記者懇談会(平成29年度第5回)「再生医学から創生医学」 を開催しました

記者懇談会(平成29年度第5回)「再生医学から創生医学」 を開催しました

 医科歯科大の活動を新聞・テレビ・雑誌などのメディアに関わる方々に身近に知っていただく機会として、記者懇談会を広報部主催で定期的に開催しています。

 今年度第5回目となる本会を3月27日(火)に、湯島キャンパスM&Dタワー26Fファカルティラウンジにて行い、多数のメディア関係者と、多くの本学関係者が参加しました。

 前半は吉澤学長の挨拶の後、前回の第4回に引き続き、新たな研究戦略について 「再生医学から創生医学」 というテーマのもと、本学 生体材料工学研究所 生体機能修復研究部門 物質医工学分野の岸田晶夫教授が「創生医学における脱細胞化生体組織の現状と将来展望」について講演を行いました。

 講演では、脱細胞化組織とは動物の組織から免疫源となる細胞を除去した組織であり、元の生体組織に近い特性を有し、人工材料の代替として血管、心臓弁、皮膚、骨などの移植に活用され、再生医療の重要な足場材料として注目されていることについて説明がありました。
 引き続き、脱細胞化組織の作り方、日本と世界における脱細胞化組織を取り巻く現状について説明があり、欧米諸国や中国やブラジルといった国々では、すでに脱細胞化組織は製品として市販・実用化されているとの話がありました。日本における承認にあたってのハードルについて問題提起もありました。
 また、脱細胞化血管移植について、布等で組成された人工血管と異なり、有利な点があることも紹介され、将来展望も述べられました。
 
 後半の情報交換会ではメディア関係者からの活発な質問や岸田教授を囲んでの直接のやり取りや名刺交換があったりと、本学関係者と交流を深めることができました。 
 再生医療は今後の一層発展が期待される領域であり、臓器再生という世界でも注目を浴びている重要な研究活動に関わる今回の講演内容は、実際に実用化されている脱細胞化細胞を臨床に応用した例を紹介したことで、ますます当該研究が本学で活発になることへ期待が高まるものでした。

 予定時刻を過ぎるほどの質疑応答や囲み取材があったことから、本学の取り組みに社会の関心が高まっていることを実感できました。

 今後も東京医科歯科大学の活動を幅広く社会にPRし、健康長寿社会実現のための世界的拠点形成と医学・歯学のグローバル人材を育成することで、我が国のみならず世界の人々の健康と社会の福祉に貢献することを目指して参りたいと思います。

開会の挨拶をする田賀副学長

講演前の挨拶をする吉澤学長

講演をする岸田教授

会場内の様子

会場からの質問の様子

質問に回答する岸田教授

情報交換会冒頭の出席者紹介

情報交換会 開始の挨拶をする木村特命副学長

情報交換会でメディア関係者から
囲み取材を受ける岸田教授

メディア関係者に応対する吉澤学長