「 多彩な役割をこなすトリアゼニル基を導入したアライン前駆体の開発 」【細谷孝充 教授】
― 医薬品開発などに有用な多置換ベンゼンの簡便合成法を確立 ―
ポイント
- トリアゼニル基※1を有するアライン※2前駆体を出発原料とした多置換ベンゼン類の簡便合成法を開発しました。
- トリアゼニル基が、それ自体の他の官能基への変換や、隣接位への置換基導入に利用できるだけでなく、アライン部位における反応相手との位置選択的な反応を制御することを明らかにしました。
- 本手法は、医薬品や機能性材料の開発に重要な、多様性に富んだ多置換ベンゼン類の合成を可能とします。
【図1】トリアゼニル基を有するアライン前駆体を用いた多彩な多置換ベンゼン類の合成法
研究の背景
研究成果の概要
研究成果の意義
用語解説
※1トリアゼニル基:窒素原子が3つ連なった、–N=N–NRR’で表される置換基。トリアゼニル基を持つ芳香族化合物である芳香族トリアゼンは、対応するアニリンから簡単に合成することができ、安定に取り扱い可能である。一方、芳香族トリアゼンは、酸との反応や光照射により高反応性のジアゾニウム塩を生じ、様々な化合物へ変換することができる。
※2アライン:ベンゼン環の一部が三重結合になった高反応性の化学種。「ベンザイン」とも呼ばれ、幅広いベンゼン類の合成に役立つ中間体として利用されている。
論文情報
掲載誌:Organic Letters
論文タイトル: Synthesis of Multisubstituted Aromatics via 3-Triazenylarynes
DOI:https://doi.org/10.1021/acs.orglett.3c02615
研究者プロフィール
細谷 孝充(ホソヤ タカミツ) Hosoya Takamitsu
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
生命有機化学分野 教授
・研究領域
有機合成化学、ケミカルバイオロジー
問い合わせ先
<研究に関すること>
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
生命有機化学分野 細谷 孝充(ホソヤ タカミツ)
E-mail: thosoya.cb[@]tmd.ac.jp
<報道に関すること>
東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
E-mail:kouhou.adm[@]tmd.ac.jp
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