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学長対談

ゲノム情報をはじめとした医療ビッグデータを活用する時代を迎え、医療においてもICT(情報通信技術)は欠かせないものになりました。未来の社会に向けて、医療とICTはどのように融合していくのでしょうか。「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」をグループビジョンに掲げるNECの遠藤信博会長(対談時 社長)と、東京医科歯科大学の吉澤学長が、グローバル戦略やイノベーション創成、組織作りなどについて語り合いました。

「企業」と「医療」それぞれの グローバリゼーションとは

吉澤:今回、遠藤社長には、NECという大きな組織を率いるトップとして、どのように国際戦略やイノベーション創造に取り組んでおられるか、ぜひともお話しいただきたいと思っています。
 東京医科歯科大学でもグローバリゼーションを重要課題のひとつとして推進していますが、企業におけるグローバリゼーションとはどのようなものでしょうか。

遠藤:グローバルリーディングカンパニーを目指すNECが、グローバリゼーションをどのように捉えるかをお話しするにあたって、まずは私たちのミッションをご説明させてください。
 NECでは「Orchestrating a brighter world(http://jpn.nec.com/profile/vision/message.html)」をブランドステートメントとして、グローバルに事業を展開しています。この言葉のうち「Orchestrating」とは本質的な社会課題の解決に向けて、世界の皆さんと新たな価値を「共創」することを表し、「brighter」には「明るく」と「賢く」という2つの意味が込められています。すなわちお客さまと我々NECとの“共創”により、“賢い”ソリューションによって、豊かで“明るい”社会と未来の実現に貢献していこうというメッセージです。
 今、世界には数多くの社会課題がありますが、人口問題は特に大きな課題のひとつです。世界の人口は2050年に現在の1.3倍になるといわれておりますが、とりわけ都市部の人口が集中的に増えます。そのことによって人口増加は1.3倍でも、エネルギー消費は1.8倍、水は1.6倍、食料は1.7倍も必要になるのです。そうなれば、資源の確保や分配を巡って国家間や都市間で課題が生ずることもあるでしょう。
 石油などの天然資源に限らず、人的資源も含めた、地球上のあらゆる資源は有限です。そういった資源を無駄なく上手に使い、安心・安全で効率的で公平な社会ソリューションをICT(情報通信技術)を通して提供することがICT企業である私たちのミッションでもあります。

吉澤:技術力によってより良いインフラを整えて世界的規模で矛盾を解決するということでしょうか?

遠藤:そうです。資源や環境への貢献はグローバルに提供できる領域のひとつです。東京医科歯科大学では、東南アジアをはじめ世界に対して医療分野で貢献する取り組みをされていると伺っていますが、我々としてもさらなる発展を必要としている国々での貢献領域はまだまだあると思っています。
 しかし、日本だけではそれらの課題を解決できませんから、グローバルな関係のなかで効率的・効果的にできる仕組みを作り上げていくことが重要です。そのような仕組みは、国と国、人と人という関係性のもとでしか構築できないと私は思うのです。結局のところ、心が通じ合っていなければ次のステップ、新しい関係へと進むことにはなりません。技術やソリューションを提供する以前に、人と人、地域と地域の関係性を作り上げる役目を負っていかなければなりません。

吉澤:企業の場合は、そのように社会に貢献する一方、利益も出さなければいけない難しさがあるように思います。

遠藤:当然ながら、利益は必要です。企業はそのために大きな投資をしますが、その投資はお客さまに満足いただける付加価値の高いものを提供するためのものですし、それによって世の中がさらに豊かになる、人々が幸せになる、といったことにつなげてゆくのが私たちの目指すものです。

