ピアサポート通信第25号 - 看護師・保健師国家試験対策について(看護学専攻)

ピアサポート通信第25号 - 看護師・保健師国家試験対策について(看護学専攻)

配信日:2025年6月9日
 

こんにちは、看護学専攻4年生のピアサポーターです。  

今回は2025年2月に開催された、第114回看護師国家試験・第111回保健師国家試験を受験した看護学専攻4年生2名の経験を踏まえて、看護師・保健師国家試験対策についてご紹介したいと思います。それぞれの勉強タイプの違いから、「計画的にコツコツ派」「短期間での詰め込み派」に分けて解説しています。自分のタイプに合った方法を参考にしてみてください。  

目次

・メインで使用した教材  

・国家試験までのタイムラインと勉強内容  

・模試の受験について  

・最後に 

メインで使用した教材 

【計画的にコツコツ派】  
私が使用したのは、主に下記の3つです。  

・2024年版 医学書院看護師国家試験問題集←3年生の夏に購入  

・2025年版 医学書院保健師国家試験問題集←4年生の夏に購入  

・看護roo!国試アプリ  

7年分の過去問+予想問題が収録されていること、全ての問題に解説がついており、教科書でお馴染みの医学書院の解説に信頼があったことから問題集は上記2冊を購入しました。看護師国家試験問題集はページが切り離しできたためバインダーに挟んで、保健師はスマホの電子版を活用して外出時にも勉強できた点が良かったです。価格は高価だったので、その他に参考書は購入せず授業で使っていた教科書や、隙間時間には看護roo !のアプリを活用していました。  

参考書については色々な出版社のものがあるので、書店などで実際に見比べて、自分の勉強スタイルに合うものを購入すると良いと思います。  

  

【短期間での詰め込み派】  

私が使用したのは、主に以下の教材です。  

・レビューブック2025<メディックメディア>※以下RB  

 →看護師・保健師で1冊ずつ(必要知識がまとまっている参考書です)  

・クエスチョン・バンク2025<メディックメディア>※以下QB  

 →看護師・保健師で1冊ずつ(過去問題集です)  

・クエスチョン・バンクSelect必修2025<メディックメディア>※以下QBS  

 →看護師のみ(必修問題のみを集めた過去問題集です)  

・クエスチョン・バンクアプリ<メディックメディア>→看護師のみ  

上記の参考書に関しては、大学生協の共同購入の案内を受け、4月に購入しました。学年全体でもこれらの書籍を使用している学生が多かった印象です。RBとQBは内容がリンクしているので、一緒に使用して勉強すると効率が良いです。分野ごとの知識を深めることに優れていて、私の場合、分野ごとに、RBをさらっと読む→QBで問題を解く→もう一度RBで知識を確認するというように活用していました。RBもQBも分厚いので(特に看護師版)、分野ごとにページを切り離して使用している学生もいました。切り離すことで、自分の苦手な部分だけを別で保管しておくなどの工夫もできます。アプリについてもQBとリンクしているので、書籍を持ち歩きたくないときやスキマ時間に活用していました。QBの方では分野ごとの勉強に重点を置いていたので、アプリでは少しやり方を変え、年度別に(分野横断的に)問題を解いていました。教材ごとに問題演習の方法を変えることで、勉強が不足している部分がよりクリアになり、良い刺激になります。  

国家試験までのタイムラインと勉強内容

【計画的にコツコツ派】  

大学のスケジュールと行った対策の概要についてタイムラインを作成しました。このタイムラインを日々の勉強計画を組む目安にしていました。  

※大学のスケジュールに関しては、私が在籍した当時のものです。  

私が国家試験を意識して勉強を始めたのは3年生の夏休みからです。4年生の時には保健師課程を選択し、就活、実習、卒論、そして国試と立て続けにイベントがありました。そのため、計画的に上手く時間配分を考えて取り組むことが重要だったと思います。  続いて、各時期の勉強内容について詳しく説明します。  

