胆嚢がんの手術

 手術は胆嚢がんのある場所、浸潤範囲、進行度によって術式が様々です。早期の胆嚢がん(粘膜、固有筋層までの浸潤)であれば胆嚢摘出術のみでよいと言われていますが、漿膜以上の浸潤があった場合は周囲の肝臓、リンパ節、脈管に浸潤することが多いので、胆嚢だけでなく周囲の肝臓やリンパ節を切除する必要があります。その浸潤範囲によって、小範囲の肝切除でよいのか、広範囲の肝切除を行う必要があるのか決定します。進行胆嚢がんの手術は、胆嚢だけでなく周りの肝臓や胆管やリンパ節を切除しなければならないので、おそらく一般の方が想像されるよりも大きな手術になることが多いのです。

 胆嚢がんに対する切除範囲は肝胆膵外科の専門家の間でも意見が分かれるところであり、未だ標準的(最適な)な手術術式が定まっていないのが現状です。

 当科の方針としては早期胆嚢がん(粘膜、固有筋層までの浸潤)に対しては胆嚢摘出(+肝床切除)、進行胆嚢がんに対しては胆嚢摘出+肝外胆管切除+リンパ節郭清に加えて、肝臓への浸潤範囲によって肝切除を行い、右肝動脈、門脈に浸潤があるものに対しては拡大右葉切除を行っています。

(参考図:日本消化器外科学会ホームページ(2015年3月)より引用)

胆嚢がんの手術
胆嚢がんの手術
chevron-small-up