手術の危険度や合併症

しばしばある合併症

  • 膵液漏

     膵臓と小腸を吻合してもくっつきが悪い傾向にあり膵液の漏れが生ずることがあります。これを膵液漏と呼びます。当科では、臨床的に目立つ漏れ(追加治療や入院期間の長期化をきたすもの)は膵体尾部切除で20%程度、膵頭十二指腸切除で10%程度の成績となっております。膵液には脂肪,蛋白質を分解する作用があるため,近くの血管を溶かして,出血の原因となることがあります。漏れた膵液が体外に排出されるように新しくドレナージを必要とする場合があります。

  • 胆管炎

     胆管と空腸との吻合を介して腸液が胆管に逆流することがあります。この場合、術後早期や、退院した後も胆管炎を起こすことがあります。高熱が出て、内服の抗生物質や点滴の抗生物質が必要になるようなことがあります。また胆道ドレナージをする必要がある場合もごくまれにあります。

  • 胃排泄遅延

     膵頭十二指腸切除の後には胃の動きの回復が遅れ,胃液や食物が長時間胃内にとどまったままになることがあり,胃排泄遅延と呼びます。最終的には自然におさまりますが,胃の動きが回復するまで絶食にするとともに,胃液を抜くための細いチューブを鼻から胃の中まで入れることがあります。

稀な合併症

  • 胆汁漏

     切離した胆管を再建した際に,吻合部が漏れてしまうことがあります。万が一、胆汁漏があった場合は漏れた胆汁が体外に排出されるように新しくドレナージを必要とする場合があります。

  • 縫合不全

     十二指腸(あるいは胃)を再建した際に,吻合部がくっつかない、もしくは漏れてくることがあります。

  • 感染性合併症(化膿)

     手術の傷が化膿(創感染)したり,お腹の中が化膿したりする(腹腔内膿瘍)ことがあります。創感染の場合には,糸を抜いて膿を出すことによりおさまります。腹腔内膿瘍は細いチューブを体外から膿瘍内に挿入し,膿を抜く必要があります。

  • 術中出血

     細心の注意を払って手術を行っていますが,手術中に予期せぬ出血がある場合があります。

  • 術後消化管出血

     術後にはストレスなどにより,胃や腸から出血する場合があるほか,消化管を吻合した部分から出血する場合があります。この予防として,抗潰瘍薬を術直後から投与しております。

  • 術後腹腔内出血

     膵液漏や腹腔内感染により出血する場合があります。血管造影を行って出血している血管を詰めたりする処置(動脈塞栓術)が必要となります。また稀ながら手術での止血を必要とする場合もあります。

  • 下痢

     膵臓の周囲の神経をある程度切除せざるを得ないために,術後に下痢になることがあります。通常,下痢止めで対処できます。術後後遺症として残ることがまれにあります。

  • 糖尿病

     膵臓はインスリンなどの血糖値を調節するホルモンを分泌しています。従って,膵臓を切除すると糖尿病になったり,もともと糖尿病のある方は悪化したりすることがあります。

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