組んでいます。


メンバー

准教授  味岡 逸樹(2009.11-)(詳細研究業績
     E-mail: iajioka.cbir(at)tmd.ac.jp / TEL: 03-5803-4972
特任助教 押川 未央(2011.04-)
技術員  岡田 桂 (2010.02-2014.04, 2014.10-)

主な活動学会(味岡)

● 日本神経化学会(理事(2017-)・評議員(2009-)・国際対応委員会委員(2009-)・ダイバーシティ推進委員会委員(2015-)・ブランディング委員会委員(2017-))
● 日本化学会
● アジア太平洋神経化学会(APSN: Asian-Pacific Society for Neurochemistry)(理事(2012-))
● 国際神経化学会(ISN: International Society for Neurochemistry)(トラベルアワード委員会委員(2014-))

主な研究業績(全研究業績はこちら

【神経発生生物学】

Oshikawa M, Okada K, Tabata H, Nagata KI, and Ajioka I* (*corresponding author)
“Dnmt1-dependent Chk1 pathway suppression is protective against neuron division”
Development 144, 3303-3314, 2017
「プレスリリースへのリンク」

Aldiri I#, Ajioka I#, Xu B, Zhang J, Chen X, Benavente C, Finkelstein D, Johnson D, Akiyama J, Pennacchio LA, and Dyer MA (#co-first author)
“Brg1 coordinates multiple processes during retinogenesis and is a tumor suppressor in retinoblastoma”
Development 142, 4092-4106, 2015.

Oshikawa M, Okada K, Nakajima K, Ajioka I* (*corresponding author)
Cortical excitatory neurons become protected from cell division during neurogenesis in an Rb family-dependent manner
Development 140:2310-2320, 2013.

Ajioka I, Martins R, Bayazitov IT, Donovan S, Johnson D, Frase S, Cicero S, Boyd K, Zakharenko SS, Dyer MA.
Differentiated horizontal interneurons clonally expand to form metastatic retinoblastoma in mice
Cell 131:378-390, 2007.

【バイオマテリアル工学】

Jinnou H, Sawada M, Kawase K, Kaneko N, Herranz-Pérez V, Miyamoto T, Kawaue T, Miyata T, Tabata Y, Akaike T, García-Verdugo JM, Ajioka I, Saitoh S, and Sawamoto K*
Radial glial fibers promote neuronal migration and functional recovery after neonatal brain injury
Cell Stem Cell, 22:128-137, 2018.
「プレスリリースへのリンク」

Oshikawa M, Okada K, Kaneko N, Sawamoto K, and Ajioka I* (* corresponding author)
Affinity-Immobilization of VEGF on laminin porous sponge enhances angiogenesis in the ischemic brain
Adv Healthc Mater: 1700183, 2017.
「プレスリリースへのリンク」

Ajioka I*#, Jinnou H#, Okada K, Sawada M, Saitoh S, Sawamoto K*
(*co-corresponding author; #equal contributor)
Enhancement of neuroblast migration into the injured cerebral cortex using laminin-containing porous sponge
Tissue Eng Part A 21:193-201, 2015.

Ajioka I*, Ichinose S, Nakajima K, Mizusawa H. (*corresponding author)
Basement membrane-like matrix sponge for the three-dimensional proliferation culture of differentiated retinal horizontal interneurons.
Biomaterials 32:5765-5772, 2011.

【総説】

Ajioka I* (*corresponding author) (review)
“Biomaterial-engineering and neurobiological approaches for regenerating the injured cerebral cortex"
Regenerative Therapy 3, 63-67, 2016.

Ajioka I* (*corresponding author) (review)
Coordination of proliferation and neuronal differentiation by the retinoblastoma protein family
Dev Growth Differ 56:324-334, 2014.

トピックス

----2018年度----

2018.10.13【招待講演】
味岡が東京大学・化学生命工学専攻の第11回ChemBioハイブリッドレクチャーで講演しました(東京)。

2018.9.15【サイエンス・カフェ】
味岡がCo-Lab.のサイエンス・カフェで講演しました(東京)。

2018.9.8【シンポジウム発表】
味岡が第61回日本神経化学会大会・第40回日本生物学的精神医学会・合同年会でシンポジウム発表しました(神戸)。

2018.8.27【シンポジウム発表】
味岡が15th Meeting of the Asian-Pacific Society for Neurochemistryのシンポジウム「Neuro-chip and Neuro-material for Neurochemistry」をオーガナイズし、発表しました(マカオ・中国)。

2018.7.26【口頭発表】
味岡が第41回日本神経科学大会で口頭発表しました(神戸)。

2018.7.22【総説】
味岡の総説が「バイオマテリアルー生体材料ー」(36巻3号)に掲載されました。
「損傷大脳皮質の再生治療を目指したバイオマテリアル」

2018.7.4【研究助成・新聞報道】
味岡の申請研究課題がサムコ科学技術振興財団・第2回薄膜技術に関する研究助成に採択され、京都新聞にて紹介されました。

----2017年度----

2018.3.21【シンポジウム発表】
味岡が第17回日本再生医療学会総会でシンポジウム発表しました(横浜)。

2018.3.20【さきがけイベント】
味岡がさきがけ「分子技術と新機能創出」の3期生修了式に出席し、加藤隆史研究総括から修了証をいただきました(船橋)。

2017.12.22【論文】
味岡が共同研究者として参画した名古屋市立大・澤本和延先生の原著論文がCell Stem Cell誌オンライン版に掲載されました。本論文において、私たちはN-カドヘリンを結合させたスポンジ形状の人工足場を創製しました。
Radial Glial Fibers Promote Neuronal Migration and Functional Recovery after Neonatal Brain Injury

2017.10.18【シンポジウム発表】
味岡が第7回CSJ化学フェスタのシンポジウム「分子技術が創り出す新しい世界と材料 ~さきがけ若手研究者たちの挑戦~」で発表をしました(東京)。

2017.9.19【論文・プレスリリース】
押川・岡田・味岡の原著論文がDevelopment誌に掲載され、プレスリリースされました。
Dnmt1-dependent Chk1 pathway suppression is protective against neuron division

2017.9.7【セミナー】
味岡が第10回神経化学の若手研究者育成セミナーで講演しました(仙台)。

2017.9.2【招待講演】
味岡がISN-APSN-JSN Advanced School で講演しました(仙台)。

2017.8.20, 22【国際学会誘致プレゼン】
味岡がISN-ESN Biennial Meetingの理事会 (8/20) と総会 (8/22) において、2021年ISN大会の誘致プレゼンを行い、日本神経化学会による京都誘致の成功に貢献しました(フランス・パリ)。

2017.8.1【論文】
押川・岡田・味岡の原著論文がDevelopment誌に受理されました。

2017.7.2【領域会議】
味岡がさきがけ「分子技術と新機能創出」研究領域の第10回領域会議で発表をしました(富岡)。

2017.6.15【論文】
押川・岡田・味岡の原著論文がAdvanced Healthcare Materials誌の背表紙に採用され、Advanced Science Newsにて論文を取り上げていただきました。

2017.5.20【研究会】
味岡が「さきがけ研究者交流会」にて研究発表をしました(東京)。

2017.5.10【論文・プレスリリース】
押川・岡田・味岡の原著論文がAdvanced Healthcare Materials誌(オンライン版)に掲載され、プレスリリースされました。
Affinity-Immobilization of VEGF on Laminin Porous Sponge Enhances Angiogenesis in the Ischemic Brain

2017.4.7【論文】
押川・岡田・味岡の原著論文がAdvanced Healthcare Materials誌に受理されました。