ピアサポート通信第14号 - 低気圧に負けない生活習慣

配信日：2022年10月18日
こんにちは。学生支援室ピアサポーターです。
秋といえば台風ですが、皆さんは低気圧によって体調が左右されていませんか？

2020年の全国1.6万人を対象とした統計調査では、日本人の約6割が天気痛を抱えていることが分かりました。その割合は男性よりも女性に多く、頭痛・関節痛・めまい・だるさ・喘息などの症状が起こりやすいようです。また、気圧の変化は三半規管と蝸牛からなる内耳で感知されるため、内耳が敏感な人が気象病を引き起こしやすいと一般的に言われています。では、そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか？

原因は大きく3つに分類することができます。

l 自律神経の乱れ

内耳で感知された後、前庭神経を介して脳に刺激が伝えられます。次に、脳から視床下部へ刺激が伝えられ、自律神経のバランスが崩れます。交感神経が優位になると頭痛や関節痛, 副交感神経が優位になると倦怠感や気分の落ち込みを感じます。また、自律神経の乱れにより体内の水分量が増加すると、むくみやだるさに繋がります。

l 低気圧そのもの

体に及ぼす圧力が低下することで、血管が拡張しやすくなります。すると、その血管によって神経が圧迫され、痛みを引き起こします。また、血管が拡張すると血圧が下がるため、血液の循環が悪くなります。体に水分が蓄積されるため、最終的にむくみやだるさに繋がることがあります。また、むくみが気道に生じると、喘息発作が起こります。

l 酸素分圧の低下

低気圧帯では上昇気流が発生しているので、酸素分圧が小さくなります。よって、体や脳が酸素を十分に得られないと、頭痛が起きたり、眠気が強くなったりします。つまり、天気が良くない日に、何だか眠いな～と感じることが多いのは酸素分圧の低下によるものなのです。

このように、症状が引き起こされるプロセスはいくつか存在します。では、どのような対処法があるのでしょうか？

l 朝日を浴びる

→朝日を浴びることで、眠気を引き起こすメラトニンというホルモンの分泌量が減り、代わりにセロトニンが多く分泌されます。体内時計がリセットされ、自律神経が整います。目覚ましが鳴ったらカーテンを開けることや、ごみ捨てに行くこと、布団を干すことなど、朝の生活を少し工夫してみると良いかもしれません。

l 毎日の入浴

→自律神経を整えるために、お風呂はシャワーで済ませず、お湯に15分程度つかることをオススメします。ただし、熱いお湯は、交感神経を刺激し、痛みが出ることがあるので、夏場は40℃以下、冬場は41℃以下を目安にします。また、既に頭痛の症状がある場合は、お湯につかることで血管が広がり、痛みが悪化する可能性があるので、シャワー浴にしましょう。

l 耳の加温とマッサージ

　→内耳の血流を良くすることで自律神経が整いやすくなります。試してみたい方は、是非インターネットで検索してみてください。

l 「頭痛―る」というアプリ

　　　　　　→自分が住んでいる地域の気圧の変化を予測してくれるアプリです。低気圧に備えた生活リズムや服薬など、予防をする上で活用することができます。

l 酔い止めの薬

→抗ヒスタミン剤が含まれる酔い止めの薬は、内耳の前庭神経に作用するため、低気圧による頭痛の症状を予防することができる場合があると言われています。予防としての服薬の効果なので、前兆を感じたら飲むようにしてください。既に症状が出ている場合は、一般的な鎮痛剤を選択するようにしましょう。天気痛に悩みを抱えている場合は、一度試してみてはいかがでしょうか。

充実した大学生活を送るためにも、参考にしていただけましたら幸いです。

また、自分で予防に努めていても症状が改善されない場合や、天気痛に限らず精神的・身体的な悩みを抱えている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

l 参考文献

Ø 全国1.6万人と実施した「天気痛調査」の結果を公開。天気痛は平均週2日発症、5人に1人が生活への支障あり | ロート製薬株式会社 (rohto.co.jp)

Ø 気象病と気圧の関係について | せたがや内科・神経内科クリニックBlog (setagayanaika.com)

Ø 季節の変わり目に起こる天気痛に要注意！天気と自律神経の関係について分かりやすく説明します (akiboshi.jp)

Ø 低気圧不調が起きる仕組み｜テイラック -低気圧や天気で、頭痛などの不調を感じる方に｜小林製薬 (kobayashi.co.jp)

Ø 低気圧と血管拡張 | 杏林堂鍼灸整骨院 (kyorin-do.jp)

Ø 低気圧になると「眠い」「頭が痛い」という方必見！原因と対策を解説 | 身嗜み | オリーブオイルをひとまわし (olive-hitomawashi.com)