業績
最近の主な業績
- Sugizaki A, Sato K, Chiba K, Saito K, Kawagishi M, Tomabechi Y, Mehta SB, Ishii H, Sakai N, Shirouzu M, Tani T, Terada S. POLArIS, a versatile probe for molecular orientation, revealed actin filaments associated with microtubule asters in early embryos. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 118 (11):e2019071118: Published online 5 March 2021.
- 内容紹介
- 蛍光偏光観測の基盤技術開発を進展させ、生命科学領域において任意の標的分子に対して偏光の情報を利用して新たな蛍光観測を可能とする新規蛍光標識技術ポラリス法の開発に成功しました。開発したプローブは遺伝子にコードされており、F-アクチンを認識するポラリスプローブを応用することにより、ヒトデ受精卵の細胞分裂時に形成される、従来しられていなかったアクチン関連構造であるフレア構造を発見し、手法の有用性を実証しました。
- お茶の水女子大学、理化学研究所、米国ウッズホール海洋生物学研究所との共同研究です。医学部保健衛生学科 形態・生体情報解析学分野より委託を受け、修士課程より5年間在籍した杉崎さんの博士論文となりました。直接指導にあたった佐藤助教とのequal contributionです。文部科学省科学研究費補助金(基盤研究、国際共同研究強化)、日本学術振興会二国間交流事業他の支援を受けました。
- 記者会見発表/「新規蛍光顕微観測を実現する蛍光標識技術ポラリス法の開発― 細胞分裂時のアクチン『フレア』構造の発見 ―」(東京医科歯科大学より発表)令和3年3月11日
- TMDU Research Activities で解説動画掲載
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2021年 3月 12日 オプトロ二クスオンライン『医科歯科大ら,偏光観測向け蛍光標識技術を開発』
2021年 3月 18日 日刊工業新聞『東京医歯大など、生体分子「向き」観測 蛍光偏光を活用』に記事掲載。 2021年 3月 26日 科学新聞『1分子レベルで細胞内動態を観察 新たな蛍光顕微観測可能に 標識技術「ポラリス法」開発 東京医科歯科大が成果』に記事掲載。
- EurekAlert(東京医科歯科大学)、The Well(米国ウッズホール海洋生物学研究所)、Science Japan(科学技術振興機構)にて発表を予定。
- プローブはAddgeneから頒布されます。https://www.addgene.org/Sumio_Terada/
- 内容紹介
- Nakai N, Sato K, Tani T, Saito K, Sato F, Terada S. Genetically encoded orientation probes for F-actin for fluorescence polarization microscopy. Microscopy (Oxf), 2019; (DOI 10.1093/jmicro/dfz022)
- 内容紹介
- アクチンを標的とし、遺伝子にコードされる実用的な蛍光偏光プローブの開発に成功しました。現在研究室内で開発が進展している蛍光偏光観測の基盤技術の布石となる報告です。
- 米国ウッズホール海洋生物学研究所との共同研究です。プロジェクトセメスターからMD-PhDコースに進学した中井くんの主に学部在籍中の実験内容の一部をまとめたものです。文部科学省科学研究費補助金(基盤研究、国際共同研究強化)、日本学術振興会二国間交流事業の支援を受けました。
- Editor’s choice論文に選出され、表紙を飾りました。オープンアクセス扱いとなっています。
- 2021年、日本顕微鏡学会より第36回論文賞授賞。
- プローブはAddgeneから頒布されます。https://www.addgene.org/Sumio_Terada/
- 内容紹介
- Kawagishi M, Obara Y, Suzuki T, Hayashi M, Misawa K, Terada S. Direct label-free measurement of the distribution of small molecular weight compound inside thick biological tissue using coherent Raman microspectroscopy. Sci Rep, 5:13868; Published online, 10 September 2015.
- 内容紹介
- 「位相制御コヒーレントラマン顕微分光法」により、低分子化合物の濃度分布を、組織内でそのまま測定することに成功しました。薬剤が生体組織内で局所的に存在する様子を測定する方法への道が開かれました。
- 東京農工大学との共同研究です。JST 先端計測分析技術・機器開発プログラムならびに文部科学省科学研究費補助金、日本学術振興会二国間交流事業の支援を受けました。
- 記者会見発表/「マウス組織に投与した低分子化合物の濃度分布測定に成功― 生体への薬剤作用機構解明へ新たな手法 ―」(東京医科歯科大学、東京農工大学の共同発表)平成27年9月8日
- 平成27年9月20日 サイエンスポータル 、キャリアブレイン 、アンサーズ 、Yahoo!ニュース に記事掲載。
- 内容紹介
- Nagashima Y, Suzuki T, Terada S, Tsuji S, Misawa K. In vivo molecular labeling of halogenated volatile anesthetics via intrinsic molecular vibrations using nonlinear Raman spectroscopy. J Chem Phys, 134, 024525 (2011); Published online, 13 January 2011.
- This has been selected for the January 2011 issue of JCP: BioChemical Physics.