吉澤:医療系大学の場合は健康や医療という視点になりますが、人々の豊かさや幸福を追求するという意味ではNECと同じです。東京医科歯科大学では、「知と癒しの匠を創造する」というミッションに加えて、「医科歯科連携で、世界の医療・医歯学研究のグローバルスタンダードへ」というブランドゴールを設定しています。グローバリゼーションの基本はコミュニケーション力、課題を見つける感性、解決する教養が必要である為、本学は国立大で唯一教養部を持っています。元々グローバリゼーションは経済的、社会的、政治的意味合いが強かったのです。しかし医療におけるグローバリゼーションについては、医療、研究、教育の観点から考える必要があります。先ず研究では普遍的生命現象を解明する生命科学研究、疫学研究、環境問題などを通じての人々の幸福への貢献。次に医療では合理的かつマニュアル的な「アメリカの医療」がスタンダードだとされてきました。しかし、医療は国、地域の実情に応じて施行される必要があり、技術だけでなく健康政策など総合的に考えることが大切です。その意味でグローバルヘルスを進めていくには社会政策、医療経済政策、感染病対策の一環であるインフラ整備などの上に、日本人が得意とする患者さんに優しい低侵襲な治療や、個別化医療などを世界に広げていきたいと思います。日本が世界をリードする医療分野も少なくありません。このような観点から教育すなわち現地に相応しい形での人材育成が重要となります。
 現実に本学では東南アジアやチリなどで医療による貢献をしていますが、それは日本が得意とする分野でもアメリカ的な医療でも構いません。私たちの場合は、現地で医療人材を育成することが重要と考えて力を入れています。そのひとつとして、チリやタイの大学とジョイントディグリープログラム(http://www.tmd.ac.jp/faculties/graduate_school/jd_hp/index.html)を設置しました。

遠藤:このようにお聞きしていくと、医療とICTは非常に似た領域だとわかります。最近ICTの世界では、AI(Artifical Inteligence:人工知能)の進化が著しく、ビッグデータの中から自ら学び考えるAIにICT企業の多くが注力しています。最後の判断までをAIにさせるという考えもありますが、私は、医療を含む人間社会における判断は人間がすべきだという思いを持っています。
 なぜならば、人間が抱える課題の中には、ロジックだけでは判断できない部分があるからです。人間社会には、倫理観などをはじめとして人と人の関係性の中で判断すべきことがあります。そのような局面においてICTは判断をサポートする役割を果たすべきであって、判断そのものを行うべきではないと思うのです。

吉澤:しかし、ICTで使えるデータを作るに当たって基本情報を提供するのは、やはり医者本人になりますよね。またその基本情報に誤りがあればICTも誤った方向になりますので、知と癒しの匠である医師の協力が得られないと、正しいデータにならないと思います。

遠藤:それはとても大切な視点です。データの正しさがなければ、知識の蓄積にはなりません。そして、それこそが価値を生み出す重要なポイントになります。
 世間では「データ」に価値があるように誤解されることがありますが、データそのものから即座に価値が生まれるわけではありません。集めたデータを分類して整理したものが「インフォメーション(情報)」。そのインフォメーションに何らかの分析を加えると、原理原則や因果関係などが見えてきます。これが「ナレッジ(知識)」です。そのナレッジをベースに何らかの「推定」が可能になりますが、推定することではじめて「対応」や「判断」が可能になる。この段階に来てはじめてデータは価値を持つのです。
 人間社会の中でもっとも重要な領域が、この「判断」であり、それは「知性」に基づくものだと私は考えています。医療もまさにそうで、患者さんのデータを見て、観察をして、エビデンスに裏打ちされた医療ナレッジをもとに疾患やその後を推定してから、治療という対応をされると思いますが、最終的にはお医者さんというディシジョンメーカー(決定者)が判断することで医療が行われます。つまり、お医者さんが最終的な判断をするところが重要だと思うのです。

吉澤:その考え方はとても参考になりますね。医者の場合はもう少しアナログですが、勉強しない医者と勉強している医者、あるいは経験の深い医者と浅い医者だと考えるとわかりやすいかもしれません。今はコンピュータで論文を読むことができますが、以前の私は図書室で新しい呼吸器の関係の本に全部目を通し、必要があればコピーするなどして知識をどんどんと増やしていき、論文を書き、臨床研究を経て知識を身につけていきました。そうやって知識を身につけ、日々の臨床経験を加えて判断の精度を高めます。ですから、努力している医師の間でも卒後1年目の医者と5年目の医者とでは知識も技術もまるで違います。
 経験を通して知識を増やし、より正確な判断ができるようになるということでは、ICT企業と同じですね。しかし今後はICTを利用して一層効率的に且つ正確性を高める必要があると思います。

