「 寝たきりを20%減らすAI心房細動検診 」
公開日:2024.6.27
― 東京都:大学研究者による事業提案制度による、隠れ心房細動早期発見事業 ―
東京医科歯科大学(田中雄二郎学長)は、2024年度より、東京都の大学研究者による事業提案制度として、東京都民を対象とした不整脈早期発見の検診事業 「寝たきりを20%減らすAI心房細動検診、英語名Stroke Prevention by early detection of AF in Tokyo、略称SPAF Tokyo」 を開始いたします。
このプロジェクトは、不整脈の一種である心房細動を発見するものです。心房細動は加齢と共にその発症率が上昇し、日本における患者数は約100万人と報告されています。心房細動の合併症として、最も重篤なタイプの脳梗塞である心原性脳塞栓が知られています。脳血管疾患は日本における寝たきりの主要な原因であり、日本における寝たきり患者さんの約20%は心原性脳塞栓が原因と推定されております。重篤な脳梗塞を予防するためには、心房細動を早期に発見し、脳梗塞予防の治療を行うことが重要です。
心房細動は、発作時の心電図によって診断可能であり、診断されれば抗凝固薬による脳梗塞予防の治療ができるほか、カテーテルアブレーションなどによる心房細動そのものの治療も可能です。しかし、心房細動は、発症初期には発作性であり、心電図検査の際に発作が出ていなければ診断されません。また、心房細動発作時に動悸などを自覚して病院を受診する方もいますが、約40%では自覚症状がないため、気づかないうちに心房細動を発症していることがあります。このような状態を、“隠れ心房細動”と呼びます。隠れ心房細動の患者数は少なくとも100万人と推定されています。隠れ心房細動では、治療を受ける機会がないまま、ある日突然重症の脳梗塞を発症し寝たきりになってしまうおそれがあるため、その早期発見が望まれます。
東京医科歯科大学では、通常の健康診断で行う心電図や血液検査から、隠れ心房細動を発見する手法を研究してきました。その成果をもとに「AI心房細動検診」事業を行います。検診受診を希望する方には、東京医科歯科大学病院で通常の心電図検査と血液検査を受けて頂き、心電図のAI解析、遺伝子解析・バイオマーカー検査、および問診によって、隠れ心房細動のリスクを予測します。続いて小型長時間心電計を用いて1週間の心電図モニターを行い、隠れ心房細動を発見します(下図)。心房細動が発見されれば、治療の必要性を評価して脳梗塞予防の治療や心房細動の治療を行います。

本事業は、東京医科歯科大学と文京区医師会等との共同研究として開始する予定です。また、2024年秋以降に、市立青梅総合医療センターとの共同研究として、青梅市でもAI心房細動検診を開始する予定です。2025年度以降は、東京都内の他の地域でも展開を検討しています。
問い合わせ先
<研究に関すること>
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 循環制御内科学教授 笹野哲郎
E-mail:sasano.cvm[@]tmd.ac.jp
<研究参加に関すること>
SPAF Tokyo問いあわせ窓口
Email: spaf[@]tmd.ac.jp
<報道に関すること>
東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
E-mail:kouhou.adm[@]tmd.ac.jp
※E-mailは上記アドレス[@]の部分を@に変えてください。
プレスセミナーを開催します
ご視聴を希望される報道関係者の方は、広報部(kouhou.adm@tmd.ac.jp)にご連絡ください。
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●会見日時 2024年7月1日 月曜日17:00~18:00(受付開始 16:45)
●開催方法 オンライン【お申し込み後にZOOMのURLをお送りします】
●次 第
16:45 受付開始
17:00 東京医科歯科大学病院 藤井 靖久病院長よりご挨拶
17:05 説明①「本院における不整脈治療のご紹介」 不整脈センター 宮崎 晋介 センター長
17:20 説明②「寝たきりを20%減らすAI心房細動検診と不整脈の先制医療」 循環器内科 笹野 哲郎 診療科長
17:40 質疑応答
18:00 終了予定
関連リンク
SPAF-Tokyo パンフレット
https://spaftokyo.net/sharefile/spaftokyo/SPAFT_%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95_final_A4.pdf
SPAF-Tokyoは予約制となっております。以下の予約サイトからご予約ください。
SPAF-Tokyo 予約サイト
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