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隊員インタビュー:宮前繁さん(看護師)

―これまでのDMATとしての活動経験について教えてください

今回が初めての活動です。

―初めに被災地の被害状況を見た時の感想について教えてください

熊本入りした時には、すでに日が暮れていました。その影響か、妙な静けさを感じたことを覚えています。しかし、市内の中心部へ向かうに連れて、まばらではあるものの行き交う車、電気のついている家、営業している店が徐々に増えていき、住民の方々の生活が少しずつ見えてきたことでひとまずの安堵感がありました。

―宮前さんは被災地でどんな活動に従事されましたか

熊本赤十字病院内に設置されたDMAT活動拠点本部において、医療情報班として終日活動しました。他県のDMAT隊と協力し、計2隊で以下の活動を行いました。
 ・EMIS(Emergency Medical Information System:広域災害・救急医療情報システム)に最新情報を反映させること
 ・医療機関の状況と、支援・物資のニーズを明らかにし、支援の方向性についてアセスメントすること
 ・今後の支援に関する問い合わせについて周知を行うこと
熊本赤十字病院DMAT活動拠点本部の撤退日の20日には、EMIS上で前日に医療支援ニーズが残っていた29施設と救護所登録されている病院35施設へ現状確認を行いました。そして現存するニーズや状況に関する資料を作成し、今後の医療活動において必要な対応について提案を行いました。20日午後からは、熊本赤十字病院救命救急センターにて、約3時間診療補助業務の支援を行いました。

―これまでの災害と比較して、被害状況や被災者の状態、また災害支援の方法など、今回の熊本地震に特徴的なことはどのようなことだったと感じられますか

今まで日本が経験してきたことが、今回の支援活動に繋がっていると考えます。支援活動では不足する医療ニーズに対してただ資源を投入するのではなく、災害医療コーディネーターを設置し、そのコーディネーターを中心に地域の力を活かそうとする調整が行われました。常に活動の中心は現地の方々であり、自分たちはその活動を支援しているのだ、という意識を持つことができました。

被害に関連する地域的な特徴としては、瓦屋根の家屋や一部の地区に家屋が密集している集落が散見されたことです。家屋の倒壊が激しい地域では、避難生活や車内泊による疲労も合わさり、感染症や慢性疾患の増悪が見られたようです。また、地域の結びつきは強いようにも思いましたが、コミュニティ同士の距離が離れている事も被害状況や支援状況に関連する特徴と言えるのではないかと考えます。

その中でも、やはり今回の震災の一番の特徴は前震があったことではないかと考えています。

―被災者支援や他のDMATとの連携において、何か印象に残っている出来事はありますか

現地の方と生活状況についてお話させていただいた時「ここは元々そういうところだからね」と言われたことが印象に残っています。医療者から見て困っていそうなことと、そこに暮らす人が困っていることは必ずしも一致しません。同じ日本であっても生活環境は異なります。元の生活を知らない者が考えたことのみで動くのではなく、そこに暮らす方々がどのように捉えており、そこにどんな健康問題が生じているのかを見極める事が必要であると考えました。その時、私たちは医療者として、ただ医療を提供するのではなく、求められている事へ柔軟に対応する姿勢を持たなければならないと痛感しました。

―その他、今回の活動を通じて、今後の災害支援活動、あるいは本学における医療・研究活動に従事していく上でお考えになったことがあれば教えてください

日本DMATの活動の前提として、まずは災害超急性期の医療ニーズに対応しなくてはなりません。しかし、昨今では複雑化する災害に対し、より柔軟な対応が求められています。「医療者として自分に何が出来るのであろうか」という問いを持ち、日々の業務の中で自己研鑽を行い、今後来るであろう首都直下地震への備えを、より一層強化していく必要性を考えました。

インタビューに答えてくださり、どうもありがとうございました。