ICTと医療の融合により イノベーションを創成する

吉澤:医療分野でも創薬などにおいてイノベーションが重視されていますが、そもそもイノベーションとはどのようなものでしょうか。世間では、新製品や画期的な製造法の開発、資源の有効活用など、経済的な意味合いで使われることが多いようです。

遠藤:イノベーションによって革新を起こすことも大切ですが、企業では持続性が大変重要です。私の場合は継続的に価値を創造できる能力があるかどうかという意味でイノベーションの能力を考えることが多いような気がします。
 継続的に価値を作るということについては、日々議論しています。NECには「NECグループバリュー」という従業員として大切にしてゆくバリューがあり、そのトップに「ベタープロダクツ・ベターサービス(http://jpn.nec.com/profile/corp/necway.html)」を掲げています。これは我々の創業時から受け継がれている考えですが、どうしてベストではないのかと聞かれることがあります。ベストとはある時点においての最良という意味。しかし、私たちは常により良いもの、より良い価値を出していきたいという思いがあり、ベターを追求する仕組みの中で、今以上に価値が上がるようにしていこうとしています。
 また、私たちは人間社会のプラットフォームがものすごいスピードで進歩していることを意識しなければなりません。スーパーコンピュータの処理能力だけで見ても、過去20年間で実に57万倍にもなるのです。これは驚くべき進化といえます。

吉澤:そういえば、囲碁の名人とAIが勝負をして、人が負けたということもありましたね。

遠藤:そうです。それほど計算能力が高くなっているので、ものの考え方や手法にも影響が出てきます。先端医療を推進する東京医科歯科大学でも、コンピューティングパワーを存分に活用することで、今まで見えなかったものが見えるようになり、さらに判断の正確性が増すことがあるはずです。

吉澤:医療のイノベーションでは、創薬や新しい医療機器開発が中心だと思われていますが、新しい診断方法、新しい手術方法、新しい病態発見、新しい治療法、先制医療なども重要です。医療ビッグデータによるイノベーションは世界がもっとも期待する部分です。例えば新しい遺伝子をみつけて病態を解明し、治療法を見つけるといったことで、本学では遺伝子的バックグラウンドをベースとした予防医学をやろうとしています。
 遺伝子を含む膨大な生体データを活用するためのシステムを構築しようとしているのが、本学の疾患バイオリソースセンター(http://www.tmd.ac.jp/brc/)です。従来のシステムではすぐにデータの許容量をオーバーしてしまいますが、遺伝的バックグラウンドのデータベース化から予防医学、治療までの一連の流れを作ろうとしています。2016年4月には、長寿・健康人生推進センター(http://www.tmd.ac.jp/medhospital/chouju/)を設立しました。こうした流れを見越して、本院を受診された患者さんから採取した生体情報を蓄積しており、暗号化して個人が特定できないようにした膨大なデータベースが構築されつつあります。

遠藤:それはとても面白い取り組みですね。

吉澤:長寿・健康人生推進センターでは、個人の遺伝子的バックグラウンドなどを含む健康管理ゲノム情報と生活習慣に対する指導や健診などを組み合わせ、健康維持、病気の早期発見・早期治療を行う先端的健診を行います。そのためのシステムを立ち上げているところです。

