患者様へ患者様のトータルケアを目指して、高度先進医療を含む診療を行っています。

膠原病・リウマチ性疾患を患われている方は、身体の様々なところに長い間不調を抱えていることが多いものです。そのような方々を診療するにあたって、私たちがまず大切にしたいと考えていることは、患者さんの検査結果ばかりではなく、身体の状態を正確に把握しようとすることです。色々な症状を正しく診るために、他の診療科との協力も適宜行ってまいります。

私たち、東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科では、どの外来医も膠原病・リウマチ性疾患全般に精通しておりますので、疾患によらずご都合のよい平日を選んで受診することができます。

最も多くの患者さんがいらっしゃる関節リウマチについては、病勢に応じて生物学的製剤などを導入し、寛解を目指した治療を行っています。特に、日常生活を支障なく行えること、関節破壊を止めることを目指します。関節リウマチでは特に早期診断・早期治療が重要であり、積極的な治療のほか、健康診断でリウマチ因子(RF)陽性を指摘された患者さんに対する「早期・未発症関節リウマチ外来」も行っています。

関節リウマチに次いで多くの患者さんがいらっしゃる全身性エリテマトーデスは、関節・皮膚のみならず発熱や時には腎臓などの内臓障害をきたす難病のひとつです。本邦でもようやく治療の選択肢が増えてきており、以前よりもステロイドを減らせるようになってきています。全身性エリテマトーデスに合併することが多く、血栓症や習慣流産の原因となる抗リン脂質抗体症候群に関しては、本疾患に造詣の深い保田教授の着任以降、診療、研究の両面に注力しています。

その他の膠原病については、炎症性筋疾患(多発性筋炎と皮膚筋炎)の患者さんに関する診療と研究を積極的に行っています。炎症筋疾患の診断に重要な筋生検も、傷口を小さくして行うことができる筋生検を日本の病院で初めて取り入れ、多くの患者さんを診断しています。また、幅広い年齢層に発症する様々な血管炎症候群についても分子標的薬を含む治療の選択肢が増えてきており、決定的な治療法がまだない強皮症についても、最適の治療を提案させて頂きます。

さらに、周期性発熱で発症する家族性地中海熱などの自己炎症性疾患の診療にも力を入れており、原因不明の発熱など診断不明の患者さんの診療も行っています。

近年は、成人発症の膠原病・リウマチ性疾患の患者の診療だけでなく、小児期発症の膠原病・リウマチ性疾患、自己炎症性疾患などの免疫難病患者さんが成人する時期を対象とした移行期診療、つまり小児科からの「橋渡し」にも、力を入れています。

小児発症膠原病の成人女性患者と併せ、妊娠を希望される関節リウマチ、全身性エリテマトーデス・抗リン脂質抗体症候群や若年女性に多い血管炎である高安病などの患者さんの診察を周産・女性診療科と協力して積極的に行っています。

外来診療

A棟3階にて外来診療を行っています。初診の方は1階初診受付にお越しください。紹介状をご用意いただき、事前予約制としております。
これまでの病状の経過、治療の内容や効果は、診断や今後の最適な治療を考える上で、非常に重要ですので、これまでに診療を受けてこられた医療機関の紹介状(診療情報提供書)をお持ち下さい。
また、できるだけお待たせせずに診察ができるよう、お電話(地域連携室03-5803-4655)にて予約をおとりください。
※受診方法や診療内容などの詳細は膠原病・リウマチ先端治療センターのホームページをご参照ください。

また、初診担当は、曜日ごとの外来医の輪番制になっていますので、担当医師に関しては、必ずしもご希望に添えない場合もありますので、ご了承下さい。
なお、セカンドオピニオンをご希望の方は、本学病院のセカンドオピニオン外来でお受けしております。

入院診療

私たちの病棟では、初期研修プログラムで診療に参加する医師(受持医)と、 専門研修中の病棟指導医(主治医)が第一線での診療にあたることを基本にしています。 また、更に上級の専門医も毎日、診療に参加しています。通常、担当医が3~4人いますので、 その数の診療チームが病棟で日々の診療に当たることになります。これに加え、教授をはじめとする全体の医局員も、それぞれの方の診療方針について話し合っています。

※病院の所在地はこちらを、診療時間などの詳細は本学病院のホームページをご覧下さい。

臨床試験・治験

当科ではより多くの患者様に安全で有効な新しい治療を行うために様々な臨床試験・治験を行っています。

近年、関節リウマチの治療は生物学的製剤の登場により劇的に進歩し、 かつては不治の病であった関節リウマチも治る病気になりつつあります。 しかし、その他多くの膠原病(多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、血管炎など)では一部で生物学的製剤などの導入が進んではいるものの、依然として副腎皮質ステロイドと数種類の免疫抑制薬に頼った治療が行われております。 限られた治療選択肢のため治療に難渋する患者様や副腎皮質ステロイドの副作用に困られている患者様が多くいらっしゃいます。私たちは膠原病診療向上のため、臨床試験・治験を通して新薬の承認や既存薬の適応拡大などに取り組んでいます。

対象疾患(小児発症を含む)

主な対象疾患は、関節リウマチ (若年性特発性関節炎を含む)、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎/皮膚筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病、ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)、IgA血管炎、結節性多発動脈炎、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、反応性関節炎、クローン病/潰瘍性大腸炎に伴う関節炎、SAPHO症候群、掌蹠膿疱症性骨関節炎、成人発症スティル病、ベーチェット病、IgG4関連疾患、好酸球性筋膜炎、好酸球性血管性浮腫、回帰性リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群、家族性地中海熱、クリオピリン関連周期熱症候群、キャッスルマン病などです。