3年生  

9月(実習前):  

実習に入る前の夏休みに看護師国家試験の過去問題集を購入し、最新の1年分に取り組みました。この時点では、問題・回答の形式や試験時間の感覚を大まかに把握することが目的なので、解けなくても大丈夫です。その後の復習では、問題集の解説を読みながら、正答の根拠をノートにまとめました。しかし、この時期は知識が十分でないことに加え、実習前でケアのイメージができていないため、特に状況設定問題は難しく時間もかかってしまいました。そのため、まずは過去の授業で使ったレジュメや教科書を用いて、必修問題と一般問題を中心に復習することをおすすめします。私はルーズリーフに、問題の解説を自分なりにさらにわかりやすくまとめたり、周辺知識を書き加えたりしていました。  

10~1月(臨地実習中):  

実習期間中は事前事後学習で手一杯になり、国試の勉強をすることは難しく、通勤中などに看護roo!アプリを解くくらいでした。実習の領域が変わる前後の休み期間に、問題集に付属していた国試のポイントをまとめた小冊子を使って、必修問題と次の実習の領域の部分を確認すると、効率的に予習できたのでおすすめです。  

4年生  

3~5月(春休み~前期):  

私は就活をしていたので、インターンや応募書類の提出などが落ち着いた段階で、本格的に問題集に取り組み始めました。必修問題を1ヶ月、一般/状況設定問題は2ヶ月ほどかけてすべての問題を解きました。問題を解く→解説を読む→理解が曖昧な部分の周辺知識を教科書で調べる→自分なりに付箋にまとめる、という流れで行い、間違えた問題、正解したが理解が不十分であった問題には付箋でマークをつけました。  

6~8月(試験前~実習):  

6月は試験の勉強や日々の課題に追われて国試の勉強はほとんど進められず、試験を終えた後に2周目に取り掛かりました。2周目は1周目で付箋がついた問題を、1周目と同様に解き直しました。そして2週目でも再度間違えた問題は印をつけていました。一般/状況設定問題は時間を要しましたが、間違っている選択肢の根拠まで理解できるように丁寧に調べることで、質問の角度を変えた問題にも対応可能になり、結果的に効率が良いと思います。  

そして、この頃から保健師の問題集の電子版を隙間時間で解き始めました。保健師の問題は前期に授業を受けて知識が比較的新しく取り組みやすかったので、付箋にまとめる作業はしていませんでしたが、理解が曖昧な問題はマークしていました。  

9~11月:  

9月からは看護師問題集の3周目に取り掛かりました。これまで自分がまとめた付箋の解説を確認しながら、2周目で印をつけた問題を解き直しました。保健師の実習は10月の1ヶ月間でその間はほとんど国試の勉強はできなかったので、3周目をその前に終えられたのはよかったです。ただ、11月は卒論の調査や執筆、保健師実習の事後学習が重なり思うように国試勉強ができませんでした。進捗には個人差がありますが、卒論も夏休みの時期に進めておく意識があると良いと思います。  

12月~本番:  

12月中旬にある卒論発表会を終えた頃からいよいよ国試の勉強に集中します。看護師は後ほど説明する予備校の模試や、看護roo!アプリで毎週開催される模試で間違えた問題を復習し再度類似の分野の問題を問題集で確認するという流れで取り組みました。国試が近づき状況設定問題に取り組むと、きちんと理解できているのかと不安になることもありました。そのような時は一度基礎的な解剖生理学や病理学の勉強を復習してみると、ケアとのつながりが再確認できました。  

保健師の問題集は、まず看護師国家試験の出題と重なる社会保障や人口動態などの行政分野から取り組み、概論→各論→疫学→統計の順番で進めました。こちらも重要な部分を付箋にまとめることをしていましたが、事前に電子版に取り組んでいたので、看護師ほど時間はかからずに済みました。そして看護師同様、1周目でマークのついた問題を2週目に取り組みました。私は保健師の勉強は、2~3時間/日やると決めて看護師と並行して行っていました。  