- 内容紹介
- 「位相制御コヒーレントラマン顕微分光法」と呼ばれる手法を用いて、イカの神経巨大軸索に注入した麻酔薬(セボフルラン)のラマンスペクトルを細胞質から分離して測定し、細胞中での麻酔ガス分子の位置を特定することができました。
- 東京農工大学との共同研究です。長島くん(東京大学から委託)の博士論文となりました。
- 記者会見発表/「生きた神経細胞内で麻酔ガスの分子を検出することに成功 ~神経信号伝達に対する麻酔ガスの作用機構解明へ新たな手法~」(JST、東京農工大学、東京医科歯科大学の共同発表)平成22年12月15日
- 平成22年12月16日 日経BP社バイオテクノロジージャパン(BTJ)
- 平成22年12月27日 日刊工業新聞、日刊工業新聞Business Line
- 平成23年 1月 1日 科学新聞 に記事掲載。
- Hoshino M, Tsujimoto T, Yamazoe S, Uesugi M, Terada S. Adhesamine, a new synthetic molecule, accelerates differentiation and prolongs survival of primary cultured mouse hippocampal neurons. Biochem J, 427:297-304, 2010.
- 新規小分子合成化合物アドへサミンが神経細胞の初代培養の基質として優れた特性を有することを証明した論文です。今後広く利用される実験試薬となることが期待されます。京都大学、同志社大学との共同研究です。(Comment in BJ Cell Spotlight.)
- アドへサミンは和光純薬工業から発売になりました。
- Terada S, Kinjo M, Aihara M, Takei Y, Hirokawa N. Kinesin-1/Hsc70-dependent mechanism of slow axonal transport and its relation to fast axonal transport. EMBO J, 29(4):843-854, 2010.
- 細胞質性蛋白質の細胞内輸送に際し、Hsc70がモーター分子キネシン1と積荷蛋白質との間を結ぶ足場となっていることを示した論文です。またHsc70がキネシン1から外れると今度は膜器官とキネシン1の結合が促進され、積荷の種類の切り替えにHsc70とキネシン1との結合の有無が関与していることがわかりました。トランスジェニックマウスの結果から、神経細胞内における細胞質性蛋白質輸送の遅延が遅発性の視神経軸索変性を惹起することが示され、緑内障をはじめとする神経変性疾患との関連から注目を集めています。北海道大学、東京大学との共同研究です。(Comments by Linda Amos and Orly Reiner. Download ranking in EMBO. Ratings at Faculty of 1000 Biology, Biochemistry, Structural Biology, Cell Biology, All of Biology.)
最近の主な講演
- 新規汎用蛍光偏光プローブPOLArISの開発とライブイメージングへの応用 寺田純雄 The joint meeting of the 120th annual meeting of the Japanese Association of Anatomists and the 92nd annual meeting of the Physiological Society of Japan.(第128回日本解剖学会総会・全国学術集会、第98回日本生理学会大会合同大会) 2021年3月
- Toward deciphering the mystery of cytoskeletal dynamics. Terada S. Keynote Speech, The 33rd Joint Annual Conference of Biomedical Science, Taiwan 2018年3月
- **Close-up pictures of cytoskeletal dynamics in neurons. **Terada S. The 7th Asia Pacific International Congress of Anatomists, Singapore 2016年3月
- **Microscopic and spectroscopic dissections of cytosolic and cytoskeletal protein dynamics in neurons. **Terada S. Seminar, Soochow University CAM-SU GRC (Cambrige-Soochow Genomic Resource Center), China 2016年1月
- Measuring the distribution of small molecule compounds inside biological tissue via intrinsic molecular vibrations using nonlinear Raman spectroscopy. Kawagishi M, Terada S. The joint meeting of the 120th annual meeting of the Japanese Association of Anatomists and the 92nd annual meeting of the Physiological Society of Japan.(第120回日本解剖学会総会・全国学術集会、第92回日本生理学会大会合同大会) 2015年3月
- 「生命科学における実用化に向けたコヒーレントラマン顕微分光法の開発」寺田純雄 第119回日本解剖学会総会・全国学術集会 解剖学会・顕微鏡学会合同シンポジウム「最近の顕微解析法が拓く機能分子解剖学の新展開」 2014年3月
- Cytoskeletal dynamics in neurons and beyond. Terada S. Lecture, School of Life Sciences, Peking University, China 2012年10月
- Dissecting slow axonal transport mechanism with fluorescence cross-correlation spectroscopy. Terada S. Weak protein-ligand interactions: New horizons in biophysics and cell biology meeting. Beijing, China(米国生物物理学会、中国生物物理学会、中国科学院生物物理研究所共催) 2012年10月
- Microscopic and spectroscopic dissections of cytosolic and cytoskeletal protein dynamics in neurons. Terada S. Lecture, ISP2012, Tokyo Medical and Dental University, Japan 2012年8月
- 「蛍光相関分光法と薄層斜光照明法による細胞内動態観察」寺田純雄 第68回日本顕微鏡学会 シンポジウム「生物顕微鏡応用の新展開」 2012年5月
- 「細胞質性蛋白質輸送(遅い軸索輸送)障害と遅発性軸索変性」寺田純雄 第88回日本生理学会大会 第116回日本解剖学会総会・全国学術集会シンポジウム 2011年3月
- Kinesin-1/Hsc70-dependent mechanism of slow axonal transport and its relation to fast axonal transport. Terada S.Minisymposium, Biophysical Society 55th Annual Meeting. Baltimore, USA 2011年3月