血液浄化業務

血液浄化業務

血液浄化療法部の特徴

<血液浄化療法>
 血液浄化療法は、バスキュラーアクセスを経由して血液を体外へ導出し、拡散現象、濾過、吸着特性などの原理を利用して血中から有害物質を除去する治療法です。最も多い治療疾患は、慢性腎臓病や急性腎障害を対象とした透析療法です。当院では血液透析(HD)、オンライン血液濾過透析(O-HDF)、間歇補充型血液濾過透析(I-HDF)、腹膜透析(PD)+O-OHDF併用療法を、患者様の病態に合わせて施行しています。
<アフェレシス療法>
 アフェレシス療の中でも最も基本となる治療が血漿交換療法(PE)です。PEは、透析療法と同様に体外循環によって血液を体外へ導出し、膜型血漿分離器または遠心分離器を用いて血球と血漿成分に分離し、血漿成分中に含まれる病因物質(自己抗体、サイトカイン、中毒物質など)を除去し、破棄された血漿と同等濃度のアルブミン溶液または新鮮凍結血漿で置換する治療法です。また、分離した血漿を吸着器へ通すことで病因物質を選択的に除去する血漿吸着療法(DSAL、IAPPなど)や、血液を吸着器へ直接潅流させる顆粒球除去療法(GMA)やレオカーナ、癌などによって、たまった腹水(または胸水)を濾過濃縮して有用なタンパク成分を回収する腹水濾過濃縮再静注法(CART)など、多様なモダリティがあります。国立大学病院の中では、自己免疫性疾患に対するアフェレシス療法(mTPE、cTPE、SePE)や下肢動脈疾患(LEAD)に対するレオカーナの施行件数が多いことが特徴です。

臨床工学技士の役割

 当院の透析室は14床あり、臨床工学技士はプライミング、穿刺、透析条件の設定(医師と協議下)、返血など一連して業務を行っています。また、治療の基礎となる透析装置の点検や透析液清浄化に努めています。さらに、大学病院として「臨床・教育・研究」に力を入れており、臨床業務はもちろん、論文の執筆、勉強会や学会発表など積極的に活動しています。
 スタッフは1日あたり透析室担当医師1名、看護師4~5名、臨床工学技士4~5名で運用しており、多職種間で連携しながら安全かつ高い質の治療を目指しています。