「青波長走査型レーザー広角眼底写真は糖尿病網膜症の網膜虚血を示す」【大野京子 教授】
「青波長走査型レーザー広角眼底写真は糖尿病網膜症の網膜虚血を示す」
―糖尿病網膜症の網膜虚血を非侵襲的かつ簡易に検出することができる―

大野 京子(おおの きょうこ) 大学院医歯学総合研究科 眼科学分野 教授(左上)
堀江 真太郎(ほりえ しんたろう) 大学院医歯学総合研究科 眼科学分野 ジョイントリサーチ講座講師(右上)
小澤 素生(おざわ もとき) 株式会社ニデック 代表取締役社長(中央下)
尾崎 賢弥(おざき けんや) 株式会社ニデック アイケア事業部 国内営業本部 営業推進一部 部長(左下)
本多 直人(ほんだ なおと) 株式会社ニデック アイケア事業部 製品戦略室 プロダクトマネージャー(右下)
ポイント
- 糖尿病網膜症※1の管理においては、網膜の血管閉塞による網膜無血管野を発見し、光凝固などを行って網膜新生血管などの重篤な合併症を抑制することが重要です。
- 従来、無血管野の描出には、造影剤の注射を伴う蛍光眼底造影検査が必須でした。
- 本研究は、青波長の走査型レーザー検眼鏡※2による広角眼底写真が造影剤を使用することなく、広範囲の眼底の網膜無血管野を高率に検出できることを示したものです。
- 本方法は非侵襲的かつ簡易であるため、糖尿病網膜症患者の診断精度の向上と重症化の未発見による失明を防ぐことに広く寄与するものと考えられます。
研究の背景
研究成果の概要
底画像を通常の蛍光眼底造影検査の所見とともに比較検討することを行いました。その結果、蛍光眼底造影検査で
検出された網膜無血管野の約8割以上は青波長のレーザー走査型広角眼底画像でも確認できることが示されました。


研究成果の意義
用語解説
※2走査型レーザー検眼鏡・・・・・・・・単一または複数のレーザー光による眼底撮影方法。近年、小瞳孔や眼底の広範囲を一度に撮影できる広角眼底撮影が可能な様々な機種が開発され、それぞれ臨床現場で活用されている。ニデック社のミランテは網膜赤道部までカバーする163度の広角眼底撮影と赤緑青の3波長による3色合成カラー画像が得られることが特徴である。
論文情報
掲載誌:Asia Pacific Journal of Ophthalmology
論文タイトル:Blue widefield images of scanning laser ophthalmoscope can detect retinal ischemic areas in eyes with diabetic retinopathy
DOI:https://doi.org/10.1097/APO.0000000000000432
研究者プロフィール

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
眼科学分野 教授
・研究領域
近視
網膜疾患

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
眼科学分野 先端視覚画像医学講座 ジョイントリサーチ講座講師
・研究領域
糖尿病網膜症
網膜硝子体手術
問い合わせ先
<研究に関すること>
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
眼科学分野 先端視覚画像医学講座 氏名 堀江 真太郎 (ホリエ シンタロウ)
TEL:03-5803-5302 FAX:03-3818-7188
E-mail:shinoph@tmd.ac.jp
<報道に関すること>
東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
TEL:03-5803-5833 FAX:03-5803-0272
E-mail:kouhou.adm@tmd.ac.jp
<装置に関すること>
株式会社ニデック 営業推進一部 尾崎賢弥
〒443-0038 愛知県蒲郡市拾石町前浜34-14
TEL:0533-67-8840 FAX:0533-68-1320
E-mail:kenya_ozaki@nidek.co.jp