計画的にコツコツ派の受験前スケジュール

【短期間での詰め込み派】    

私が国家試験を意識し始めたのは4年生の4月からでしたが、本格的に勉強を始めたのは実習や卒論が終了した12月からです。勉強期間が短い分、効率の良い勉強ができるよう心がけていました。  各時期の勉強内容の詳細は以下の通りです。  

4~11月(本格的な勉強開始前):  

卒論や実習が忙しく、問題演習を本格的に始めようとはなかなか思えませんでした。その中でも、国試勉強を始めていないという不安要素は作りたくなかったため、各模試を1つの目標地点として設定し、広く浅くを意識しながら、試験に必要な一通りの知識を習得できるようRBを読み込んでいました。また、通学中などのスキマ時間ではアプリを活用し、年度別の問題にチャレンジしていました。  

12月~2月(本格的な勉強開始後):  

卒論や実習が終了してから、本格的に問題演習に取り組みました。まずはQBSを解いて基礎知識を固めてからQBを解き、これらの問題集は計3周しました。1周目はとにかく解き進めることを意識し、2周目で丁寧に解き、3周目で苦手に重点を置いた復習をしました。  

(※RBとQBをリンクさせた活用方法は、前項目「メインで使用した教材」をご覧ください)  

QBでは、問題の右下にチェックボックスがついているので、解けた問題にチェック、解けなかった問題に×、解けたが迷った問題に△を付けていました。こうすることで、2周目以降の復習がしやすくなります。  
 模試の復習では、解説をよく読み、RBに追加で情報を書き込んだり、模試の解説本の理解しやすい図表を切り取ってRBに貼ったりしていました。  

RBもQBも内容量が膨大ですが、ポイントは「何度も見ること」だと思っています。1つのことに時間をかけるのではなく、短い時間での確認を何度も繰り返すことが、効率の良い定着のカギだと思います。  

また、初見では理解しづらい解剖生理などは、ネットで解説動画を検索して理解の助けとして活用していました。さらに、SNSでは、全国の看護学生が勉強の進捗や「〇〇まとめ」などの知識のまとめを投稿してくれているので、それらも活用してモチベーションと効率アップを図っていました。  

短期間で詰め込み派の受験前スケジュール

模試の受験について

予備校等が開催する模擬試験を大学を通して申し込み、受験できます。大学で受験する方法と、自宅で受験し後日答案用紙を提出する方法を選択できます。今年度、本学では、看護師模試が3回(8, 11, 1月)、保健師模試が2回(11月, 1月)開催されました。受験回数は任意です。私達の学年は2~3回の受験が多く、受験方法は、忙しい時期(実習中や卒論執筆中など)は自分の都合に合わせて受験できる自宅、本番が近づく時期は本番の臨場感を体験できる大学を選択する学生が多かったです。  

模試を受けるメリットとしては、  

・本番の時間配分や雰囲気を知ることができる  

・近年の傾向や最新の統計を踏まえた新出問題を解くことができる  

・自分の苦手な分野やミスの特徴を把握できる  

・全国の受験生の中での自分のレベルを知ることができる  

などがあったので、費用を考慮しながら上手く活用できると良いと思います。模試の得点は必修問題を8割安定して正答できるようにすること、一般問題は正答率が70%を超える問題を落とさないことを主に重視していました。特に必修問題については、初回の模試からこの点を意識できると良いです。復習もこの2点を優先して行うと得点につながると思います。  

最後に

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。  

内容に関しては個人の見解ですので、100%正しいものではないことにご留意いただきつつ、皆さんそれぞれの勉強の参考にしていただければ幸いです。4年生は忙しく大変ですが、スケジュール管理を上手く行い自身に合った勉強のペースを見つけていけると、大きな不安なく国試を迎えることができると思います。皆さんが無事に合格されるよう、応援しています!