東京医科歯科大学医学部附属病院 がん患者の血液サンプルのみによる73のがん網羅的遺伝子検査を国内で初めて実施。痛みのない迅速ながん医療に一助

東京医科歯科大学医学部附属病院 がん患者の血液サンプルのみによる73のがん網羅的遺伝子検査を国内で初めて実施。痛みのない迅速ながん医療に一助

左から吉田 雅幸(統合研究機構 生命倫理研究センター・センター長 教授)、池田 貞勝(医学部附属病院 腫瘍センター・副センター長 特任講師)、大川 淳(医学部附属病院長 教授)、三宅 智(医学部附属病院 腫瘍センター・センター長 教授)、湯浅 保仁(リサーチ・ユニバーシティ推進機構 リサーチ・アドミニストレーター室 URA室長 シニアURA)

 東京医科歯科大学医学部附属病院では、米国企業 Guardant Health(ガーダント・ヘルス)社と業務委託契約を締結し、Guardant Health社が開発した、がん患者さんの血液サンプルによる73のがん網羅的遺伝子検査「Guardant360」を含んだ医師主導臨床試験「PROFILE試験」を開始し、2017年8月28日、プロトコールに基づいて実施をした国内第1号となる検査を行いました。
 従来のがんゲノム検査では、患者さんのがん細胞を生検などで採取して検査を行う方法が主流ですが、この検査では患者さんから血液サンプルのみを取り、血液中の「遊離DNA」、つまり血流内に排出された、死んだがん細胞由来のDNAを解析することで、がんゲノム変異を調べることができ、新たな治療法の発見などに期待が持たれています。血液からの検体採取は、組織を採取する生検よりも非侵襲的であり、がん細胞を採取する痛みや検体採取を行う時間を大幅に軽減・短縮することができます。この検査法は、リキッドバイオプシー(血液による生体検査)とも呼ばれ、現時点では組織からの遺伝子解析を置き換えるものではなく、相補的な役割と考えられますが、米国の非小細胞肺癌NCCNガイドラインでは、組織からの繰り返しの生検が困難な場合は、リキッドバイオプシーを考慮する指針が出され、他のがんでの活用も米国を中心に期待が高まっています。
 国内ではEGFR遺伝子の異常を血液から調べるコバスEGFR変異検出キットが保険収載されていますが、73の遺伝子を網羅的に解析する血液からの検査は初めてになります。
 東京医科歯科大学医学部附属病院では、今回診療中のがん患者さんがPROFILE試験のプロトコールに基づいたリキッドバイオプシーの最初のケースとしてこの検査を受け、その結果は2週間以内に主治医のものへと届けられます。

※原則として、現在は当院かかりつけの患者さんのみを対象としております。
 検査の対象となる方は以下の通りです。

①現在されている治療の効果が得られなくなったときに、次の標準治療がない方
②原発不明がんの方
③希少がんの方

プレス資料(PDF)

問い合わせ先

内容に関すること

東京医科歯科大学 医学部附属病院
腫瘍センター副センター長 池田貞勝(いけださだかつ)
Tel: 03-5803-4873
E-mail:genome.canc@tmd.ac.jp

報道に関すること

東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
TEL:03-5803-5833 FAX:03-5803-0272
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