遠藤:それこそまさにイノベーションです。病気になってから受ける医療ではなく、病気になる前の医療となると、今までの医療への考え方とはまるで違いますね。

吉澤:ICTの活用としてすでに研究が進んでいる分野としては、胸のCT画像をコンピュータでアナライズすることが可能になりつつあります。ロボット手術や手術支援用の3Dヘッドマウントディスプレイなどはすでに本院でも導入されていますし、いずれは医者の耳で聞かなくても、胸に当てただけで診断してくれる聴診器が出てくるでしょう。さらに医療イノベーションが進めば、ロボティクスやAIという領域に進むことが考えられます。
 私のような古い医者は、診断画像をじーっと見て、聴診器の音を聞いて診断しましたが、このような技術が進めばICTの活用でデシジョンを下すベテラン医師が少なくても良い時代がくると思います。

遠藤:たとえAIがある程度診断できるようになったとしても、最後の判断はお医者さんがするはずです。コンピュータは膨大なデータを処理し、知識を整理してくれるなどサポート役を果たすことになります。

吉澤:確かに、今の医者はデータを取り、整理するところから、判断、治療、治療後の観察まで全部一人でやっていますから、その一部分を効率化できるだけでもかなり助かります。

世界の中で存在感を示す 強い組織を作るために

吉澤:現在、本学のランキングは医学分野で日本4位、アジア13位、歯学分野では日本1位、アジア2位となっています。また、小規模大学のランキングでは日本で1位、世界で12位となっております。論文当たりの被引用数が高いということは本学の特徴のひとつで、日本で2位、アジアで5位となっています。国内で見てもかなり小規模な単科大学ではありますが、それだけ良い論文が多いと自負しています。
我々はそのような社会的評価を意識するようにしていますが、産業界から見て、魅力的な大学の指標などありますか。

遠藤:目に見える各指標も重要ですが、やはり私たちはどのような面においても「人と人とのつながり」を重視しています。
先端技術を推進するICT企業として大切にすべきこととして、「事業は人、企業は文化」ということをよく社員たちに話します。人間社会では、あらゆる事業を人がやっています。事業は企業対企業が行っているように表面上は見えますが、企業という箱が事業をするわけではありません。企業にしっかりとした意志を持った人が集まって、お客さまと直接コミュニケーションをとることで初めて事業を成し遂げることができ、結果としてお客さまの満足を得る良い成果をあげることができます。
 大学との連携でも個々の人とのつながりが大切だと考えており、大学の方々には学生たちが就職前にインターンシップにやってくる期間をできるだけ長くしてほしいとお願いしています。現在、各大学からのインターンシップ期間は2週間くらいですが、それでは短かすぎます。2週間では人間関係は築きにくいですし、何よりもNECがどのような事業を行っていて、どのような価値を提供する企業なのかもわかってもらえないでしょう。

吉澤:本学の基本理念は「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」ですが、知とは知識、技術、自己アイデンティティ、癒しは感性教養、多様性を受け入れるコミュニケーション力であり、この為、教養部があります。その点、知と癒しで人と人とのつながりが広がっていくと思います。医学部の学生で企業にインターンシップに行くことはありませんが、本学ではなるべくたくさんの学生が留学できるような仕組みを作っています。2カ月から半年程度、欧米やタイなどの外国で研究や臨床の現場を見て、国際的な視野を広げてもらうのです。そうやって外の世界を知ってもらう一方で、私は学長に就任してから「愛校心」という言葉を使います。最近ではあまり良い印象を持たれない言葉かもしれませんが。

遠藤:私も「愛せる会社、愛される会社」という言葉を使いますよ(笑)。

吉澤:たぶん「愛校心」を良くない意味として捉える人は、組織が人々を縛る考え方だと思うのでしょう。しかし、私はこの言葉は、同じ方向に向かって、大学の歴史を一緒に創っていこうという意味だと思っているのです。

遠藤:私が考える「会社に対する愛」も同じです。より具体的に表現すると、いまNECで働く私たちが、100年後にも継続的に価値を作り続けることを考えることが大切です。自分たちが生きている今という時代で価値を提供するのはもちろん、100年先も同じように何らかの形で社会に貢献できる会社であり続けられるようにという思いを込めて仕事をすることが大切だと思ってます。
 100年先となると、自分たちはそこにはいません。しかし、それほど先のことを思って何かをすることは、愛以外のなにものでもありません。親は我が子には将来人の役に立つ人になってほしいと願います。親が次の世代に思いを馳せて子どもたちに愛情を注ぐのと、企業が将来のことを思うことは、愛という観点で一緒だと思います。

