学生・研修医の皆様へ

光法雄介

光法雄介

2011年 大学院卒業

 われわれ、肝胆膵外科が扱う疾患は、外科の中でも多様性に富んでいる。肝の腫瘍性病変や、膵の腫瘍性病変は、鑑別疾患が多岐にわたり、診断・治療において多彩な知識が必要とされる。また、胆石症などはcommon diseaseであり、腹腔鏡下胆のう摘出術や総胆管切石術は、外科手術の登竜門の一つである。専門的な知識とともに、きちんとした基礎も必要とされる。また、ERCPやPTCDなど、検査・治療の手技にも特徴的なものが多く、日々の診療の中で多数の経験を得ることができる。

 扱う疾患の中でも、肝癌、膵癌、胆道癌は、いまだに予後が不良な癌の代表である。若い医師たちの中には、「そんな治らない病気を相手にするのは面倒だ。」と思う者もいるかもしれない。現時点では、このような疾患を根治できる可能性は、外科手術による完全切除以外にない。外科医が最後の砦であり、手術での腕の見せ所である。ガイドライン通りに誰がやっても同じ、というような治療はできない。ひとりひとりの患者に対し、ひとりひとりの外科医が最善を尽くす。もちろん、手術だけではない。癌という病気は、あらゆる手を尽くす必要があり、特に化学療法は日々進化を遂げている。化学療法によって、手術が困難だったものが可能になることもあり、手術で十分根治できなかったものが長期の無再発期間・生存期間を得ることもある。われわれの教室は、多彩なテーマで分子細胞生物学的研究も行っており、新たな、より効果的な化学療法の開発にも取り組んでいる。

 医学とは、常に困難に対峙し、克服・発展してきた。また、医療行為の基本的なエネルギーは、「命を救うこと」であり、やりがいの根源である。人間は必ず死んでしまうものであるが、命を脅かす病に襲われた時、その余命を、数か月のばす、あるいは数年、もしかしたら天寿を全うするまで伸ばすことができる。われわれは、そのような可能性に全力を懸けている。ともに医学進歩にむけて歩んでくれる同志をまっている。

三浦智也

三浦智也

2015年 大学院卒業

 自分が当医局に所属しようと決めたのは、他の分野と比較して肝胆膵外科に興味があったのはもちろんのことですが、一番は当科の研究に対するモチベーションの高さでした。自分は実際に生きているお腹の中をみている外科医だからこそやらなければいけない研究があると考えております。ただ学位というものを取得するためだけの大学院ではなく、まさに外科医だからこそ!という使命感を持って日々研究されている先生が集まる医局であり、感銘を受け、入局を決めました。臨床から離れる時期があり不安もありましたが、当科の社会人大学院という形式であれば当院勤務などで専門的な臨床も学ぶことができ、外科医としては理想的な環境と考えております。

赤星径一

赤星径一

2016年 大学院卒業

外科後期研修医の皆様へ

 肝胆膵の悪性腫瘍は未だ難治性の疾患であり、集学的治療が必要です。当科は腹腔鏡を含めた手術技術の向上、新規デバイスの開発から分子生物学的な基礎研究まで肝胆膵疾患に総合的に取り組んでいます。卒後6年目以降当科へ属されると、社会人大学院生・医員の立場となります。臨床に従事する期間と1~2年間の研究期間が確保され集中して目標に取り組むことができます。国内外の学会発表の機会やテーマも与えられ、充実した指導を受けられます。

 肝胆膵高度技能医を目指す者、肝胆膵をsubspecialityとする消化器外科医を目指す者、留学を目指す者等みな様々な目標を持っています。また、女性外科医も出産育児と両立して臨床に従事されております。

 当科に興味のある方は、時期・所属を問わず随時お問い合わせ下さい。

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