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「侵襲性歯周炎患者における「NOD2」遺伝子変異の同定」【和泉雄一 教授、田中敏博 教授】

和泉 雄一(イズミ ユウイチ)教授 大学院医歯学総合研究科歯周病学分野(中央)
田中 敏博(タナカ トシヒロ)教授 大学院医歯学総合研究科疾患多様性遺伝学分野(右)
須藤 毅顕(スドウ タケアキ)大学院生 大学院医歯学総合研究科歯周病学分野(左)

ポイント

劇症型の歯周病である侵襲性歯周炎は遺伝子疾患と考えられておりますが、その原因遺伝子は未だ同定されておりませんでした。
日本人の侵襲性歯周炎のエクソームシークエンシングにより、NOD2遺伝子の変異を同定しました。
NOD2遺伝子は細胞質受容体で自然免疫システムに重要な遺伝子として知られています。
本研究により、侵襲性歯周炎の病因・病態の解明につながることが期待されます。

 歯周病は生活習慣病の1つで、慢性の細菌感染による過剰な免疫反応によって起こる炎症性疾患です。炎症反応が歯槽骨の破壊を引き起こし、歯牙の動揺さらには喪失につながります。侵襲性歯周炎は劇症型の歯周病であり、糖尿病等の全身性疾患の既往がなく早期に発症し、生活の質 (quality of life, QOL)を著しく損なう疾患です。家系内での発症があるという特徴から遺伝要因の関与が示唆されており、これまで候補遺伝子アプローチによる遺伝学的研究が行われてきましたが、原因遺伝子の同定には至っていませんでした。

研究成果の概要

 研究グループは侵襲性歯周炎罹患者99人をリクルートしました。そこから侵襲性歯周炎罹患者を複数含む2家系(罹患者5名、非罹患者1名)のエクソーム解析を行いました。絞られた候補遺伝子に対し、サンガー法により変異の確認をしたところ、2家系の罹患者全員にNOD2遺伝子のミスセンス変異が同定されました。さらに残りの94人におけるNOD2領域の変異の有無を検討するためにターゲットリシークエンス解析を行ったところ、あらたな変異が3箇所(全体で5箇所)同定されました(図1)。

研究成果の意義

 本研究結果により、侵襲性歯周炎の遺伝的背景の一端が特定されました。NOD2は自然免疫に重要な細胞質内受容体で、グラム陰性菌の構成要素であるMDP(Muramyl dipeptide)を認識して炎症シグナルを惹起することが知られております。またクローン病などの炎症性腸疾患の原因遺伝子として報告されており、細菌感染症全般の原因解明にもつながるものと考えられます。また今後NOD2変異が侵襲性歯周炎の病態に与える影響をさらに明らかにしていくことで、新規治療法や診断法の開発につながることが期待されます

用語の説明

エクソーム解析
ゲノムの中で RNA に転写されるエクソン領域のみを対象として塩基配列を決定し、解析する手法。すべての遺伝子のエクソン領域をあわせても全ゲノムの約1~1.5%を占めるのみである一方、非エクソン領域よりも機能的に重要であり、全ゲノム解析と比較して効率的な疾患ゲノム解析が可能である。遺伝性疾患の原因となる変異はエクソン領域に多くみられる。

サンガー法(ダイデオキシ法)
塩基配列決定法の一種。原理は1977年に開発されたが、現在でも塩基配列の決定・検証に用いられている非常に信頼性の高い手法。本法の開発は他の塩基配列決定法であるマクサムギルバート法とともに、1980年ノーベル化学賞の受賞理由となっている。

論文情報

掲載誌: 国際科学誌 Journal of Dental Research Online
論文タイトル: Association of NOD2 mutations with aggressive periodontitis

問い合わせ先

研究に関すること

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
歯周病学分野 和泉 雄一(イズミ ユウイチ)、須藤 毅顕(スドウ タケアキ)
TEL:03-5803-5488 FAX:03-5803-0196
E-mail:y-izumi.peri@tmd.ac.jp, t-sudo.peri@tmd.ac.jp

疾患多様性遺伝学分野 田中 敏博(タナカ トシヒロ)
TEL:03-5803-4660 FAX:03-5803-0394
E-mail:ttana.brc@tmd.ac.jp

報道に関すること

東京医科歯科大学 総務部総務秘書課広報係
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
TEL:03-5803-5833 FAX:03-5803-0272
E-mail:kouhou.adm@tmd.ac.jp

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