吉澤:将来像を共有できているかどうかは大切ですね。
 もうひとつお聞きしたいのは、組織作りについてです。本学は学生数3000人程度の小さな大学で、職員数も多くないのですが、国立大学法人になってから学長の権限がとても大きくなりました。そこで、計画を素早く実行するためのシンクタンクを設置しました。それとは別に、学長企画室という事務系の組織も作ったのですが、企業の場合にもそのような組織があるのでしょうか。

遠藤:もちろん企画部門のような組織はありますが、NECでは経営に関わるトップマネジメント全員がしっかりと話し合い、物事を決められるチームをつくっています。
 最終的にトップに求められるのは決断で、その前の判断はできるだけ周囲の人ができるようにしたほうがいい。ただし、判断する人たちが社長と同じ思いでなければ会社としての方向性がズレてしまいますから、私を含めたトップマネジメントやビジネスユニットの執行役員となる人たちには、全員、NECという全社視点で考え、判断できるコンセプトを共有しようとしています。そうすれば、私のところまで来なくても、同じ判断ができるはずです。

吉澤:私も、学長が何でも一人で決めるのではなく、執行部で情報を共有して議論し、その結果はスピード感を持ってさまざまなことを実現させたいと思っています。

遠藤:そのために私が意識しているのは、執行役員たちに「視座を高めてもらう」ことです。執行部のメンバーたちが、これまでよりも一段高いレベルで、できれば学長や社長と同じ視点からものを考えられるようになってくれることが私たちの望みです。そうでなければ、本来期待する答えは出てこないはずです。

吉澤:本当ですね。彼らがそこまで育ってくれることが理想です。

遠藤:最近、企業の価値についてよく考えるのですが、企業の価値は「人が集まること」にあるのではないでしょうか。個人商店やベンチャー企業はその人個人の力で価値を創造しているわけですが、多くの社員から構成される企業は、そうやって人が集まっていることそのものに価値があるのではないかと。
 社員にも「企業に100人の人が集まっていることを想像してほしい」と話すことがあります。そこにいる100人は一人ひとり全員が価値を持っているので、それだけでそこには100の価値があります。しかし、その100人がお互いに関わり合わなければ、100以上のものにはなりえません。そこで100人がコミュニケーションし合い、ディスカッションをすれば、一人ひとり、現在その人の持っているポテンシャル以上の+αの能力が必ず引き出せます。組織全体としては100×(1+α)の能力が得られるわけで、この100αの部分こそが企業または組織の価値です。
 吉澤学長が作られたシンクタンクや、NECの執行役員組織はまさにそれで、従来はあまりコミュニケーションを取らない人たちを集めてディスカッションしてもらうことで新たな価値を創造しています。そう思うと、トップの役目はコミュニケーションの場を設けることともいえます。それを決断できるのがトップマネジメントなのでしょう。

吉澤:こうしてお話を伺ってみると、本学とNECでは理念や組織づくりなどにおいて共通点も多いように思えます。遺伝子バックグラウンドに基づく新しい医療の構築をはじめとした本学のバイオバンク事業など、産学連携についてもぜひ推進したいところですが、御社から本学に期待されることはありますか。

遠藤:東京医科歯科大学は日本の医療系大学をリードする存在であるだけでなく、医療の最先端を進むための強い思いを持った大学だと思っています。しかも、膨大な生体データを集められる臨床現場があり、ICTの視点でのデータ、インフォメーション、ナレッジ、インテリジェンスいうベースの部分を組織として内包している強みがあります。
 それらの強みを新しい医療のためにどのように適用されるのかが大変興味深いところであり、NECの強みを活かして貢献させてもらえればと考えております。

吉澤:ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いします。